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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第11回 「心理学理論と心理的支援」

 皆さんこんにちは。お元気ですか。梅雨に入り天候が変化しやすく落ち着きませんが、体調管理に留意しながら、合格を目指して頑張っていきましょう。今回は「心理学理論と心理的支援」を取り上げます。ではまず、前回の課題の解説をしておきましょう。

第23回 精神保健福祉士国家試験 「人体の構造と機能と疾病」

問題 1 人の成長と老化に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 生後2か月では、寝返りが打てる。
  • 2 思春期には、第一次性徴が出現する。
  • 3 青年期の終わりは、身体の成長が最も著しい時期である。
  • 4 20 歳頃には、生殖器系の成長が最も著しくなる。
  • 5 老年期には、収縮期血圧が上昇する。
正答5

解答解説

  • 1 × 寝返りが打てるようになるのは、生後約6~7か月です。生後2か月頃は、追視の範囲が広がり、首の筋肉が発達して顔を左右に回して目で追うことができるようになります。また、音のするほうに振り向き、手足をばたばたさせる動きがみられるようになります。
  • 2 × 第一次性徴は、生殖器だけにみられる生物学的性差のことで、胎児のときに現れます。思春期に出現するのは第二次性徴で、思春期には生殖器以外の身体の各部分にみられる男性的特徴、女性的特徴が出現します。
  • 3 × 身体の成長が最も著しい時期は、乳幼児期と思春期です。身長や体重は、生育直後から4、5歳頃までに大きく成長し、その後なだらかに移行して、再び14歳頃の思春期に大きく成長するという、緩やかなS字カーブを描きます。
  • 4 × 生殖器系の成長が最も著しくなるのは、思春期です。思春期には成長ホルモンと性ホルモンの分泌が亢進し、第二次性徴がみられます。
  • 5 〇 老年期には、血管壁が老化によって固くなり収縮期血圧(最高血圧)が上昇します。その結果、収縮期血圧と拡張期血圧の差が拡大していきます。血液循環をつかさどる心臓は、老化によって収縮力が低下し、身体全体に血液を送り出す左心室壁が特に厚くなり心臓肥大を引き起こします。また、冠状動脈が硬化するため狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。

 いかがでしたか。「人体の構造と機能及び疾病」では、心身の構造と機能、健康の概念、疾病と障害、リハビリテーションなどについてもよく学習しておきましょう。
 では、今回の「心理学理論と心理的支援」について、出題基準と過去問の分析によって出題傾向を把握し、対策を立てていきます。

人の心理学的理解

 この分野は、心理学の基礎的な知識を押さえておきましょう。【心と脳】の関係については大脳の各部位の役割を、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉、小脳等の機能について確認しておきましょう。

情動と情緒 欲求・動機づけ

 情動と情緒については、「気分」「情動」「感情」の違い、欲求と動機づけ、原因帰属等が出題されています。内発的動機づけ、外発的動機づけ、達成動機等の意味や内容をよく理解しておきましょう。第23回では、マズローの欲求階層説が出題されました。

感覚・知覚・認知

 感覚・知覚・認知は、出題率が高い分野です。知覚の体制化、知覚的補完、知覚の恒常性、適刺激、暗順応、錯視、仮現運動、運動残効、図と地の分離、奥行き知覚、パターン認知等が出題されていますので、よく学習しておきましょう。
 第23回では、知覚の体制化、暗順応、選択的注意、月の錯視、弁別閾について出題されました。今回は後ほど、この分野を取り上げて解説します。

学習

 オペラント条件づけ、レスポンデント条件づけの実験と具体例、刷り込み、観察学習、洞察学習と試行錯誤等、学習形成における具体的な実験が出題されています。それぞれの実験の内容と学習理論を押さえておきたいものです。

記憶

 記憶については、作動記憶、自伝的記憶、手続き記憶、長期記憶、エピソード記憶、意味記憶、展望記憶など、出題パターンは決まっているので、記憶の種類と内容を整理しておきましょう。

