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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

精神保健福祉士受験対策  重点ポイント・法改正(1)

 皆さん、明けましておめでとうございます。コロナ禍の中で大変ですが、今年は皆様にとっては今までの学習の成果を発揮する大切な年になりますね。体調に留意しながら、最後の総まとめをして今までの学習の成果をより確実なものにしていきましょう。

 この講座も皆さんと一緒に専門科目と共通科目を一巡してきました。今回からは、全科目を通じてこれだけはぜひやっておきたいと思われる法改正・新制度の分野を重点的に取り上げていきます。今回は、地域包括支援体制のための「社会福祉法」の改正を取り上げます。では、まず前回の課題の解説をしておきましょう。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「権利擁護と成年後見制度」

問題80 成年後見制度に関する次の記述のうち、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 子が自分を成年後見人候補者として、親に対する後見開始の審判を申し立てた後、家庭裁判所から第三者を成年後見人とする意向が示された場合、審判前であれば、家庭裁判所の許可がなくても、その子は申し立てを取り下げることができる。
  • 2 財産上の利益を不当に得る目的での取引の被害を受けるおそれのある高齢者について、被害を防止するため、市町村長はその高齢者のために後見開始の審判の請求をすることができる。
  • 3 成年被後見人である責任無能力者が他人に損害を加えた場合、その者の成年後見人は、法定の監督義務者に準ずるような場合であっても、被害者に対する損害賠償責任を負わない。
  • 4 判断能力が低下した状況で自己所有の土地を安価で売却してしまった高齢者のため、その後に後見開始の審判を申し立てて成年後見人が選任された場合、行為能力の制限を理由に、その成年後見人はこの土地の売買契約を取り消すことができる。
  • 5 浪費者が有する財産を保全するため、保佐開始の審判を経て保佐人を付することができる。

正答2

解答解説

  • 1 適切でない。後見開始の審判の申し立てを行うとき、申立者は後見人候補人の希望を申し出ることができますが、必ずしもその候補人が選任されるわけではありません。家庭裁判所から、自分ではなく第三者後見人の選任の意向が示された場合でも、勝手に審判を取り下げることはできません。一度後見開始の審判の申し立てを行った場合は、家庭裁判所の許可を得なければ、申し立てを取り下げることはできないことになっています。
  • 2 適切。老人福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法では、市町村長が成年後見開始の審判の申し立てを行うことができると規定しています。これは、親族等がいない等のために後見開始の審判の申し立てができず、結果的に本人の権利が護られないという事態に陥らないようにするために設けられている制度です。
  • 3 適切でない。後見人等には、被後見人等に対する監督義務者責任及びそれに準ずる責任があります。監督義務者責任とは、民事上の責任能力が無い者、すなわち責任無能力者が第三者に損害を与えた場合、その損害の賠償義務を負う責任のことをいいます。この責任は、監督義務者がその監督義務を怠らなかったとき、あるいは監督義務を怠らなくても損害が生じたであろう場合は責任を免れます。成年後見人が監督義務者あるいはそれに準ずる者に該当する場合は、損害賠償責任を負うことになります。
  • 4 適切でない。成年後見人には、本人が後見開始の審判が下る前に行った法律行為についての取り消し権はありません。後見開始の審判が下されると、審判内容が本人、成年後見人等に書面で通知され、その審判に不服があるかどうか審判内容が公告され、それに対して2週間以内に不服申し立て、すなわち「即時抗告」が無い場合、初めて審判が確定し後見人は職務を開始することができます。
  • 5 適切でない。成年後見制度は、判断能力が欠けてきた人等の人権を護るために民法に規定されている制度です。身体障害のために行動が不自由であるが判断能力が欠けた状態にないものや、判断能力はあるが浪費癖があるというような人は、成年後見制度の対象になりません。

 いかがでしたか。「権利擁護と成年後見制度」ではこのほか、憲法における基本的人権、民法における契約、親権、認知、相続、行政不服審査、行政事件訴訟法等をよく学習しておきましょう。それでは、今回は、地域包括支援体制のための社会福祉法の改正について取り上げていきます。

