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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第19回 「保健医療サービス」

 皆さん、こんにちは。試験まであと約6か月になりましたね。着実に受験の準備を進めていきましょう。忙しさのなかでなかなか時間をとれない方が多いと思いますが、短い時間でも集中して、ポイントを絞った効率的な学習で力をつけていきましょう。

 今回は「保健医療サービス」を取り上げます。この科目は、医療保険制度、国民医療費、医療法における諸規定、医療ソーシャルワーカー、医療関連職種と、出題範囲も明確で対策の立てやすい科目です。基礎を押さえれば合格ラインである6割は十分得点できますから、まず基礎をしっかり押さえてから医療と介護の連携や地域医療への理解を深めていきましょう。今回は後ほど、医療施設等の役割について取り上げます。では、まず前回の課題の解説をしていきます。

第22回 精神保健福祉士国家試験「低所得者に対する支援と生活保護制度」

問題64 生活保護法が規定する基本原理・原則に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 日本国憲法第26条に規定する理念に基づく。
  • 2 保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。
  • 3 保障される最低限度の生活とは、肉体的に生存を続けることが可能な程度のものである。
  • 4 生活困窮に陥った年齢によって、保護するかしないかを定めている。
  • 5 生活保護の基準は、厚生労働省の社会保障審議会が定める。

正答2

解答解説

  • 1 誤り。生活保護法は、日本国憲法第25条の理念に基づいています。生活保護法第1条では、「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と規定しています。
  • 2 正しい。保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めます。ただし、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができるとされています。これを世帯分離といいます。これは、世帯単位であるためにかえって保護を受給できなくなることを防ぐために、例外的に設けられている制度です。
  • 3 誤り。生活保護制度で保障される最低限度の生活とは、生活保護法第3条で、「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」と、最低限度の生活の保障を定めています。この最低限度の生活とは、肉体的に生存を維持することが可能な程度ではなく、「健康で文化的」な生活を維持できるという生活水準を規定しています。
  • 4 誤り。生活保護法第2条は、「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる」としています。生活困窮に陥った年齢によって決められるのではありません。この無差別平等とは、生活の困窮に陥った原因は問わず、現に生活が困窮に陥っているかどうかということだけを判断の基準にして、平等に保護を行うことを意味しています。現行の生活保護法は、救護法、旧生活保護法に規定されていた「困窮に陥った原因が怠惰、素行不良である場合は、保護の対象から除外する」という「除外規定」は削除され、困窮に陥った原因は問わないという、無差別平等の原理が実体化されました。要保護者の生活態度や借金の有無等は、一切関係ありません。
  • 5 誤り。生活保護の基準は、厚生労働大臣が定めることになっています。生活保護は、「厚生労働大臣が定める基準」によって測定した、要保護者の需要を基として、要保護者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行われます。この基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した、最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、かつ、これを超えないものでなければなりません。

 いかがでしたか。生活保護制度の扶助内容、権利と義務、保護の実施機関、生活保護の実態等についてもよく学習しておきましょう。それでは、今回の「保健医療サービス」について、出題基準に沿って過去問の出題傾向を分析し、対策を立てていきます。

医療保険制度の概要

医療保険制度の概要

 この分野は、医療保険制度の仕組み、医療保険の保険者・被保険者・保険料・保険給付内容、審査支払機関としての社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会の役割と診療報酬の支払いの手順などについて、よく学習しておきましょう。

 医療保険における利用者の負担割合、高額療養費制度、高額介護合算療養費、入院時食事療養費、出産育児一時金、傷病手当金等が出題されています。第22回では、初めて血友病や腎疾患による血液の人工透析等の「高額長期疾病(特定疾病)」の自己負担限度額の出題がありました。後期高齢者医療制度、世帯合算制度、多数回該当制度等についても理解しておきましょう。

 また、診療報酬の決定における中央社会保険医療協議会の役割、保険外併用療養費の選定療養と評価療養、申し出療養についても学習しておきましょう。

医療費に関する政策動向

 この分野では、国民医療費について国民医療費の範囲、国民所得に占める割合、国民医療費の財源別構成割合、診療種類別構成割合、傷病別割合を始め、国民医療費総額、65歳以上の医療費の割合、制度区分別国民医療費、年齢階級別の一人当たり国民医療費など、「国民医療費の概況」などで確認しておきましょう。

診療報酬

診療報酬制度の概要

 この分野からは、診療報酬制度の仕組み、審査支払機関の役割、診療報酬の点数と改定、出来高払いと包括支払い制度等が出題されています。

 診療報酬の「医科」「歯科」「調剤」の3分類、地域連携医療、点数表の仕組み、DPC制度、介護報酬改定との関係等の診療報酬制度の仕組みとともに、地域医療の推進のための入院や退院時における地域との連携や在宅療養における加算、在宅医療の往診、訪問看護、ターミナルケア加算等の、診療報酬上の位置づけについて学習しておきましょう。