知能・創造性・人格・性格

 収束的思考と拡散的思考、結晶性知能と流動性知能、知能指数の算出方法、ウェクスラー版知能検査とビネー知能検査等が出題されています。
 人格・性格論の分野は、類型論と特性論の違い、ユング、クレッチマー、シュプランガー、オールポート等を整理しておきましょう。

集団

 集団については社会心理学的視点から、集団の凝集性や集団規範、集団思考、同調や社会的手抜き、アナウンスメント効果などの内容、ソシオメトリ―、リーダーシップ論等を、また教育心理学的視点からの、ピグマリオン効果なども整理しておきましょう。社会的ジレンマ、傍観者効果、同調、コーシャスシフト等も出題されています。
 第23回ではこの分野から、ステレオタイプ、ピグマリオン効果、単純接触効果、ハロー効果、同調が出題されました。

適応・人と環境

 適応の分野からは、防衛機制(適応機制)の出題がみられます。抑圧の考え方、知性化、転換、打ち消し、合理化、反動形成、昇華などを具体例で出されても解答できるようにしておきましょう。

 人と環境については、あまり出題率が高い分野ではありません。コミュニティ心理学、犯罪被害者、ひきこもり、学生相談、職場のメンタルヘルス、非行児童等の支援の際の援助の手法や役割を理解しておきましょう。

人の成長・発達と心理

 この分野は出題率の高い分野です。発達の概念として、成熟優位説、環境優位説、ピアジェ、エリクソンの発達段階説、ボウルビィのアタッチメント理論などについて理解しておきましょう。第23回では、発達障害の症状についての出題がありました。

日常生活と心の健康

 この分野からは、ストレス対処法(コーピング)、バーンアウト等が出題されています。ストレスとストレッサーの関係、ストレスの症状と対処方法、危機介入、ソーシャルサポート、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングのそれぞれの意味、外傷後ストレス障害などについても理解しておくとよいでしょう。
 第23回では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因と症状についての出題がありました。

心理的支援の方法と実際

心理検査の概要

 投影法と質問紙法の違いや、人格検査、発達検査、知能検査、適性検査のそれぞれの検査方法と検査対象について、整理しておきましょう。MMPI、PFスタディ、TAT、WAIS、CMI、ロールシャッハテスト、東大式エゴグラム、内田クレペリン精神検査等の出題実績があります。
 第23回では、ロールシャッハテスト、改訂長谷川式簡易知能評価スケール、ウェクスラー式知能検査、YG性格検査について出題されました。

カウンセリングの概念と範囲

 カウンセリングにおける介入法、心理教育カウンセリング、パーソンセンタード・カウンセリング、認知行動カウンセリング、家族カウンセリング、ピアカウンセリング、マイクロカウンセリング等が出題されています。
 カウンセリングは、心理療法の技法を応用していますので、心理療法をよく理解することで、カウンセリングについての理解も深まります。

 カウンセリングとソーシャルワークとの関係についてはまだ出題がありませんが、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの業務の違いや視点の違い等を理解しておくとよいでしょう。

心理療法の概要と実際

 この分野は大変出題率が高いので、丁寧に学習しておきましょう。認知行動療法、サイコドラマ、解決志向モデル、精神分析、森田療法、暴露療法、動作療法、社会生活技能訓練(SST)、ブリーフセラピー、系統的脱感作法、来談者中心療法、自律訓練法、家族療法等が出題されています。遊戯療法、箱庭療法、内観療法等も含めて、それぞれの内容と理論をよく把握しておきましょう。

 以上、出題基準をもとに過去の出題実績を通して、出題傾向の分析と対策についてみてきました。では今回は、感覚と知覚について取り上げていきます。

感覚と刺激

 感覚とは、感覚刺激が感覚器官を経由して中枢神経に伝達されたもので、聴覚、視覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚などの五感と、平衡感覚、運動感覚、内臓感覚などがあります。