地域包括支援体制のための社会福祉法改正

 2017(平成29)年に、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が制定されて社会福祉法が改正され、2018(平成30年)年4月に施行されました。この改正の背景として、地域における複合的な課題や、制度の狭間にいる人、社会的に孤立した状態にいる人が増加しているという実態があります。

 これらの複合化した課題を抱える個人や世帯に対する支援や「制度の狭間」の問題など、既存の制度によっては解決が困難な課題の解決を図るため、地域住民による支え合いと公的支援が連動した、包括的な支援体制の構築を目指した改正です。

地域福祉の推進

 地域包括支援体制の実現に向けて「地域福祉の推進」に新たな規定が設けられ、地域福祉の推進の理念として、支援を必要とする住民及びその世帯が抱える生活課題について、地域住民や相互機関の相互協力が円滑に行われる体制や課題解決のための支援が、関係機関との連携等により包括的に提供される体制を目指すこととされました。

 具体的には、法第4条第2項に、地域住民等は、地域福祉の推進にあたっては、福祉サービスを必要とする地域住民及びその世帯が抱える福祉、介護、介護予防、保健医療、住まい、就労、教育に関する課題、福祉サービスを必要とする地域住民の地域社会からの孤立、その他の福祉サービスを必要とする地域住民が、日常生活を営み、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるために、「地域生活課題」を把握し、地域生活課題の解決のための「支援関係機関との連携」等によりその解決を図るよう特に留意するものとするという条文が追加されました。

福祉サービスの提供の原則

 福祉サービスの提供の原則として、法第5条に、社会福祉を目的とする事業を経営する者は、提供する福祉サービスについて「地域福祉の推進に係る取組を行う他の地域住民等との連携を図る」ことが明記されました。

国と地方公共団体の責務

 国と地方公共団体の責務として、第6条に第2項が追加され、「国及び地方公共団体は、地域住民等が地域生活課題を把握し、支援関係機関との連携等によりその解決を図ることを促進する施策その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めなければならない」とされました。

世帯全体に着目

 地域住民、福祉関係者は、個人の課題の解決にとどまらず、その人が属する世帯全体に着目し、福祉、介護、保健医療に限らない、様々な生活課題を把握し、行政などと協働し課題を解決していくことが必要であるとしました。

福祉各分野における相談支援事業者の責務

 福祉の各分野における相談支援事業者が、利用者からの相談を通じて、利用者自身とその利用者の属する世帯が抱える生活課題を把握した場合に、必要に応じて適切な機関につないでいくことを努力義務としました。

市町村による包括的支援体制の整備

 法第106条の3に、「包括的な支援体制を整備」していくことを市町村の新たな「努力義務」として規定しました。市町村は、地域住民等及び支援関係機関による、地域福祉の推進のための相互の協力が円滑に行われ、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制を整備するよう努めるものとするとされ、そのための事業として次の3つの事業を挙げています。

  • (1)地域福祉に関する活動への地域住民の参加を促す活動を行う者に対する支援、地域住民等が相互に交流を図ることができる拠点の整備、地域住民等に対する研修の実施その他の地域住民等が地域福祉を推進するために必要な環境の整備に関する事業、
  • (2)地域住民等が自ら他の地域住民が抱える地域生活課題に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、必要に応じて、支援関係機関に対し、協力を求めることができる体制の整備に関する事業、
  • (3)生活困窮者自立相談支援事業を行う者その他の支援関係機関が、地域生活課題を解決するために、相互の有機的な連携の下、その解決に資する支援を一体的かつ計画的に行う体制の整備に関する事業

 厚生労働大臣は、これらの事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとするとされました。

市町村地域福祉計画・都道府県地域福祉支援計画

 従来は任意規定であった、市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画の策定が、両者とも「努力義務化」されました。また市町村、都道府県とも、地域福祉計画で定めるべき事項として、地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し「共通して取り組むべき事項」が追加されました。