保健医療サービスの概要

医療施設の概要

 この分野からは、病院と診療所の定義、地域医療支援病院、特定機能病院、在宅療養支援診療所・病院等が出題されています。医療提供施設について、医療法に規定されている医療提供施設の種類、病院と診療所の違い、助産施設、回復期リハビリテーション病棟等も含めて、それぞれの機能、役割について整理しておきましょう。

 第22回では、医療施設等の利用目的として医療機関や病棟の機能と役割、利用対象者について出題されました。今回は後ほど、病床機能報告制度や地域医療構想を含めてこの分野を取り上げていきます。

 医療提供体制としては、保険薬局、在宅医療専門診療所、理学療法士の役割等が出題されています。在宅療養をしている患者に対する様々な医療関係機関、関係専門職の役割を理解しておきましょう。

保健医療対策の概要

 この分野は、医療法における医療計画に盛り込むべき内容や医療機関の情報提供、安全管理等について、医療法上の規定をよく読み込んで整理しておきましょう。へき地医療、地域医療構想、病床機能報告制度、医療事故対応等が出題されています。

 第22回では、「高齢者の医療の確保に関する法律」で規定されている「特定健康診査と特定保健指導」に関する出題がありました。保健医療対策としての生活習慣病予防施策について、確認しておくとよいでしょう。

保健医療サービスにおける専門職の役割と実際

医師の役割 保健師、看護師等の役割

 この分野では、医師法、保健師看護師助産師法等における医療にかかわる専門職の役割とその業務内容を押さえておきましょう。

 看護師の業務、保健師の就業先と業務、回復期リハビリテーション病棟における看護師、社会福祉士の配置と診療報酬との関係、医療関係従事者の業務と医師の指示の必要の有無等についての出題実績があります。それぞれの医療関係専門職の業務と医師の指示との関係を把握しておきましょう。

インフォームドコンセント

 インフォームドコンセントの意義と実際、医療法におけるインフォームドコンセントに関しての医師の責務、入院時における入院計画書の作成と交付義務に関する規定、退院支援計画作成の際の患者への説明と診療報酬との関係などについて学習しておきましょう。

作業療法士、理学療法士、言語聴覚士等の役割

 医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のそれぞれの業務が出題されています。医療関係従事者のそれぞれの根拠法と業務規定に目を通しておきましょう。

医療ソーシャルワーカーの役割

 この分野からは、毎回短文事例での出題がみられます。医療ソーシャルワーカーの役割と位置づけについて、医療ソーシャルワーカーの業務指針を十分読み込んでおきましょう。業務指針や医療ソーシャルワーカーの理念については、具体的な実践場面に適用できる力を養っておきましょう。また、医療ソーシャルワーカーの発展の歴史についても出題されていますので、歴史的な発展の経緯についても学習しておきましょう。

保健医療サービス関係者との連携と実際

医師、保健師、看護師等との連携

 この分野からは、医師、保健師、看護師等との連携、在宅生活を支える医療体制としてのチームアプローチ、リハビリテーション医療のチームアプローチ等が、短文事例問題で出題されています。

 第22回では、終末期医療における本人の意思決定の支援についての出題がありました。共通科目の障害者の分野でも、第20回で障害者の意思決定支援が出題されています。意思決定支援は現場では重要な課題ですので、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に目を通しておくとよいでしょう。

 チームアプローチに関しては、マルチ型チームとインター型チームの違い、チームのタスク機能とメンテナンス機能、チームアプローチにおける情報の取り扱い等が出題されていますので、チームアプローチの類型と特性、対象等について学習しておきましょう。

 緩和病棟におけるがん患者への医師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、がん看護専門看護師のそれぞれの専門職の緩和ケアにおいて、持つべき視点と役割についてのチームアプローチも出題されています。チームによるケアの際の留意点などについて把握しておきましょう。

地域の社会資源との連携

 地域医療の実践のためには、地域の社会資源である医療・保健・福祉関係機関との連携が必須です。そのための具体的手法として、地域連携クリティカルパスの作成があります。クリティカルパスとは治療計画のことで、地域連携クリティカルパスとは病院での集中的な治療が終了した後、地域の医療機関の連携によって病院の機能に応じた総合的な治療やリハビリテーションを行うための計画のことです。医療と介護の連携も含めて、地域医療の連携のあり方について、様々な関連機関の役割を押さえながら学習しておきましょう。