適刺激と不適刺激

 感覚受容器が自然状態で受容することができる刺激を「適刺激」といいます。例えば、「目には光」が、「耳には音」が、適刺激になります。適刺激以外の不適切な刺激によって感覚を起こすこと、例えば眼球を押すと光を感じる等の刺激は「不適刺激」といいます。

刺激閾、刺激頂

 ある感覚を生じさせるための最小の刺激の量を、「刺激閾」あるいは「絶対閾」といい、強すぎると刺激を感覚として受容できない刺激の量を、「刺激頂」といいます。聴覚、視覚、味覚、嗅覚等、それぞれの感覚に、刺激閾、刺激頂があります。

弁別閾

 明るさや大きさ、重さ、音などの、2つの異なる刺激の物理的特性の違いを区別することができる最小の差異のことを「弁別閾」といいます。
 例えば、手のひらに一定の粉をのせておき、次に、被験者が目を閉じた状態で、被験者の手のひらに5グラムの粉を追加して乗せた場合、被験者は、重さが変わったとは気づかないとします。さらに5グラム追加しても気づかず、さらに5グラム追加して、初めて手のひらに乗せられた粉が「増えた」ということに気づいた場合の「弁別閾」は、15グラムになります。

感覚 感覚刺激が感覚器官を経由して中枢神経に伝達されたもの
適刺激 ある受容器が自然状態で受容することができる刺激をいう
不適刺激 適刺激以外の不適切な刺激によって感覚を起こすこと
刺激閾 感覚刺激が生じる最小の絶対刺激量のこと
刺激頂 これ以上の刺激だと感覚が生じないような最大の刺激量のこと
弁別閾 2つの異なる刺激の物理的特性の違いを区別することができる最小の差異のこと

知覚

 次に、知覚についてみていきましょう。知覚とは、受け取った外界の感覚情報に、意味づけがされたものです。感覚情報をもとに、環境の事物や変化を事象として意識してとらえることです。さまざまな知覚情報の中で優位を占めるのは視覚情報で、知覚情報の8割を占めているといわれています。

順応

 人はさまざまな環境の変化に次第に慣れて適応していきますが、これを順応といいます。視覚における順応には、明るさに次第に慣れる明順応と、暗さに次第に慣れる暗順応があります。味覚、嗅覚、聴覚等も順応があります。痛みの感覚である痛覚だけは、順応が起こりにくいといわれています。

仮現運動・運動残効

 運動の知覚の代表的なものに、「仮現運動」と「運動残効」があります。「仮現運動」とは、静止画像を連続して提示すると動いて見えることで、電光掲示板の文字が動いているように見える現象などもこれに該当します。静止画像は動いていないのに、連続提示によっていかにも動いているように知覚が補完してとらえているので、仮現運動は「知覚的補完」に位置付けられます。

 「運動残効」とは、同じ方向の運動を見続けた後、実際には止まっている刺激を見ると、それまでとは反対方向に運動して知覚されるという錯視現象です。滝が上から流れ落ちる動きを見た後、その目を滝の周囲に転じると、止まっているはずの周囲の景色が流れ落ちている滝の動きとは反対側の、上の方に動いているように見えることがあります。これを「運動残効」といいます。

知覚 受け取った外界の感覚情報に、意味づけがされたもの
順応 明順応:明るさに次第に慣れること
暗順応:暗さに次第に慣れること
仮現運動 静止画像を連続して提示すると、動いて見えること。知覚的補完の一種
運動残効 動いた物を見た後、静止した物を見ると動いているように見えること

知覚の体制化

 知覚の体制化とは、知覚は、視覚でとらえたものを「まとまり」をもったものとして知覚する傾向があるということです。
 例えば、星座は星が空にそれぞればらばらにあるのですが、それらを、ある「意味のあるまとまり」としてとらえて、名前をつけたものです。このように、ものをまとまりのあるものとして知覚することを知覚の体制化といいます。

 ドイツの心理学者であるヴェルトハイマーは、ゲシュタルト心理学を提唱しました。ゲシュタルトとは「形態」という意味で、人間の心理を、部分や要素の単なる集合ではなく、「全体性をもったまとまり」としてとらえる心理学の立場です。

