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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第24回「精神保健福祉援助技術の理論と相談援助の展開」

 皆さん、こんにちは。今回は「精神保健福祉援助技術の理論と相談援助の展開」を取り上げます。精神障害者を支援するための援助の理論は、精神保健福祉士として実践現場で求められる大切な知識ですから、各分野ごとに整理しながら、確実に学習しておきましょう。では、最初に前回の課題の解説をしておきます。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉相談援助の基盤」

問題24 社会における正義の実現に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 ロールズ(Rawls,J.)が『正義論』で主張した格差原理は、その社会において最も恵まれない人が有利となるよう、資源の配分を目標とした。
  • 2 キムリッカ(Kymlicka. W.)による多文化主義は、固有の文化や生活様式を保持するため、同化政策の確立を目標とした。
  • 3 ベンサム(Bentham,J.)による功利主義は、人々の直感から得られた快の総計を計り、「最大多数の最大幸福」の実現を目標とした。
  • 4 サンデル(Sandel,M.)によるコミュニタリアニズムは、自己の在り方を「負荷なき自己」と捉え、共同体への帰属から自由になることを目標とした。
  • 5 フリーダン(Friedan,B.)らによる第二波フェミニズムは、「個人的なことは政治的なことである」というスローガンの下、家父長制の維持を目標とした。

正答1

解答解説

  • 1 正しい。ロールズは公正としての正義がなりたつための前提として、第一原理「諸個人に対して平等な基本的自由が保障されていること」、第二原理、「格差原理と公正機会均等の原理」を示しました。第一原理である「基本的自由」が保障されると、必然的に社会的・経済的不平等、すなわち「格差」が生じます。その格差がゆるされるのは、「最も不遇な立場にある人々の一定の権利・利益が保障されること」が前提であるとしました。これを「格差原理」といいます。また格差原理の前提として「公正な機会の均等」が保障されるべきであるとしています。
  • 2 誤り。キムリッカが提唱した多文化主義は、異なる文化や生活様式を対等なものとして尊重し、それらの共存を図っていこうとする考え方で「マルチカルチュラリズム」と同義です。様々な人種、民族、階層が、それぞれの独自性を保ちながら、それぞれの違いを積極的に認め受け入れていこうとする考え方です。「同化政策」とは、力を持つ民族が弱い民族や集団に対して、自分たちの文化や伝統を受け入れるよう強制する政策のことで、先住民族に対して行う植民政策や戦勝国が敗戦国の文化や言語を消滅させること等によって、支配を容易にしようとする政策です。
  • 3 誤り。ベンサムによる功利主義は、幸福は客観的に測定できるものであるとし、喜びや苦しみを「量」として計算し「喜びから苦しみを引いたもの」を「幸福」とする、「幸福計算」という方法を編み出しました。「個人の幸福の総計」を「社会全体の幸福」として「社会全体の幸福の最大化」が「社会の善」であるとし、「社会の幸福の総量が最大となる仕組み」が最も優れた仕組みであるとした「最大多数の最大幸福」という理論を提示しました。
  • 4 誤り。サンデルは、ロールズの正義論は人々の属している共同体という属性を軽視し、すべてから解放されている個人を前提とした考え方を「負荷なき自己」として批判しました。サンデルは、人は共同体の中で生き共同体の中で共通の善を追求して正義を実現するのだという、共同体における共通善を中心にすえたコミュニタリアニズム理論を提唱しました。
  • 5 誤り。フリーダンらによる第二次フェミニズムは、個人に起こった女性差別は、たまたま「個人的」に起こった出来事ではなく、社会の仕組みが引き起こした女性差別であるとして、「個人的なことは政治的なこと」というスローガンを掲げて世界的な第二波フェミニズム運動を展開していきました。この思想は、障害者やLGBTなどマイノリティの人々に対する差別撤廃運動にも影響を与えています。



第21回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉相談援助の基盤」

問題23 次の記述のうち、ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W)が新たに提唱したノーマライゼーションの理念として、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 障害がある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件を作り出す。
  • 2 社会で主流となっている、毎日の生活条件に近い環境での暮らしを目指す。
  • 3 自己決定と選択権が最大限尊重されている限り、人格的には自立しているとみなす。
  • 4 社会に完全かつ効果的に参加し、社会に受け入れられるようにする。
  • 5 社会的に価値を低められている人々に、社会的役割を作りだす。