 以上、全体を概観してきましたが、今回は医療法の医療計画のうちの医療機能関連の内容と、医療法に規定する医療施設の利用目的と役割について解説していきます。

医療機能の分化と連携

 わが国の医療提供体制の整備は、「医療機能の分化と連携」という理念に基づいて実施されています。「医療機能の分化」とは、医療機関の役割を分化していくということで、個人病院や診療所などの住民に身近な医療機関は、かかりつけ医としての役割を担い、地域の中核的な医療機関は救急医療や入院医療等の役割を担い、大学病院等の専門的医療機関は、高度な専門的医療と研究を担うというように、医療機関それぞれの機能を分化して医療のニーズに応えていくという考え方です。

 ただ、医療のニーズに応えていくためには、分化されたそれぞれの医療機能が連携を保って、切れ目のない医療を提供していく必要があります。そのために、医療機能の分化は連携があって初めて成り立ちうるといえます。その「医療機能の分化と連携」を推進するために、医療法では、医療計画にこれらに関する内容を盛り込むべきことと規定しています。

医療計画

 医療計画には、「5疾病・5事業及び在宅医療に係る医療連携体制」「医療従事者の確保」「医療の安全の確保」「医療提供施設の整備の目標」「基準病床数」「地域医療構想」の6分野における都道府県の計画を盛り込まなければならないこととされています。今回は、医療機能に焦点をあてて、この中の「基準病床数」と「地域医療構想」について取り上げていきます。

基準病床数

 医療計画に盛り込むことが求められている「基準病床数」とは、「地域の医療需要に合わせて設定される病床数」のことです。これは、わが国の医療提供体制として、どの地域も偏りなく良質な医療を受けられるよう、病床の地域の偏在をなくすことを目標としています。基準病床数より既存病床数が多い場合は、都道府県は医療機関の開設や増床を許可しないことができます。

医療圏

 医療法では、都道府県が病床の整備を図るために設定する地域的単位として「医療圏」を規定し、「一次医療圏」「二次医療圏」「三次医療圏」に分類しています。
 一次医療圏は、日常的な医療を提供する医療の圏域で、市町村を1つの単位としています。二次医療圏は、特殊な医療を除く一般的な入院に係る医療を提供する医療の圏域で、複数の市町村を1つの単位としています。三次医療圏は、専門的・特殊な保険医療サービスを提供する単位として設定される医療の圏域で、都道府県を単位としています。

 医療計画における「基準病床数」の「療養病床と一般病床」については、「二次医療圏」で設定することとされており、「地域医療構想」についても、原則「二次医療圏」で設定することとされています。

病床の種類

 次に、病床の種類に関して確認しておきましょう。医療法では病床を、「精神病床」「感染症病床」「結核病床」「療養病床」「一般病床」の5種類に分類しています。

 「精神病床」は、精神疾患を有する人を入院させるための病床をいいます。「感染症病床」は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に規定する、一類感染症、二類感染症(結核を除く)、新型インフルエンザ等感染症及び指定感染症、新感染症の所見がある人を入院させるための病床をいいます。

 「結核病床」は、結核の患者を入院させるための病床をいいます。「療養病床」は、主として、長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床です。「一般病床」は、上記以外の病床をいいます。

病床機能報告制度

 医療法では、一般病床、療養病床を有する病院又は診療所の管理者は、毎年1回、10月に「病床機能」を都道府県知事に報告することを義務づけています。

 病床機能は、「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」の4種類に分類されており、それぞれの医療機関の管理者は、現在の医療機能と将来の方向性を、自ら選択し報告することになっています。

 「高度急性期機能」とは、「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能」と定義されており、救命救急病棟やICU等です。「急性期機能」とは、「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能」と定義されており、高度急性期から脱してある程度落ち着いた状態に対応する機能を指します。

 「回復期機能」とは、「急性期を経過した患者への、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能」のことです。特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し、ADL(日常生活における基本的な動作を行う能力)の向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能と定義されています。

 「慢性期機能」とは、「長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能」のことで、長期にわたり療養が必要な重度の障害者、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能」と定義されています。

地域医療構想

 医療機関の管理者から、上記の医療機能について、病床機能報告制度に基づいて医療機関の管理者からの報告を受けた都道府県は、報告された情報を活用し、「医療計画」においてその地域に相応しい「地域医療構想」を策定することが義務づけられています。

 「地域医療構想」は、団塊の世代が75歳以上になる2025(令和7)年時点での「病床機能別の病床の必要数」を、「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」の4種類に分類して第二次医療圏単位で設定すべきとされています。

医療計画 医療機能の分化と連携の理念に基づいて計画する
病床の種類 精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床
病床機能報告制度 医療機関の管理者は、都道府県知事に年に1回病床機能を報告しなければならない
地域医療構想 都道府県は、医療計画に「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」の2025年の必要病床数を設定する地域医療構想を策定しなければならない