地域福祉の推進地域福祉推進のために関係機関の相互協力体制、支援機関との連携等による包括的提供体制を目指す旨を明記
福祉サービス提供の原則福祉サービス経営者は地域住民等との連携を図ることを明記
国・地方公共団体の責務国・地方公共団体は、地域生活課題の把握、支援関係機関との連携等による地域福祉推進措置を講ずる努力義務
世帯全体に着目地域住民、福祉関係者は、世帯全体に着目し様々な生活課題を把握し、行政などと協働し課題を解決していく
相談支援事業者の責務相談支援事業者は、利用者とその世帯が抱える生活課題を把握した場合、適切な機関につないでいくことを努力義務化
市町村の責務包括的な支援体制を整備していくことを市町村の努力義務として規定
地域福祉計画市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画の策定を努力義務化した
地域福祉(支援)計画に盛り込むべき事項として、高齢者、障害者、児童等の福祉の各分野における共通的に取り組むべき事項を追加

地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(地域共生社会推進検討会) 最終とりまとめ

 上記の2017(平成29)年の社会福祉法改正時に、公布後3年(令和2年)に見直すという附則が置かれ、これに基づいて「地域共生社会推進検討会」が設置され、市町村における包括的な支援体制の整備のあり方と、地域共生社会の実現に向けた中長期の視点から、社会保障・生活支援において今後強化すべき機能について検討が行われてきました。

 その結果、検討会が2019(令和元)年12月に「最終とりまとめ」を出し、「地域共生社会の理念」「福祉政策の新たなアプローチ」「市町村における包括的な支援体制の整備のあり方」の3点を提示して、取り組みの具体的方向性を提言しています。

地域共生社会の理念

 「地域共生社会の理念」とは、制度や分野の枠や「支える側」「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち助け合いながら暮らしていくことができる、包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方であると提示しました。

福祉政策の新たなアプローチ

 一人ひとりの生が尊重され、複雑多様な問題を抱えながらも、社会との多様なかかわりを基礎として自律的な生を継続していくことを支援する機能の強化が求められており、そのため専門職による対人支援は、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」と「つながり続けることを目指すアプローチ(伴走型支援)」の2つのアプローチを支援の両輪として組み合わせていくことが必要であるとしています。

 伴走型支援を実践する上では、「専門職による伴走型支援」と、「地域住民同士の支え合いや緩やかな見守り」の双方の視点から実施することによって、セーフティネットが強化され、重層的なものとなっていくとしています。

市町村における包括的な支援体制の整備の在り方

 事業の枠組みとして、地域住民の複合化・複雑化した支援ニーズに対応する市町村における包括的な支援体制の構築を推進するため、「断らない相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の3つの支援を一体的に行う市町村の新たな事業を創設すべきであるとしています。

断らない相談支援

 「断らない相談支援」とは、本人・世帯の属性にかかわらず受け止める相談支援のことで、(1)属性にかかわらず、地域の様々な相談を受け止め、自ら対応するか関係機関につなぐ機能、(2)世帯を取り巻く支援関係者全体を調整する機能、(3)継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能をあげ、(2)及び(3)の機能を強化するとしています。

参加支援

 「参加支援」とは、本人・世帯の状態に合わせ、地域資源を活かしながら就労支援、居住支援などを提供して社会とのつながりを回復する支援のことであるとしています。

 具体的には、狭間のニーズに対応できるように、既存の地域資源の活用方法を拡充する取り組みを中心に、既存の人的・物的資源のなかで、本人・世帯の状態に合わせた多様な参加支援の提供を行うことであるとし、生活困窮者の就労体験に、経済的な困窮状態にない世帯のひきこもりの者を受け入れるという例をあげています。

地域づくりに向けた支援

 地域づくりに向けた支援とは、「地域社会からの孤立を防ぎ地域における多世代の交流や多様な活躍の機会と役割を生み出す支援」であるとし、(1)住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保に向けた支援、(2)ケアし支え合う関係性を広げ、交流・参加・学びの機会を生み出すコーディネート機能を提示しています。

