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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第6回 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開(1)」

 皆さん、こんにちは。今回は、「精神保健福祉士の理論と相談援助の展開(1)」を取り上げていきます。範囲が広いので、今回と次回の2回に分けて進めていきます。この科目は、精神保健福祉士としての援助を具体的にどのように実践していくか、諸制度を熟知した上でケースに適用できる実践力が求められます。援助の基本理念を押さえた上で、具体的な援助技術を駆使していけるように、細部まで丁寧に学習しておきましょう。  では、まず前回の課題の解説をしておきましょう。
第22回 精神保健福祉士国家試験  「精神保健福祉相談援助の基盤」

問題23 ソーシャルワークの理論の発展に貢献した人物とそのアプローチに関する次の記述のうち、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 カプラン(Caplan,G.)は、 ソーシャルワークに生態学的な視点を導入し、その実践モデルをエコロジカルアプローチとした。
  • 2 ジャーメイン(Germain,C.)は、クライエントの心理的側面や生活史を重視し、診断主義アプローチを提唱した。
  • 3 トール(Towle,C.)は、家族療法の各流派の知見を統合し、多元的な家族中心アプローチを構築した。
  • 4 トーマス(Thomas,E.)は、 学習理論の応用に基づく多様な行動変容の方法を整理し、行動変容アプローチとして確立した。
  • 5 ハートマン(Hartman,A.)は、 危機の状況から効果的で早急に脱出することを目的とした危機介入アプローチの基礎を築いた。


正答 4

解答解説

  • 1 適切でない。カプランは、地域予防精神医学研究に携わり危機理論を提唱し、危機の予防、早期介入の重要性を指摘し危機介入アプローチに影響を与えました。ソーシャルワークに生態学的な視点を導入し、その実践モデルをエコロジカルアプローチとしたのは、ジャーメインとギッターマンです。
  • 2 適切でない。ジャーメインはギッターマンとともに、人間と環境との相互作用に介入し課題解決を図ろうとするエコロジカルアプローチを提唱しました。クライエントが抱える生活課題は、人と環境との交互作用が適切に行われないためであるとし、人と環境との接点に加入して、環境を改善しつつ、クライエントの対処能力を高め、よりよい交互作用が行われるよう援助する方法です。クライエントの心理的側面や生活史を重視し、診断主義アプローチを提唱したのは、トール、ハミルトン、ホリスらです。
  • 3 誤り。トールは、リッチモンドの貧困者に対するケースワークを継承して『コモン・ヒューマンニーズ』を著し、人間に共通の欲求充足を権利として求める公的扶助ケースワークを理論化しました。貧困が子どもに及ぼす影響がどのように大きなものかを指摘し、人間の自立と成長のための公的扶助の必要性と、パーソナリティの発達のために、公的扶助の運用の重要性を診断主義の立場から論じました。
  • 4 正しい。トーマスはフィッシャーとともに、学習理論や行動療法を取り入れた行動変容アプローチを提唱しました。クライエントが抱えている問題行動だけに焦点を当て、その行動を変容させようとするアプローチ方法です。この行動変容アプローチは、精神保健福祉の分野では社会生活技能訓練(SST)に応用されています。
  • 5 誤り。ハートマンは、ホワイトややエプストンらとともに、ナラティブアプローチを提唱しました。ナラティブアプローチは、社会構成主義を理論的基盤としており、クライエントが体験した人生を通して作り上げてきた認知形態を、ワーカーとの対話によって再構築し、新たな意味を見いだすことができるよう援助するアプローチ方法です。危機の状況から効果的で早急に脱出することを目的とした危機介入アプローチの基礎を築いたのは、リンデマン、カプラン、ラポポートなどです。

 いかがでしたか。「精神保健福祉相談援助の基盤」では、援助の理念を、実践の現場でいかに適用していくかという視点で学習しておきましょう。では、今回の「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」について、近年の出題傾向を分析し受験対策のポイントを取り上げていきます。

精神保健医療福祉の歴史と動向

 この分野からは、わが国の精神保健福祉として、札幌宣言、谷中輝雄、生活モデル、地域生活支援体制の強化等が出題されています。諸外国の精神保健医療福祉としては、イタリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、韓国、イギリス、フランス等の主要国の精神保健医療政策の発展の経緯について出題されています。今回は、後ほどこの分野を取り上げて解説します。

