メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第15回 「福祉行財政と福祉計画」

 皆さん、こんにちは。今回は「福祉行財政と福祉計画」を取り上げます。この科目は苦手な受験生が多いようですが、「福祉行政分野」「福祉財政分野」「福祉計画分野」として整理して学習していくと理解が進みます。ぜひ、今回の学習をきっかけに得意科目にしていってください。では、まず前回の課題の解説をしておきましょう。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「地域福祉の理論と方法」

問題37  市町村社会福祉協議会に関して、社会福祉法に規定されている次の記述のうち、 正しいもの1つ選びなさい。

  • 1  福祉サービスの苦情を解決するための運営適正化委員会を設置する。
  • 2  生活支援コーデイネーター(地域支え合い推進貝)を配置し、制度では対応できないニーズに対応する。
  • 3  役員の総数の3 分の1 を関係行政庁の職員で構成しなければならない。
  • 4  第一種社会福祉事業の経営に関する指導及び助言を行う。
  • 5  市町村の区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加する。


正答5

解答解説

  • 1 誤り。福祉サービスの苦情を解決するための運営適正化委員会を設置するのは、都道府県社会福祉協議会です。運営適正化委員会は、社会福祉法に規定されている第二種社会福祉事業である「福祉サービス利用援助事業」、通称「日常生活自立支援事業」が適正に運営されるために設置される機関です。福祉サービスに関する苦情受付窓口で、福祉サービス事業所への助言や、事業所と利用者との調整、苦情解決のための斡旋等を行います。
  • 2 誤り。生活支援コーデイネーター(地域支え合い推進員)は介護保険法の地域支援事業に配置され、地域における生活支援サービスの充実、高齢者の社会参加、介護予防の推進、地域資源の開発やネットワークの構築を図る役割を持つ者として位置づけられています。雇用形態は常勤、非常勤、ボランティアであるか否か等は問われず、職種、人数、配置場所、勤務形態も一律の規定はありません。資格要件に関する規定もなく、地域の実情に応じた多様な配置が可能とされています。
  • 3 誤り。関係行政庁の職員は、市町村社会福祉協議会の総数の5分の1を超えてはならないと規定されています。これは、民間法人としての社会福祉協議会の行政からの独立性を保つために規定されているものです。
  • 4 誤り。第一種社会福祉事業の経営に関する指導及び助言を行うのは、都道府県社会福祉協議会の役割です。都道府県社会福祉協議会はこのほか、市町村を通ずる広域的な見地から行うことが適切なもの、社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修、市町村社会福祉協議会の相互の連絡及び事業の調整の事業を実施します。具体的には、日常生活自立支援事業、運営適正化委員会の設置、第三者評価事業の推進、生活福祉資金貸付、福祉人材センター事業等を行っています。
  • 5 正しい。市町村社会福祉協議会は、その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者が参加し、その区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加するものとするとされています。

 いかがでしたか。「地域福祉の理論と支援」では、地域福祉の理念、地域福祉の発展過程、共同募金、民生委員の組織と役割、地域のニーズ把握、第三者評価などについても十分に学習しておきましょう。

 では、今回の「福祉行財政と福祉計画」について出題傾向を分析し、対策を立てていきます。この科目は、大きく分けて「福祉行政」「福祉財政」「福祉計画」という3つの分野から構成されています。

福祉行政の実施体制

 この分野は、「国、都道府県、市町村のそれぞれの役割」と「国と地方との関係」を把握しておきましょう。法定受託事務と自治事務について、それぞれの性格と権限の範囲、事務内容などを押さえておきましょう。

 地方自治の制度は地方自治法に基づいていますから、地方自治法における都道府県、市町村、広域連合、特別区、指定都市、指定都市における区、大都市特例等の仕組みと役割を理解しておきましょう。

 都道府県や市町村の役割に関する出題実績をみると、介護保険制度や障害者自立支援制度、児童福祉の分野に関する市町村・都道府県のそれぞれの役割についての出題実績があります。高齢、障害、児童等の各分野における市町村の役割、都道府県の役割を整理しておきましょう。また、利用契約制度と措置制度の違いと、それらにおける行政機関の役割も出題される分野です。福祉サービス利用の基本的な理解が求められます。