 代表的な例として、ルビンの図地反転図形があります。ルビンは、背景を「地」、まとまってとらえた形を「図」として示し、知覚の体制化を示しました。

プレグナンツの法則

 ゲシュタルト心理学に基づく人間の知覚の法則を、プレグナンツの法則と呼びます。プレグナンツとは、「簡潔な」という意味です。プレグナンツの法則では、まとまって見えることを「群化」といいます。「群化」の中には、「近接の要因」「類同の要因」「閉合の要因」「良い連続の要因」「良い形の要因」「共通の運命の要因」「経験の要因」等があります。

 空間的、時間的に接近しているものは、まとまって見えます。これを「近接の要因」といいます。いろいろな種類のものがある場合、色や形等が同じようなものは、まとまって見えます。これを「類同の要因」といいます。周りを「かぎかっこ」等で囲まれて、互いに閉じ合っているものは、1つのまとまりに見えます。これを「閉合の要因」といいます。

 なめらかな連続性をもって見えるものは、まとまりとしてみえます。これを「良い連続の要因」といいます。図形などを見た時、単純で規則的・対照的な形としてまとめてとらえやすいことを「良い形の要因」といいます。同じような動きをしているものをまとめてとらえやすいことを「共通運命の要因」といいます。視覚でとらえたものが何であるか、過去の経験で類推できる場合は、その経験をもとにまとまってとらえやすいことを、「経験の要因」といいます。

知覚の体制化 一定の要因によって、複数のものがまとまって見える現象
群化 図が互いにまとまりを作る作用のこと
近接の要因 距離の近いものは1つの形にまとまって見える
類同の要因 形や色などが似ているもの同士は、まとまって見える
閉合の要因 閉じた領域を作っているものは、まとまって見える
よい連続の要因 連続した形やパターンをつくっているものは、まとまって見える
よい形の要因 単純で規則的・対照的な形はまとまって見える
共通運命の要因 一緒に動いたり変化したりするものは、まとまって見える
経験の要因 過去の経験によって関連付けられているもの同士は、まとまって見える

錯視

 次に錯視についてみてみましょう。視覚でとらえたものを、脳の中枢での推論過程の影響や、対象の刺激の物理的要因の影響を受け、実際のものとは異なった形で、眼が錯覚して受け止めることを、錯視といいます。

 錯視としては、ミュラー・リヤーの錯視が代表的なものです。同一の長さの線の左右に、外側に開放した線を加えると、線の長さが長く見え、内側に閉じた線を加えると線の長さが短く見えます。このほかにも、平行な線に、異なる斜線を書き込むことによって、本来は平行な線が平行に見えなくなる錯視、放射線によって、平行な線が湾曲して見える錯視等、さまざまな錯視があります。

知覚の恒常性

 知覚の恒常性には、「大きさの恒常性」「形の恒常性」「色彩の恒常性」等があります。
 対象が同じでも、見る場所や位置によって網膜に映る大きさが変化するにもかかわらず、知覚される大きさが同一性を保つことを、「大きさの恒常性」といいます。

 コップの飲み口を、斜め上から見ると実際は円形には見えないはずですが、コップの飲み口は丸く変化しないという概念があるので、受け取る知覚としては、丸く見えるという知覚の恒常性を、「形の恒常性」といいます。

 「色彩の恒常性」とは、照明等によって、実際の色に変化が生じても、本来の色として認識するという恒常性です。例えば、赤いリンゴに青色の照明を当てると色彩に変化が生じますが、知覚としては、りんご自体を赤と認識するという恒常性です。

空間知覚

 空間知覚とは、視覚、聴覚、触覚等によって、空間を知覚することです。ここでは、視覚による空間知覚である、「奥行き知覚」と「空間の異方性」を取り上げましょう。

奥行き知覚

 私たちの網膜に映る映像は、平面図ですから、二次元の映像としてしか映らないのですが、私たちは、平面の画像から立体的な画像を知覚として受け取っています。これは、2つの物体が網膜に映った場合、対象の物体の大きさを知っている場合は、それぞれの大きさからそれぞれの距離を類推することができるからです。また、遠くにある対象は、ぼやけたりかすんだりして見えるので、遠近を知覚することできます。