正答5

解答解説

  • 1 誤り。ノーマライゼーションを、「障害がある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件を作り出すことである」としたのは、デンマークのバンク-ミケルセンです。第二次世界大戦後、社会省の知的障害者施設の担当行政官として知的障害者施策にかかわり、大型障害者施設での障害者の生活が自由のない強制収容所の生活と重なると感じたバンク-ミケルセンは、知的障害者の親の会とともに活動し、世界で初めてノーマライゼーションの理念を盛り込んだ1959年法を制定に導きました。
  • 2 誤り。ノーマライゼーションを、「社会で主流となっている毎日の生活条件に近い環境での暮らしを目指すことである」としたのは、ニィリエです。ニィリエはバンク-ミケルセンのノーマライゼーションの理念を8つの原理として整理し、世界に広めました。8つの原理とは、1日、I週間、1か月のノーマルなリズム、ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験、個人の尊厳と自己決定権、ノーマルな性的関係、ノーマルな経済水準を得る権利、ノーマルな環境形態と水準で、これらが保障されてこそ真のノーマライゼーションを達成できるとしました。
  • 3 誤り。「自己決定と選択権が最大限尊重されている限り、人格的には自立しているとみなす」という考え方は、アメリカのバークレー校に在籍していたエド・ロバーツによって始められた「自立生活運動」の考え方です。エド・ロバーツは重度の肢体不自由の当事者として、従来の自立の概念であった、障害者の日常生活行為の自立、経済的自立という考え方から、障害者の自己決定と選択権が最大限尊重されることこそが障害者の真の自立であるという概念を提唱し、実践しました。
  • 4 誤り。「社会に完全かつ効果的に参加し、社会に受け入れられるようにする」とされているのは、障害者の権利に関する条約の一般原則として掲げられている理念です。一般原則としてこのほか、障害者の固有の尊厳・固有の自律・個人の自立の尊重、差別されないこと、人間の多様性・人間性の一部として障害者の差異を尊重し受け入れること、機会の均等、施設・サービス利用を可能にすること、男女の平等、障害児の発達能力を尊重し同一性を保持する権利を尊重することを掲げています。
  • 5 正しい。ヴォルフェンスベルガーは、障害者が社会的に低い役割しか与えられていないという状況に対して、障害者が社会の中で社会的役割を持ち、その役割を実践できるような社会こそノーマライズされた社会であるとし、「ソーシャル・ロール・バロリゼーション(Social Role Valorization):社会的役割の実践」を提唱し、障害者に対する社会全体の意識の改善に取り組みました。

 いかがでしたか。この科目では、相談援助の対象・価値・倫理・意義や、関連専門職等についても理解を深めておきましょう。

 では、「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」を取り上げていきます。この科目では、精神科リハビリテーション、ケースワーク、グループワークの特質と、それぞれの展開、面接技法、スーパービジョンとコンサルテーション、地域移行支援、ケアマネジメント、ネットワーキング等、幅広い分野の援助技術についての学習が求められます。
 今回は、精神科リハビリテーションの理念と社会リハビリテーション及びその展開過程について取り上げていきます。

WHOによるリハビリテーションの定義

 WHOは1968年に、「リハビリテーションとは、医学的、社会的、教育的、職業的手段を組み合わせ、かつ相互に調整して、訓練あるいは再訓練することによって、障害者の機能的能力を可能な最高レベルに達するようにすること」と定義しています。

 この定義は、リハビリテーションは分野ごとに個別に行われるものではなく、これらの4つの分野を適切に組み合わせ、総合的・包括的に提供されるべきものであることを表しています。これをトータルリハビリテーションといいます。

トータルリハビリテーション

 トータルリハビリテーションは、医学的リハビリテーション、社会的リハビリテーション、教育的リハビリテーション、職業的リハビリテーションを総合的に提供するものです。医学的リハビリテーションがまず前提にあるということではなく、医学的リハビリテーションと並行しながら、社会的、教育的、職業的リハビリテーションを必要に応じて、総合的に実践していくという考え方です。