 「福祉の財源」の分野では、国の財源として、社会保障関係費が一般会計に占める割合や社会保障関係費の内訳は頻出分野です。また、各分野の福祉サービス費の国と都道府県、市町村の負担割合も出題率の高い分野ですので、確認しておきましょう。

 生活保護費、保育に要する費用、障害福祉サービス費、養護老人ホーム入所費、婦人相談所の一時保護費、母子生活支援施設の費用、児童養護施設の入所費についての国の費用負担割合が出題されています。

 「地方の財源」の分野では、地方財政における民生費の割合やその内訳が毎回出題されています。地方財政の仕組み、歳入、歳出に占める民生費の割合などについて、ポイントを押さえて学習しておきましょう。興味のある方は、地方財政白書に目を通しておくと理解が深まります。

 「保険料財源」の分野では、保険料とサービス利用料、介護保険財政、国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療、介護保険の財源負担等が頻出です。社会保険の保険料、福祉サービスの利用者負担、保険料の徴収方法等についても、各制度ごとに把握しておきましょう。

 「民間の財源」の分野では、消費税についての出題実績があります。消費税の性格、地方交付税との関係、国税と地方税の税率割合、一般会計に占める消費税の割合、軽減税率制度等について理解しておきましょう。地域福祉の財源として、共同募金は民間財源として大きな位置を占めています。社会福祉法における共同募金の目的と性格、組織、配分等について確認しておきましょう。

 「福祉行政の組織及び団体の役割」の分野からは、児童相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、婦人相談所、保健所について出題されています。福祉事務所、身体・知的障害者の各更生相談所、地域包括支援センター等についても学習しておきましょう。

 「福祉行政における専門職の役割」の分野では、知的障害者福祉司、身体障害者福祉司、児童福祉司、主任介護支援専門員、社会福祉主事の出題があります。福祉事務所の現業員と査察指導員のそれぞれの役割、児童福祉司、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司等の専門職の配属先、業務、資格要件などを整理しておくとよいでしょう。

福祉行財政の動向

 福祉財政の動向としては、毎回、地方財政白書が出題されています。地方財政白書の民生費の内訳や、都道府県と市町村の違い、特別会計事業費について、介護保険事業費、国民健康保険事業費、後期高齢者医療事業費の歳出決算額について、細かい数値を覚える必要はありませんが、多い順番は押さえておくとよいでしょう。

福祉計画の意義と目的

 各法律に基づく福祉計画は、各法律における制度を実現するためのそれぞれの計画の意義と目的が規定されています。福祉計画を策定する目的をよく理解しておくことで、盛り込むべき内容についての理解も深まりますから、それぞれの法律の目的と性格を理解しておきましょう。

 福祉計画の財源として、老人福祉事業と介護保険事業との関係、障害福祉サービス費等における国、地方公共団体の負担割合、福祉計画等と事業の財源として、介護保険第1号被保険者保険料、国民健康保険料の決定方法が出題されていますので、整理して理解しておいてください。

福祉計画の主体と方法

 この分野は、非常に出題率の高い分野です。地域福祉計画、老人福祉計画、介護保険事業計画、障害者基本計画、障害福祉計画、子ども・子育て支援事業計画、医療計画等、各分野における計画について、「根拠法」「計画の策定主体」「計画期間」「計画に盛り込むべき内容」「計画相互間の関係」「計画策定における地域住民の意見反映措置」等を整理しておきましょう。

 計画相互の関係として、「一体として作成すべきもの」「整合性の確保が図られたものとして作成すべきもの」「調和がとれたものとして作成すべきもの」の違いが出題されています。

 福祉計画の評価方法としては、ニーズ調査、医療や福祉計画におけるプロセス指標、インプット指標、費用効果分析等の難度の高い問題が出題されることがあります。皆さんにとっては苦手な分野かもしれませんが、今後も出題の可能性がありますので、理解を深めておくことをおすすめします。