 わが国の精神保健医療福祉関連の法制度の変遷、諸外国の精神保健医療福祉の動向、精神保健医療福祉の事項と人物等がそれぞれ、3~4年に1回の間隔で出題されていますので、そのことを踏まえて対策しておくことをおすすめします。

精神障害者に対する支援の基本的な考え方と必要な知識

 我が国における精神科ソーシャルワーカーの活動の歴史や、精神保健福祉士法として法制化された歴史的背景を、精神障害者の権利擁護と自立生活支援の観点から理解を深めておきましょう。

 精神障害者支援の理念としては、ノーマライゼーション、エンパワメント、ストレングス、リカバリー、レジリエンス等の理念を、実践にいかに適用していくか、事例問題に取り組める力を養っておきましょう。

 精神障害の概念や法律上の精神障害者の定義としては、精神保健福祉法における精神障害者の定義、またその他の関連法としては、障害者雇用促進法、医療観察法、自殺対策基本法、発達障害者支援法、障害者差別解消法、障害者総合支援法等の、それぞれの法律における精神障害者への支援についても確認しておくとよいでしょう。

 精神障害者の人権の尊厳については、権利原則、インフォームドコンセント、権利擁護システムとしての精神医療審査会、成年後見制度、日常生活自立支援事業、障害者虐待防止法等に関する制度や法律も学習しておきましょう。

精神科リハビリテーションの概念と構成

 この分野は、WHOによる精神科リハビリテーションの理念と定義、アンソニーによる精神科リハビリテーションの基本原則、精神科リハビリテーションにおける精神保健福祉士の役割などについて理解を深めておきましょう。精神科リハビリテーションにおけるチームアプローチ、地域に根差したリハビリテーション(CBR)、精神科リハビリテーションの基本原則等が出題されています。

精神科リハビリテーションのプロセス

 精神科リハビリテーション計画の必要性、計画内容の要点、計画のための機能評価と資源評価、個別利用者支援における評価、プログラム評価とニーズ評価、プロセス評価やフィデリティ評価の意味について学習しておきましょう。評価の方法として、代表的な評価尺度の具体的内容と使用目的も押さえておきたいものです。

 精神科リハビリテーションのアプローチの方法としては、長期在院者の地域移行、新規入院者の地域移行、地域リハビリテーションにおけるリカバリーの概念や当事者主体、ソーシャルインクルージョンの理念、ケアマネジメントやアウトリーチなどの技法、急性期や寛解期における課題と援助手法、ライフサイクルとの関係等を把握しておくとよいでしょう。

 精神疾患発病後、入院後、急性症状消退後、精神療養病床に入院中等のそれぞれの状態の患者へのリハビリテーションのアプローチの方法、疾病の時期と状態像、それに相応しいそれぞれのアプローチ方法を、適切に提供できるよう理解を深めておきましょう。

 就労移行支援事業所における職業リハビリテーションのアプローチ方法が出題されています。障害者の職業リハビリテーション機関の役割と活用の仕方等、制度系の知識も整理しておきたいものです。

 以上、出題基準の大項目4まで解説してきました。出題基準の大項目5以降については、次回に取り上げていきたいと思います。では今回は、諸外国の精神保健医療福祉について解説していきます。

イギリス

 イギリスは、第二次世界大戦前までは長期間にわたって巨大な精神科病院が設立されてきました。大戦終了後、国民保健サービス「NHS」が創設され、包括的な医療サービスが全国民に原則無料で提供されるようになり、一般的な医療はかかりつけ医に、高度専門医療は専門医療機関に紹介されるシステムになりました。

「NHS:国民保健サービス及びコミュニティケア法」

 1950年代以降、コミュニティケアの重要性が認識され精神病床対策が進められていきました。その後コミュニティケア改革が進められていき、1990年には、「NHS:国民保健サービス及びコミュニティケア法」が制定されました。コミュニティケアの公的責任が明記されて、地方自治体による在宅サービスにおけるケアマネジメントが導入されました。