アンソニーのリハビリテーションの定義

 次に、精神科リハビリテーションの定義についてみていきましょう。アンソニー(Anthony,W.A)はリハビリテーションを、「長期に渡り精神障害を抱える人が、専門家による最小限の介入で、その機能を回復するのを助け、自分の選んだ環境で落ち着き、自分の生活に満足することができるようにすることである」と定義しています。

 アンソニーは、精神科リハビリテーションのあり方について、専門家とのかかわりに関して、専門家の介入は「最小限」であるべきだとしています。また、環境への適応については、どのような環境にも適応できるようにするのではなく、「自分の選んだ環境」で落ち着き、自分の生活に満足できるようにすることだとしています。

 これは、当事者主体の考え方に立つもので、障害者基本法第3条第1項第2号の、「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと」という理念に共通するものであるといえるでしょう。

ウィングによる精神科リハビリテーションの定義

 イギリスのウィング(Wing,J.K.)とモリス(Morris,B.)は、精神科リハビリテーションを「精神障害に伴う社会的原因を明らかにし、予防し、最小にすると同時に、個人が自らの才能を伸ばし、それを利用して、社会的役割の成功を通じて自信と自尊心を獲得することを助ける過程である」と定義しています。

 「個人が自らの才能を伸ばし」、「自信と自尊心を獲得する過程」とは、精神障害という疾患や障害を持っていても、自分自身の持っている力を伸ばして、社会的役割を果たすことを通して、自信や自尊心を取り戻すことを重視する考え方で、その人らしい生き方の実現を目指す、リカバリーやレジリエンスの概念に通じるものです。

リカバリー

 精神科リハビリテーションにおける理念としての、リカバリーとレジリエンスについて確認しておきましょう。リカバリーとは、障害があっても、その人らしい充実した生産的な生活を送ることができるように、希望や誇りを取り戻し、社会的役割を獲得すること、意味のある人生を達成すること、他者とのつながりを取得すること等の幅広い概念で、自分自身が希望する自分になるという過程を重視します。

 リカバリーの考え方は、精神障害を有する者一人ひとりがそれぞれ、自分が求める生き方を主体的に追求することで、支援者はそれを支援することが求められます。治療によって症状を和らげることは必要ですが、リカバリーの目的は症状をなくすことではなく、障害者自身が夢や希望を実現することができるように、周囲が支えることを重視します。

レジリエンス

 レジリエンスとは、精神的回復力、復元力、耐久力等を意味する言葉で、ストレスや逆境に直面したとき、それに対応し、克服していく能力をいいます。様々な困難に陥った時のこころのしなやかさという意味を持っています。

 精神科リハビリテーションにおいて使用される場合は、精神疾患を受け止めたうえで、様々なストレスを柔軟に跳ね返し、回復していく力といった意味で用いられています。レジリエンスを高めることによって、精神疾患の予防や回復に大きく役立ちます。

WHOによるリハビリテーションの定義 医学的、社会的、教育的、職業的手段を組み合わせたもの
トータルリハビリテーション 医学的、社会的、教育的、職業的リハビリテーションを必要に応じて、総合的に実践
アンソニーの定義 専門家による最小限の介入
ウィングの定義 自らの才能を伸ばし自信と自尊心を獲得する過程
リカバリー 障害があっても、その人らしい人生や希望、誇りを取り戻し社会的役割を獲得すること
レジリエンス 精神疾患を受け止め様々なストレスを柔軟に跳ね返し回復していく力

社会的リハビリテーション

 次に、精神科リハビリテーションの社会的リハビリテーションについてみていきましょう。

 WHOは、1968年に社会的リハビリテーションについて、「障害者が、家庭、地域社会、職業上の要求に適応できるように援助したり、全体的リハビリテーションの過程を妨げる経済的・社会的な負担を軽減し、障害者を社会に統合又は再統合することを目的としたリハビリテーション過程の一つである」と定義しています。