福祉計画の実際

 第5期障害福祉計画基本指針の基本理念、障害児福祉計画、地域移行の目標、地域移行、一般就労への移行、児童発達支援センターの設置目標、第7期介護保険事業計画の基本指針等の内容等が出題されています。近年、各分野における計画策定の基本指針の出題が目立ちます。それそれの分野の基本指針の方向性等を把握しておくことをおすすめします。

 以上、全体を概観してきましたが、今回は福祉計画策定の歴史的変遷について、時代背景を踏まえて解説していきます。

福祉計画策定の時代背景

 福祉計画の策定の必要性が認識されるようになった背景には、高齢化と少子化という人口構造の変化と、女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加という要因があります。

 わが国は、1970(昭和45)年に高齢化率が7%になり、従来の低所得者に対する貨幣的ニーズを充足させるための金銭給付だけでは満たされない、介護等の非貨幣的ニーズが顕在化してきました。また、核家族の増加、共働き世帯の増加などにより少子化が進み、少子化対策が喫緊の課題となって、保育所の整備等のさまざまな施策を打ち出す必要に迫られてきました。

社会福祉施設緊急整備5カ年計画

 高齢化率が7%を超えた翌年の1971(昭和46)年に、「社会福祉施設緊急整備5カ年計画」が策定されました。高齢化による高齢者入所施設の需要の増加、重度障害者のための施設の未整備、保育所の不足等の現実に対して、老人福祉施設の整備、重度身体障害者施設、心身障害児・者施設、保育所等の整備を、1971(昭和46)年から5年をかけて実現していくという計画です。

ゴールドプラン

 最初に、高齢者に関するプランからみていきましょう。1970年以降の急激な高齢化に対して、1989(平成元)年、大蔵省(現在の財務省)、厚生省(現在の厚生労働省)、自治省(現在の総務省)の合意によって「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」が策定されました。これは高齢化の急速な進展に対応するために、高齢者介護の基盤整備を目的とした、1990(平成2)年から1999(平成11)年にかけての10年間の高齢者施策の具体的プランです。

 ゴールドプランには、市町村の在宅福祉対策、高齢者施設の整備、特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイの整備、ホームヘルパーの整備等が掲げられています。

 このゴールドプランを円滑に推進するために、1990(平成2)年に老人福祉法が改正され、すべての市町村と都道府県に老人保健福祉計画の策定が義務づけられ、在宅サービスと施設サービスが市町村に一元化されました。

新ゴールドプラン

 1989(平成元)年に策定された「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」は、10カ年計画でしたが、高齢化の進展が予想以上に急激だったため、1994(平成6)年にゴールドプランを全面的に改定して「高齢者保健福祉計画」(新ゴールドプラン)を策定しました。新ゴールドプランは、在宅福祉の充実を重視し、ホームヘルパーの確保、訪問看護ステーションの設置等の目標数を設定しました。

ゴールドプラン21

 1994(平成6)年には、わが国の高齢化率は14%になり、1970年の7%から24年間という短期間で、7%から2倍の24%になりました。このような世界的にもまれな急激な高齢化に対して、1997(平成9)年には介護保険法が制定され、2000(平成12)年に施行されました。

 2000(平成12)年の介護保険法施行に向けて、介護保険サービスの基盤整備のために、1999(平成11)年に策定されたのが2000(平成12)年から2004(平成16)年までの5年計画である「今後5年間の高齢者保険福祉施策の方向~ゴールドプラン21~」です。

 「ゴールドプラン21」は、基本的な目標として、活力ある高齢者像の構築、高齢者の尊厳の確保と自立支援、支えある地域社会の形成、利用者から信頼される介護サービスの確立の4つの基本的目標を掲げ、2004(平成16)年までに達成すべき数値目標を示しました。

社会福祉施設緊急整備5カ年計画1971(昭和46)年策定。老人福祉施設の整備、重度身体障害者施設、心身障害児・者施設、保育所等の5カ年計画
ゴールドプラン1989(平成元)年策定。市町村の在宅福祉対策、高齢者施設の整備、特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイの整備、ホームヘルパーの整備等の10カ年計画
新ゴールドプラン1994(平成6)年策定。在宅福祉の充実のためホームヘルパーの確保、訪問看護ステーションの設置等の目標数を設置等の5カ年計画
ゴールドプラン211999(平成11)年策定。2000(平成12)年の介護保険法施行に向けて介護保険サービスの基盤整備を目的として達成数値目標を提示した5カ年計画