 これらの事業の対象は、多様な課題を抱えるすべての地域住民とすべきで、新たな事業は、任意事業として段階的に実施すべきであるとしています。新たな事業を実施するに当たっては、圏域の設定や会議体の設置等も市町村が裁量を発揮しやすい仕組みとすべきであると提言しています。

地域共生社会推進検討会 最終とりまとめ(令和元年12月)
地域共生社会の理念制度・分野の枠や、「支える側」「支えられる側」という関係を超えた包摂的なコミュニティの創造
断らない相談支援本人・世帯の属性にかかわらず受け止める相談支援
参加支援本人・世帯の状態に合わせ社会とのつながりを回復する支援
地域づくりに向けた支援地域社会からの孤立防止・多世代の交流・活躍の機会と役割を生み出す支援

2020(令和2)年:社会福祉法改正

 2020(令和2)年に「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」が制定されて社会福祉法が改正され、2021(令和3)年4月施行となっています。

地域福祉推進の目的規定

 改正された社会福祉法では、包括的な支援体制の整備に関して「地域福祉の推進に関する事項」として、新たに「地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない」と規定されました。

国・地方公共団体

 国及び地方公共団体は、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制整備等の推進のために必要な措置を講ずるよう努めること、関連施策との連携に配慮するよう努めなければならないとされました。

国・都道府県

 国及び都道府県は、市町村の重層的支援体制整備事業等、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならないとされました。

厚生労働大臣

 厚生労働大臣は、重層的支援体制整備事業をはじめとする施策に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとされました。

市町村

 市町村は、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するため、社会福祉法に基づく事業、介護保険法、障害者総合支援法、子ども・子育て支援法、生活困窮者自立支援法に基づく事業を一体のものとして実施することにより、地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制・地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業として、重層的支援体制整備事業を行うことができるとされました。

重層的支援体制整備事業

 重層的体制整備事業として、下記の事業が挙げられています。

  • (1) 地域住民・その家族等関係者からの相談に包括的に応じ、利用可能な福祉サービスの情報の提供及び助言、支援関係機関との連絡調整、高齢者・障害者等への虐待防止・早期発見等各法の事業を一体的に行う事業
  • (2) 地域生活課題を抱える地域住民で困難を抱える者に民間団体との連携による支援体制の下、活動の機会の提供、訪問による必要な情報提供・助言等社会参加のために必要な便宜の提供を行う事業
  • (3) 地域住民が地域で自立した日常生活を営み、地域社会に参加する機会を確保するための支援、地域生活課題の発生の防止・解決に係る体制の整備、地域住民相互の交流を行う拠点の開設等の援助を行うため、各法の事業を一体的に行う事業
  • (4) 地域社会からの孤立が長期にわたる者等、継続的な支援を必要とする地域住民・世帯に対し、訪問による状況把握、相談、福祉サービス情報提供・助言等を包括的・継続的に行う事業
  • (5) 複数の支援関係機関が、地域生活課題を解決するため有機的な連携の下、解決のための支援を一体的かつ計画的に行う体制を整備する事業
  • (6) 複数の支援関係機関の連携体制による支援が必要であると市町村が認める地域住民に対し、包括的かつ計画的な支援を行う事業

重層的支援体制整備事業実施計画

 市町村は、重層的支援体制整備事業を実施することは任意規定ですが、この事業を実施するときは、重層的支援体制整備事業実施計画を策定するよう努めなければならないと、努力義務が課せられています。

地域福祉計画の見直し

 地域福祉計画が見直され、「市町村地域福祉計画」には、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備に関する事項を定めるよう努めるものとすることとされました。また、「都道府県地域福祉支援計画」には、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備の実施の支援に関する事項を定めるよう努めるものとすることとされました。それぞれの地域福祉計画に、包括的支援体制整備に関する事項を定めることが努力義務として規定されたという点がポイントです。

社会福祉連携推進法人

 この社会福祉法改正で、「社会福祉連携推進法人」制度が創設されました。「社会福祉連携推進法人」とは、社会福祉事業に取り組む社会福祉法人やNPO法人等を社員として、相互の業務連携を推進するために設立される法人です。