 RI(リハビリテーション・インターナショナル:国際リハビリテーション協会)は、1986年に社会的リハビリテーションを、「社会生活力を高めることを目的としたプロセスである」と定義しました。「社会生活力」とは、様々な社会的な状況の中で、自分のニーズを満たし、一人ひとりに可能な最大限の豊かな社会参加を実現する権利を行使する力を意味するとしています。

 この社会的リハビリテーションを実現するためには、障害者を取り巻く物理的環境、経済的環境、法的環境、社会・文化的環境、心理・情緒的環境等の整備が必要とされてきます。

社会的リハビリテーション
WHOの定義 障害者を社会に統合又は再統合することを目的としたリハビリテーション過程の一つ
RIの定義 社会生活力を高めることを目的としたプロセス

社会的リハビリテーションの展開過程

 精神科リハビリテーションの社会的リハビリテーションの展開過程は、一般のケースワークやケアマネジメントと同様、インテーク、アセスメント、プランニング、インターベンション、モニタリング、エヴァリュエーション、ターミネーションという、一定のプロセスのもとに行われます。

インテーク

 インテークは受理面接のことで、相談の受付、ケースの発見による相談を開始する段階です。インテークは、信頼関係の構築、主訴の傾聴と課題の明確化、相談機関の説明、利用意思の確認と利用の契約の締結を行います。

スクリーニング

 相談の受け付け、ケースの発見が行われたら、ケースの複雑性、緊急性などを把握し、支援が必要であるかどうか、また、その相談機関での対応が可能であるかどうかを判断します。これをスクリーニングといいます。複数のサービスや支援を総合的、継続的に提供する必要があると認められたケースで、本人が利用を希望した場合に、援助の対象になります。

リファーラル

 スクリーニングによってケースワークが必要であると判断されたケースに関しては、相談者の主訴を明確に把握し、問題がその機関の機能に合致するかどうかを判断します。相談内容が、自分の所属する機関が扱っていないか適切ではない場合などは、相談内容に適合する、他の相談支援機関に紹介します。これをリファーラルといいます。

アセスメント

 アセスメントとは「課題分析」のことで、利用者の現状とニーズを、総合的に理解し把握、評価します。またそのニーズを充足するための、社会資源を把握します。具体的には、利用者の「社会的機能の評価」、利用者を取り巻く環境で利用者が利用できる社会資源の実態を把握する「社会資源の評価」を行います。

 このとき留意すべきことは、利用者の問題点や課題だけに目を留めるのではなく、利用者自身の意見や希望、埋もれている能力や可能性、地域の社会資源に目を留める、ストレングスの視点でアセスメントするということです。アセスメントは、支援者が一方的に行うのではなく、利用者の主体性や希望、意思を尊重する視点が非常に重要になってきます。

リハビリテーション計画策定

 リハビリテーションを進めていくためには、リハビリテーション計画を策定することが必要です。まず総合目標を設定します。総合目標の設定に際して最も留意すべきことは、本人の希望や思いを優先して設定することです。

 リハビリテーションの実施のためには、本人の動機づけが最も大きな要因になりますので、実現性の乏しいと思われるような願望であっても、最初から否定するのではなく、希望や願望を重視した総合目標を設定することが求められます。

 計画策定に際しては病状に配慮すべきですが、それだけに偏ることなく、生活の質の向上や、本人の可能性を引き出す計画となるよう、作成していきます。長期目標として本人の希望や願いを尊重したものを設定し、短期目標として実情を踏まえた実現可能な目標を設定するとよいでしょう。フォーマルな社会資源にとどまらず、インフォーマルな社会資源を活用していくことも大切です。

技能開発計画

 リハビリテーション計画には、「技能開発計画」と「資源開発計画」があります。

 アセスメントで行った社会生活機能評価に基づいて、利用者の技能開発計画を策定します。技能開発計画には、「直接的技能教育計画」と「技能プログラミング計画」があります。

 直接的技能教育計画は、新たな行動能力を習得するための体系的な教育計画で、日常生活技能、社会生活技能、問題解決技能、自己管理技能等の開発等を行う計画のことです。 技能プログラミング計画とは、すでに習得している技能を適切に使用できるようにするための計画です。