エンゼルプラン

 次に、児童に関するプランを取り上げていきましょう。1990(平成2)年には、合計特殊出生率が1.57という史上最低の数値だったことを踏まえて、1994(平成6)年、厚生省(現在の厚生労働省)を中心に仕事と子育ての両立のための「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について(エンゼルプラン)」が策定されました。

 子育てを家庭だけの課題とするのではなく、国や地方公共団体、企業、職場、地域を含めた社会全体で子育てを支援していくことを目標としています。

 エンゼルプランを具体化するために策定されたのが、1994(平成6)年から1999(平成11)年までの「緊急保育対策等5カ年事業」で、保育所の量的拡大、低年齢児保育、延長保育等の多様な保育サービスの充実、地域子育て支援センターの整備等に関して具体的な数値目標が示されています。

新エンゼルプラン

 1999(平成11)年に定められた「少子化対策推進基本方針」に基づき、2000(平成12)年度から2004(平成16)年度の「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について(新エンゼルプラン)」が策定されました。

 このプランは、保育サービス等子育て支援サービスの充実、仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備、働き方についての固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正等を掲げ、保育サービスや子育て支援サービスについて、具体的な目標数値を掲げています。

子ども・子育て応援プラン

 2003(平成15)年に、少子化社会に対して取り組むために「少子化対策基本法」と「次世代育成支援対策推進法」が制定されました。2004(平成16)年には、「少子化社会対策大綱」が制定され、この大綱に基づいて2005(平成17)年度から2009(平成21)年度までの5カ年計画として「子ども・子育て応援プラン」が策定されました。

 「子ども・子育て応援プラン」は、子育てしやすい環境を目指して、「市町村行動計画、都道府県行動計画」「一般事業主行動計画」の策定、保育所定員数、放課後児童クラブ、子育て拠点の数値目標とともに、若者の自立、働き方の見直し、仕事と家庭の両立支援等も含めた幅広い具体的目標を設定しています。

子ども・子育てビジョン

 2010(平成22)年、「新・少子化社会対策大綱」として、「子ども・子育てビジョン」が5年計画として策定されました。家族や親だけが子育てを担うのではなく社会全体で子どもと子育てを応援し、子どもを社会の主体的な一員として位置付け、生活、仕事、子育てを総合的に支えるという考え方のもと、子どもを生み育てることに夢を持てる社会を目指しています。

エンゼルプラン1990(平成2)年、社会全体で子育てを支援していくための体制整備を提言。「緊急保育対策等5カ年事業」として具体化
新エンゼルプラン1999(平成11)年、保育サービス等子育て支援サービスの充実、仕事と子育ての両立支援・体制整備のために具体的な目標数値を提示。
子ども・子育て応援プラン2004(平成16)年、子育てしやすい環境のため保育所定員増、放課後児童クラブ、子育て拠点の整備、若者の自立、働き方の見直し等の具体的目標を設定
子ども・子育てビジョン2010(平成22)年、社会全体で子育てを支援、生活、仕事、子育てを総合的に支えるビジョンを提示

障害者に関する世界行動計画

 障害者施策に関して、まず国際的な施策の経緯をみていきましょう。障害者施策の国際的な取り組みとして、国連は「完全参加と平等」をテーマに1981年を「国際障害者年」として障害者に関する啓蒙活動を行いました。この理念の内実化と浸透を図るため、1982年の国連総会で「障害者に関する世界行動計画」を採択し、1983年から1992年までの10年間を「国連障害者の十年」としました。

障害者計画

 わが国はこれを受けて、1982(昭和57)年に「障害者対策に関する長期計画」をわが国の初めての長期計画として策定しました。1993(平成5)年には障害者基本法が制定され、都道府県障害者計画、市町村障害者計画の策定を、努力義務として規定しました。