CPA:ケアプログラムアプローチ

 この流れを受けて、1991年にCPA(ケアプログラムアプローチ)が導入され、精神障害者への医療サービスと福祉サービスを包括的に提供する、ケアマネジメントシステムが構築されていきました。

 CPAの対象は、16歳以上の精神障害を抱える、入院患者、外来患者、地域で何らかのサポートを必要とするすべての人で、精神障害を抱える人の医療及び福祉のケアニーズを総合的、体系的に評価し、様々なサービス機関から提供される医療・福祉サービスに関するケアプランを作成します。

 キーパーソンとなるのは、主に地域精神専門看護師で、作業療法士やソーシャルワーカー、精神科医等の有資格者がかかわり、包括的な支援を行います。キーパーソンは患者と密接な関係を保ち、モニタリング・調整を行い、必要に応じケアプランの定期的な見直しや変更をしつつ支援します。

NSF(精神保健のためのナショナル・サービス・フレームワーク)

 1999年には、NSF(精神保健のためのナショナル・サービス・フレームワーク)として、精神保健施策10か年計画が発表されました。これは、積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実を図ること、危機介入による精神保健改革を自殺防止と一体的に取り組むこと等を掲げています。

 精神障害者が社会と一体化することを目指し、雇用、所得、権利擁護、ホームレスへの取り組み、スティグマや社会的排除からの脱却、24時間体制のプライマリーケア、適切なサービスの利用等を提唱しています。

フランス

 フランスも、精神障害者に対しては精神科病院への入院という隔離と収容が主流でしたが、第二次世界大戦後に地区化政策(セクトゥール)制度が採られるようになりました。

 地区化政策(セクトゥール)制度は、一定の人口規模を1つの区域として、精神科医療に必要な精神科病床、施設を配置して必要なすべての施設を備え、治療と生活支援を一体的に提供して、地域の中で生活しながら精神科医療を受けられるという制度です。

 精神医療センター、デイケア、急性期受け入れ後の治療施設等について、各セクターが必要に応じて地区に施設を設け、精神医療・福祉サービスに必要な体制を組織化して、入院外の継続治療、予防、発症の早期発見、入院治療を総合的に実施しています。

カナダ

 カナダは他国と同様、長期間、精神障害者を大規模病院に収容する政策を続けてきましたが、1950年代の抗精神病薬の開発を受けて、在院期間の短縮、大規模病院の縮小・閉鎖が行われるようになってきました。

グレーターバンクーバー精神保健サービス(GVMHS)

 1970年代~1980年代には地域ケアが推進され、グレーターバンクーバー地区に、非営利法人組織である「グレーターバンクーバー精神保健サービス(GVMHS)」が設立されました。このサービスは、ソーシャルワーカーか看護師を中心とした、多職種チームによって、重症精神障害者の外来ケアとリハビリテーションを総合的に提供するものです。ケースマネジメントを重視し、重症の患者に対して服薬管理や具体的な生活支援を提供し、患者を地域で支えていくという働きです。

『闇からの脱出』

 その後カナダ連邦政府は、『闇からの脱出:カナダ精神保健サービスの変革』を刊行しました。これは、精神障害者のリカバリーシステムの構築を目指すことを明言したものです。当事者主体の理念を重視しているもので、精神障害者自身をリカバリーシステムの中心に位置づけています。

 これらの、地域における精神保健福祉を推進するために、カナダでは、入院回避のためのショートステイ施設である「ベンチャー」や、女性のための宿泊施設である「ビスタ」が活用されています。

アメリカ

 アメリカでは、1908年に精神障害者で入院治療を受けていた当事者であるビアーズが、自らの入院体験を記した『わが魂にあうまで』を出版し、精神障害者の人権に関する大きな問題提起を行いました。これを契機に「全国精神衛生委員会」が組織され、精神衛生施策が進められていきました。

ケネディ教書

 1963年には、『ケネディ教書』が出され、地域精神保健センターが整備されることになり、脱施設化が進められていきました。しかし、地域精神保健体制の未成熟のために、退院した患者が再び入院してくるという回転ドア現象が起こりました。