 福祉ニーズの多様化・複雑化に対して、複数法人が連携・協働して、経営基盤の強化、事業の効率性やサービスの質の向上、「地域における公益的な取組」を促進することなどを目的として創設されました。

 この連携推進法人は、地域住民に身近な圏域で様々な地域づくりの活動に参画する非営利セクターの中核として、福祉分野での専門性を活かし地域住民の抱える様々な地域生活課題への対応を進められるようにするため、円滑に連携・協働化しやすい環境整備を図っていこうとするものです。

社会福祉連携推進認定

 「社会福祉連携推進業務」を行おうとする一般社団法人は、所轄庁によって「社会福祉連携推進認定」を受けることができます。社会福祉連携推進法人の所轄庁は、社会福祉法人に関する規定を準用するものとされています。

社会福祉連携推進業務

 「社会福祉連携推進業務」とは、以下の業務です。

  • (1) 地域福祉の推進に係る取組を社員が共同して行うための支援
  • (2) 災害が発生した場合における社員(社会福祉事業を経営する者に限る)が提供する福祉サービスの利用者の安全を社員が共同して確保するための支援
  • (3) 社員が経営する社会福祉事業の経営方法に関する知識の共有を図るための支援
  • (4) 資金の貸付けその他の社員(社会福祉法人に限る。)が社会福祉事業に係る業務を行うのに必要な資金を調達するための支援として厚生労働省令で定めるもの
  • (5) 社員が経営する社会福祉事業の従事者の確保のための支援及びその資質の向上を図るための研修
  • (6) 社員が経営する社会福祉事業に必要な設備又は物資の供給

2020(令和2)年:社会福祉法改正(一部を除いて令和3年4月施行)
地域福祉推進の目的規定の明記地域福祉の推進は住民が参加し共生する地域社会の実現を目指して行われなければならないと規定
国及・地方公共団体包括的支援体制整備のための措置・連携配慮努力義務
国・都道府県市町村の重層的支援体制整備事業等が包括的提供される体制の整備のための助言・情報提供・援助を行わなければならない
厚生労働大臣重層的支援体制整備事業等の施策のための指針を公表する義務
市町村重層的支援体制整備事業を行うことができる(任意)。実施するときは、重層的支援体制整備事業実施計画策定努力義務
地域福祉計画の見直し「市町村地域福祉計画」「都道府県地域福祉支援計画」に「包括的支援体制整備に関する事項」を定める努力義務
社会福祉連携推進法人
(令和4年施行)
法人相互の連携・協働、経営基盤の強化、地域における公益的な取組の促進などを目的として所轄庁の認定を受ける法人

 いかがでしたか。社会福祉法改正は出題率の高い分野ですから、注意して学習しておきましょう。次回も、精神保健福祉士受験対策のために必要があると思われる法改正や制度改正についての重点事項のポイント解説をしていきたいと思います。では、今回の問題をあげておきますのでチャレンジしてみてください。

問題 社会福祉法の改正に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 2018(平成30)年4月施行の社会福祉法改正により、地域福祉の推進に当たっては、福祉、介護、介護予防、保健医療に限定した地域生活課題を把握しその解決を図るよう特に留意するものとするとされた。
  • 2 2018(平成30)年4月に施行された社会福祉法改正で、市町村は、包括的支援体制の整備が義務づけられた。
  • 3 2018(平成30)年4月に施行された社会福祉法改正で、地域住民、福祉関係者は、個別の課題に焦点化して生活課題を把握し、行政などと協働し課題を解決していくとされた。
  • 4 2019(令和元)年12月に出された「地域共生社会推進検討会」最終とりまとめでは、制度、分野の枠や、「支える側」「支えられる側」という関係を超えた包摂的なコミュニティを創造するとしている。
  • 5 2020(令和2)年4月施行の社会福祉法改正で、市町村は重層的支援体制整備事業を行うことができるとされた。