資源開発計画

 資源評価に基づいて資源開発計画を策定します。資源開発とは資源に対する介入のことで、資源の開発と資源の調整と資源の修正があります。資源の開発とは、必要な資源がない場合、その資源を作りだすことです。資源の調整とは、すでにある資源と当事者を結びつけることで、資源の修正とは、利用者のニーズに合うように資源提供者と交渉することです。資源開発計画には、障害の理解に向けた周囲への働きかけも含まれます。

インターベンション(介入)

 支援計画が作成されたら、計画の実施の段階に移ります。技能開発計画に基づいて利用者が日常生活や社会生活技能、問題解決技能、自己管理技能等を習得できるように支援します。

 また、資源開発計画に基づいて、資源の開発、資源の調整、資源の修正等を行います。社会資源のなかには、利用者の社会生活を支援するためのサポート体制も含まれます。そのため、利用者のサポート体制の構築、ネットワーキング、コーディネーション等を実施します。

 インターベンションでは、支援者及び支援機関が、利用者本人とチームを組み、援助者はチームの一員として、利用者を支援していきます。利用者のニーズ充足に向けて、様々な支援者や支援機関が、それぞれの役割を遂行していきます。

モニタリング(経過観察)

 支援計画に基づいた支援が適切に実施されているかどうか、状況の変化や新たなニーズが発生していないかどうかなどを検証するために、モニタリングを実施します。短期目標、長期目標に対して支援計画が有効に機能しているか、利用者の満足度、サービスの質等を確認します。

 利用者の心身の状況の変化や生活の変化が激しいときは必要に応じて回数を多くし、安定しているときは定期的に、モニタリングを実施します。モニタリングによって、新たな支援計画を作成し直す必要があると認められた場合は、再アセスメントを行い、新たな支援計画を作成しそれを実施することになります。

エバリュエーション(事後評価)

 エバリュエーション(事後評価)においては、支援を実施した後、相談援助過程における、クライエントのニーズがどれだけ充足されたか、また、計画における目標をどれだけ達成することができたかを客観的、総合的に精査し評価します。

 支援の全体を振り返り、目標の達成度や課題の解決などを評価しますが、その際、利用者自身の満足度、達成感、リカバリーの到達度なども含めて評価することが必要です。

ターミネーション(終結)とアフターケア

 支援計画の目標が達成され、支援が必要でなくなった場合、支援は終了します。終結時には、クライエントの不安等の感情に対する配慮も必要になります。アフターケアとして、新たな課題が生まれ支援が必要になった場合は、再度支援する可能性があることを利用者に伝えておくことにより、利用者に安心感を与えます。

インテーク 受理面接。信頼関係の構築、課題の明確化と利用契約の締結
スクリーニング 支援の必要性の判断
リファーラル 相談内容に適合する他の相談支援機関への紹介
アセスメント 利用者の社会的機能の評価と利用者を取り巻く社会資源の評価
プランニング 統合的な支援計画、技能開発計画、資源開発計画を作成
インターベンション 技能開発、資源開発等具体的な援助の実施
モニタリング 介入の状況の経過観察
エバリュエーション 目標の達成度、満足度等を総合的に評価
ターミネーション 支援の終結。アフターケアが必要

 いかがでしたか。次回は「精神保健福祉に関する制度とサービス」を取り上げます。では、第22回の精神保健福祉士国家試験問題のなかから今回の課題を挙げておきますので、チャレンジしてみてください。今回も2問あります。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」

問題40  次の記述のうち、社会リハビリテーションにおけるアセスメントとして、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 実施した宿泊体験の妥当性を検討する。
  • 2 一人暮らしに必要なサボート体制を編成する。
  • 3 利用できる文化施設を増やす。
  • 4 買物支援の満足度を確認する。
  • 5 活用できる移動手段を把握する。


問題42 次の記述のうち、リファーラルの説明として、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 患者の支援に役立つ疾病や障害の状況を調べる。
  • 2 患者やその環境又はその両者に対して働き掛ける。
  • 3 患者の支援に関する実施状況について見直す。
  • 4 患者との対等な関係に基づき課題解決に向けて取り組む。
  • 5 患者の希望する支援に対してサービス提供機関へつなぐ。