クラブハウスモデル

 精神障害者の福祉的分野では、1940年代にニューヨークでのファウンテンハウスの自助活動をもとに、クラブハウスモデルが発展していきました。クラブハウスの特徴は、ハウスの運営を、メンバーとスタッフが対等の立場で共同で行うことです。この活動は世界的に展開され、現在は、クラブハウス・プログラムの国際基準が作成されており、メンバーの資格、理念などが掲げられています。

ACTモデル

 1970年代には、ウィスコンシン州マディソンで、包括的地域生活支援が開始され、包括型地域生活支援プログラム(ACTモデル)として全国的に展開されていきました。ACTモデルは、多職種がチームを組んで、24時間365日体制で、在宅の重度の精神障害者を地域で包括的に支援するモデルです。

IPSモデル

 1990年代初めには、精神障害者の就労のためのIPSモデルが開発されました。IPSモデルは、精神障害者の一般就労を支援するモデルで、個別職業紹介とサポートを行うものです。重度の障害者であっても、本人の希望を重視し、興味や技術、経験に合った職場で働くことで、就労そのものが治療となりリカバリーの重要な要素となるという考え方に立ったモデルです。

イタリア

 イタリアでも長く、精神障害者への隔離処遇を行ってきましたが、精神科医のバザーリアの問題提起によって、大きな変化の流れが生まれました。バザーリアは、病院内処遇の人権無視、強権的な管理体制に疑義を呈し、最初は精神科病院内での改革を目指しました。しかし、病院内での改革の限界を覚え、「自由こそ治療である」という理念を掲げ、病院の縮小、院外サービスの充実、精神疾患の予防等に取り組んでいきました。

 1971年には、トリエステの精神科病院院長に就任したバザーリアは、様々な改革を経て患者の権利の獲得を進め、それまで院内作業として行っていたものを労働として取り組めるよう労働組合を設立し、患者の労働が有償労働として認められるようにしました。

バザーリア法

 これらの実践を通して、1978年、法律180号(バザーリア法)が制定されました。バザーリア法は、精神科病院への新規入院と精神科病院の新設を禁止しました。1980年末以降は再入院も禁止し、地域ケアと外来医療中心に転換しました。精神疾患の予防や精神医療・福祉は、原則として「地域精神保健センター」で行うことになりました。

 この脱施設化運動は、精神疾患の治療は、患者の自由意思の下で行われなければならないこと、「自由こそが治療である」という理念のもと、重い精神疾患の人々を精神病棟に隔離するというあり方をなくし、世界の脱施設化の理念に大きな影響を与えました。

ニュージーランド

 ニュージーランドでは、1960年代までは大規模精神科病院が主流でしたが、1970年代から、脱施設化運動が始まりました。1980年代には、当事者としてのコンシューマー、サバイバーの運動が盛んになり、1990年、オヘイガンが精神科サバイバー・ネットワークを立ち上げました。

ルッキングフォワード

 1994年には、政府が「ルッキングフォワード:地域における包括的精神保健サービス」を発表し、地域を基盤とした包括的な精神保健サービスの提供、サービスの開発、ケアの質の向上などを、精神保健サービスの基準として提示しました。

ムービングフォワード

 1997年には、「ムービング・フォワード:精神保健サービスの具体的開発指針」が政府から出され、より多くより良い精神保健サービスの提供、個人の権利と社会的保護の両立、精神保健サービスの基盤整備等の具体的な指針を示しました。

ブループリント

 1998年には精神保健委員会が設立され、この委員会から「ブループリント」が発表されました。これは精神障害者の権利擁護に焦点を当てたもので、差別偏見の除去、精神保健の地域資源の開発など、すべての施策の基盤に「リカバリー」の概念を置くことを明示しました。

韓国

 韓国でも、精神障害者施策は、精神科病院の長期入院治療と精神療養施設が主流を占めていました。精神障害者の劣悪な処遇に関心が高まったのは、1980年代に入ってからで、国として精神保健施策に取り組んだのは、1995年の「精神保健法」の制定によります。

精神保健法

 この「精神保健法」は、従来の精神医療機関、精神療養施設に加えて、精神障害者の社会復帰施設、精神保健センターを規定し、精神障害者の社会復帰と地域精神保健事業の推進を、具体化しました。2009年には、「精神障害者人権保護と増進のための国家報告書」が出され、精神障害者の人権のための改革が提言されました。