 2004(平成16)年の障害者基本法改正により、都道府県障害者計画、市町村障害者計画の策定が義務化されました。その後の2011(平成23)年の障害者基本法改正では、国が策定する障害者基本計画の策定時には、「障害者政策委員会」の意見を聴かなければならないとされ、委員会にはその基本計画の実施状況を監視する役割をも与えられました。

 2018(平成30)年には、5年計画としての「障害者基本計画(第4次)」が策定されました。共生社会の実現に向け、障害者が自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加し、その能力を最大限に発揮して自己実現できるよう支援することを基本理念として、基本的方向として、社会のバリア(社会的障壁)の除去、障害者権利条約の理念の尊重、障害者差別解消の取り組み等を掲げ、各分野における具体的目標数値が示されています。

障害福祉計画

 障害者に対する福祉サービスのための計画である「障害福祉計画」の策定は、2005(平成17)年に制定された「障害者自立支援法」に規定され、都道府県障害福祉計画、市町村障害福祉計画とも策定が義務づけられました。2012(平成24)年には、障害者自立支援法は「障害者総合支援法」に改称・改正され、「都道府県障害福祉計画」「市町村障害福祉計画」とも、引き続き策定義務とされています。

障害児福祉計画

 2017(平成29)年の「児童福祉法」改正で、障害児に対する福祉サービスに関する計画として、都道府県に「都道府県障害児福祉計画」を、市町村に「市町村障害児福祉計画」を策定することを義務づけました。この計画は、障害者総合支援法に規定する「障害福祉計画」と一体のものとして策定することができるとされています。

地域福祉計画

 最後に、地域福祉計画についてみていきましょう。2000(平成12)年に、社会福祉事業法から改称・改正された「社会福祉法」に「地域福祉計画」が規定されました。法制定時には、地域福祉計画の策定は任意規定でしたが、2018(平成30)年の法改正によって、「市町村地域福祉計画」「都道府県地域福祉支援計画」とも、策定が努力義務になりました。

 この改正に伴い、「市町村地域福祉計画」「都道府県地域福祉支援計画」は、高齢者、障害者、児童その他の福祉の各分野における共通的な事項を、横断的に記載する計画として位置づけられました。また、市町村、都道府県とも「市町村地域福祉計画」「都道府県地域福祉支援計画」について、定期的に調査、分析及び評価を行うことが努力義務とされ、必要に応じて変更することが義務づけられました。

障害者に関する世界行動計画1982年の国連総会で「障害者に関する世界行動計画」を採択。1983年から1992年までの10年間を「国連障害者の十年」とした。
障害者計画1993(平成5)年、障害者基本法に都道府県障害者計画、市町村障害者計画の策定を努力義務として規定。2004(平成16)年の障害者基本法改正で策定の義務化
障害福祉計画2005(平成17)年制定の障害者自立支援法に都道府県障害福祉計画、市町村障害福祉計画を策定義務づけ。2012(平成24)年障害者総合支援法に改称・改正
障害児福祉計画2017(平成29)年、「児童福祉法」改正で都道府県障害児福祉計画、市町村障害児福祉計画策定を義務づけ
地域福祉計画2000(平成12)年、社会福祉法制定により市町村地域福祉計画、都道府県地域福祉支援計画策定を任意規定。2018(平成30)年改正により策定を努力義務規定に改正

 いかがでしたか。福祉行政における市町村と都道府県の役割、福祉財政等についてもよく学習しておきましょう。次回は、「社会保障」を取り上げます。では、第22回の精神保健福祉士の試験から今回の課題を上げておきますので、チャレンジしてみてください。

第22回 精神保健福祉士国家試験 「福祉行財政と福祉計画」

問題47  福祉計画に関して、1990年(平成2年)の福祉関係八法改正より以前の記述として、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1  「エンゼルプラン」が策定された。
  • 2  障害福祉計画が障害者自立支援法に規定された。
  • 3  社会福祉施設緊急整備5か年計画が策定された。
  • 4  「新ゴールドプラン」が策定された。
  • 5  地域福祉計画が社会福祉法に規定された。