 2つ以上の物体が重なっている場合は、一部がおおわれるので、どちらが手前にあるのかがわかります。また、並行線がある場合は、手前の並行線ほど広く、遠くにいくほど狭くなりますから遠近の距離がわかります。このように、私たちの視覚は、平面の画像からでも立体的な画像を知覚できる奥行き知覚という性格をもっています。

空間の異方性

 「異方性」とは、物体が置かれた方向や、位置、背景等によって、大きさが異なって見える知覚をいいます。例えば、水平線に近い月は大きく見え、天空の月は小さく見えたりすること等です。また、同じ大きさの物体でも、その物体の周囲に、それ以上大きいものがあるとその物体は小さく見え、その物体の周囲にあるものが小さければ、その物体は大きく見えるというようなことです。

錯視 視覚でとらえたものを、実際のものとは異なった形で、眼が錯覚して受け止めること
(例:ミュラー・リヤーの錯視)
大きさの恒常性 網膜像の大きさは観察距離に比例して変化するが、知覚される大きさは変わらないこと
(例:人が遠ざかると小さく見えるがその人の身長は変わらない)
形の恒常性 網膜上の形は異なって見えても、知覚される形は変わらないこと
(例:コップの飲み口を斜め上から見ても丸く見える)
奥行き知覚 線遠近法などにより、網膜で受けた二次元情報を三次元の奥行として知覚すること
(例:手前の道幅の方が広く見え、遠ざかるほど狭く見える)
空間の異方性 物体の方向と位置、背景等により、大きさが異なって見えること
(例:水平線に近い月と天空の月で大きさが異なって見える)

知覚的補完

 受け取る知覚情報が欠如しても、それを補おうとする知覚の働きを、知覚的補完といいます。
例えば、三角形の3辺の一部が欠けていても、私たちは想像で、三角形であるということを類推します。これを主観的輪郭線で補完するといいます。代表的なものに、カニッツアの三角形があります。

 このほかに、一部が覆われている場合、その部分を補完して知覚する「被遮蔽部分の補完」、盲点のために本来見えないはずの部分を補完して知覚する「盲点の補完」、前述した運動知覚のうちの「仮現運動」等があります。

知覚的補完 視知覚情報の一部が欠如していても、補われて知覚される機能のこと
主観的輪郭 カニッツアの三角形
被遮蔽部分の補完 一部が覆われている場合その部分を補完して知覚すること
盲点の補完 盲点の欠損部分を補完する知覚
仮現運動 静止画像の連続提示により、隙間情報を知覚的に補完して運動と捉える

 いかがでしたか。この科目は範囲が広く、最初はカタカナ名に慣れるのが大変だと思いますが、最初からすべて覚えようとするのではなく、まず内容を理解することを大切にして学習していってください。次回は「社会理論と社会システム」を取り上げます。
 では今回の課題を、第23回精神保健福祉士国家試験問題からあげておきますので、チャレンジしてみてください。

第23回精神保健福祉士国家試験 「心理学理論と心理的支援」

問題 9 知覚に関する次の記述のうち、最も適切なもの1 つ選びなさい。

  • 1 外界の刺激を時間的・空間的に意味のあるまとまりとして知覚する働きを、知覚の体制化という。
  • 2 明るい場所から暗い場所に移動した際、徐々に見えるようになる現象を、視覚の明順応という。
  • 3 個人の欲求や意図とは関係なく、ある特定の刺激だけを自動的に抽出して知覚することを、選択的注意という。
  • 4 水平線に近い月の方が中空にある月より大きく見える現象を、大きさの恒常性という。
  • 5 二つの異なる刺激の明るさや大きさなどの物理的特性の違いを区別することができる最小の差異を、刺激閾という。