精神健康増進及び精神疾患患者福祉サービス支援に関する法律

 その後、精神障害者の権利擁護活動が活発化していき、保護入院の問題点や福祉サービスの不足等が指摘されて、2016年には「精神保健法」が改称・改正され「精神健康増進及び精神疾患患者福祉サービス支援に関する法律」に移行しました。この法律には、保護入院による人権侵害を防止するための規制が強化され、福祉サービス支援を促進することが盛り込まれました。

以上、各国の精神保健施策を見てきましたが、内容を簡単に表にまとめておきましょう。

イギリス NHS:1990年「国民保健サービス及びコミュニティケア法」
コミュニティケアの公的責任が明記され、地方自治体による在宅サービスにおけるケアマネジメントが導入された
CPA(ケアプログラムアプローチ):1991年に導入。精神障害者への医療サービスと福祉サービスを包括的に提供するケアマネジメントシステム
NSF(精神保健のためのナショナル・サービス・フレームワーク):1999年精神保健施策10か年計画。積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実、危機介入による精神保健改革と自殺防止の一体的な取り組みを提示
フランス 地区化政策(セクトゥール)制:精神医療・福祉サービスに必要な体制が組織化され、入院外の継続治療、予防、発症の早期発見、入院治療を総合的に実施
カナダ 大バンクーバー精神保健:SWか看護師を中心とした多職種チームにより、重症精神障害者の外来ケアとリハビリテーションを総合的に提供
精神障害者のリカバリーシステムの構築を目指した『闇からの脱出:カナダ精神保健サービスの変革』を政府が刊行
地域ケアのためにベンチャー(入院回避のためのショートステイ施設)、ビスタ(女性のための宿泊施設)を使用
アメリカ ケネディ教書:脱施設化、地域精神保健センターの設置
クラブハウス:ニューヨークでのファウンテンハウスの自助活動から発展
ACT:ウィスコンシン州マディソンで包括的地域生活支援を開始
IPS(Individual Placement and Support):一般就労への支援
イタリア 1970年代、精神科医バザーリアによるトリエステでの脱施設化運動が進められ、1978年、精神科病院への新規入院と精神科病院の新設を禁止した法律180号(バザーリア法)が制定された。
ニュージーランド 1990年、オヘイガンにより精神科サバイバーネットワーク創設。
1994年、「ルッキングフォワード」地域における包括的精神保健サービス。
1997年、「ムービング・フォワード」精神保健サービスの具体的開発指針。
1998年、「ブループリント」権利擁護、差別偏見の除去、リカバリーによる精神保健の地域資源の開発
韓国 1995年、「精神保健法」制定。精神障害者の社会復帰、地域精神保健事業の具体化
2016年、「精神保健法」を改称・改正し「精神健康増進及び精神疾患患者福祉サービス支援に関する法律」へ移行。保護入院による人権侵害防止のための規制強化、福祉サービス支援の強化が盛り込まれた

 いかがでしたか。次回は、「精神保健福祉の理論と相談援助の展開(2)」を取り上げていきます。では、第22回の精神保健福祉士の試験の中から今回の課題を上げておきますので、チャレンジしてみてください。

問題36  諸外国の精神保健医療福祉の脱施設化及び地域ケアの歴史に関する次の記述のうち、 正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 イギリスでは、「精神保健に関するナショナル・サービス・フレームワーク」により、積極的アウトリーチや家族ケアラー支援等の充実を図った。
  • 2 ニュージーランドでは、「セクター制度」により、一定の人口規模ごとに、精神科病床、施設を配置し、治療と生活支援を一体的に実施した。
  • 3 アメリカでは、精神保健サービス計画「プループリント」を策定し、リカバリー概念をサービスの基盤とすることを明示した。
  • 4 イタリアでは、「精神疾患及び知的障害に関する大統領教書」により、精神科病院を解体し、地域精神保健センターを整備した。
  • 5 フランスでは、「法律第180 号」により、精神科病院への新たな入院を禁止し、地域ケアと外来医療中心に転換した。