医療施設の機能と利用目的

 以上、医療機関の機能についてみてきましたが、次に、具体的な医療施設等の利用目的について、「介護医療院」「介護老人保健施設」「地域包括ケア病棟」「回復期リハビリテーション病棟」「療養病棟」を取り上げて、それぞれの機能と利用対象者について整理していきます。

介護医療院

 「介護医療院」は、「要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と定義され、介護保険法上の「介護保険施設」として規定されています。

 医療法上では「医療提供施設」として位置づけられ、医療機関に近い職員配置がされているため、一般の介護施設では難しい医療的ケアにも対応し、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者に対して、日常的な医学管理、看取りやターミナルケア等の「医療機能」と「生活機能」を兼ね備えた施設として、従来の医療法上の療養病床の移行先として2018(平成30)年4月に創設されました。

介護老人保健施設

 介護老人保健施設とは、「要介護者で、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と定義され、介護保険法上に規定されている「介護保険施設」です。

 医療法では「医療提供施設」として位置づけられており、主に医療ケアやリハビリを必要とする要介護状態の高齢者を対象として、食事や排せつの介助などの介護サービスを提供し、主に「在宅復帰を目的とするリハビリテーション」が実施され、一定期間で退所することを前提としています。

地域包括ケア病棟

 「地域包括ケア病棟」は、急性期治療を経過し病状が安定した者に対して、在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療や支援を行う病棟です。急性期患者、在宅患者、介護施設等から、緊急入院を必要とする患者を受け入れて在宅復帰支援を実施することにより、地域包括ケアシステムを支える役割を担っています。

 地域包括ケア病棟の設置基準として、特定機能病院以外の病院であること、患者13人に対して看護は1人以上配置、夜勤の看護師は2人以上配置、専従の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を1人以上配置、専任の在宅復帰支援担当者を1人以上配置することとされています。在宅復帰率は7割以上、入院期間は、原則60日以内とされています。

回復期リハビリテーション病棟

 回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等によって、身体機能が低下した患者に専門的・集中的なリハビリテーションを行う病棟で、日常生活動作の向上によって寝たきりの防止、在宅復帰を目的としています。

 施設基準として、回復期のリハビリテーションが必要な者が8割以上入院していること、常勤の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士の配置が義務づけられています。常勤の管理栄養士の配置は努力義務です。

 1日のリハビリ単位は、1日に2単位以上とされています。入院患者の3割以上は重症患者であること、機能改善要件として、重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能が改善していること、在宅復帰率が7 割以上であること、社会福祉士等が適切に配置されている必要があります。

 入院期間については、疾病によって、また発症時期、手術時期により入院期間の期限が定められています。入院の上限は180日以内となっています。回復期リハビリテーションのための体制が強化されている場合は、体制強化加算が算定されます。そのための条件は、専従医師と3年以上の経験のある専従の社会福祉士を配置することです。

療養病棟

 療養病棟は、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための、慢性期の長期入院患者を対象とした病棟です。療養病床には、医療療養病床と介護療養病床があり、今後は廃止の方向に向かっています。療養病床の廃止に伴い、従来の療養病床は介護老人保健施設と介護医療院に移行することが考えられています。

介護医療院 長期療養が必要な者に介護と医療を提供する医療提供施設及び介護保険施設
介護老人保健施設 心身機能の維持回復を図り、在宅復帰を目的とする医療提供施設及び介護保険施設
地域包括ケア病棟 急性期治療後の在宅復帰支援、急性期患者の受け入れを目的とする
回復期リハビリテーション病棟 在宅復帰を目標として、集中的リハビリテーションを実施。入院期間の上限がある
療養病棟 主として長期の療養を必要とする入院患者に対して医療サービスを提供

 いかがでしたか。この科目ではこのほか、診療報酬体系や医療保険制度、医療関係専門職の業務、医療ソーシャルワーカーの役割等についても学習しておきましょう。
 次回は、「権利擁護と成年後見制度」を取り上げます。では、今回の課題を第22回の精神保健福祉士国家試験からあげておきますので、チャレンジしてみてください。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「保健医療サービス」

問題71  医療施設等の利用目的に関する次の記述のうち、最も適切なもの1 つ選びなさい。

  • 1 介護医療院の利用は、主として長期にわたり療養が必要である要介談者を対象としている。
  • 2 療養病棟の利用は、急性期で医療的ケアが必要である者を対象としている。
  • 3 地域包括ケア病棟の利用は、病院で長期にわたり医療的ケアが必要である者を対象としている。
  • 4 介護老人保健施設の利用は、高度で濃密な医療と介設が必要である者を対象としている。
  • 5 回復期リハビリテーション病棟の利用は、高度急性期医療を受けた後、終末期と判断された者を対象としている。