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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第38回  重点ポイント・法改正(1)

 皆さん、こんにちは。受験対策も最後の追い込みに入っていることと思います。体調に気をつけながら最後の仕上げを行って、今までの学習の成果をより確実なものにしていきましょう。
 この講座も皆さんと一緒に、専門科目と共通科目を一巡してきました。今回からは、全科目を通じてこれだけは確実にやっておきたいと思われる法改正・新制度の分野を重点的に取り上げていきます。今回は、働き方改革関連法を中心に取り上げます。では、まず前回の課題の解説をしておきましょう。

第21回 精神保健福祉士試験  「権利擁護と成年後見制度」

問題82 事例を読んで、特定商取引に関する法律に規定するクーリング・オフによる契約の解除(解約)に関して、最も適切なもの1つ選びなさい。

[事例]
 一人暮らしのDさんは、訪れてきた業者Eに高級羽毛布団を買うことを勧められ、代金80万円で購入する契約を締結し、その場で、Dさんは業者Eに対して、手元にあった20万円を渡すとともに、残金60万円を1か月以内に送金することを約束し、業者Eは、商品の布団と契約書面をDさんに引き渡した。

  • 1 Dさんが業者Eに対して解約の意思を口頭で伝えた場合は、解約できない。
  • 2 Dさんは取消期間内に解約書面を発送したが、取消期間経過後にその書面が業者Eに到達した場合は、解約できない。
  • 3 Dさんが商品の布団を使用してしまった場合は、解約できない。
  • 4 Dさんが解約した場合、業者Eは受領済みの20万円を返還しなければならない。
  • 5 Dさんが解約した場合、Dさんの負担によって布団を返送しなければならない。

正答4

解答解説

  • 1 適切でない。解約の意思表示は原則書面ですが、口頭でも可能とされています。これは消費者の保護のためです。明確な意思表示を証明するためには、特定記録郵便、書留、内容証明郵便等で行うことが考えられ、これらが意思表示の証拠書類となります。
  • 2 適切でない。クーリングオフは発信主義をとっています。発信主義とは、契約を解除するという意思を消費者側が文書で発信した日がクーリングオフ期間であれば、事業者側に到達するのがクーリングオフ期間を過ぎていても、契約解除が有効であるということです。クーリングオフ期間は、訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入は8日間、連鎖販売取引、業務提供誘因販売取引は20日となっています。通信販売にはクーリングオフに関する規定はありません。
  • 3 適切でない。特定商取引法における商品をすでに使用してしまっている場合でも、解約が可能であり、消費してしまった分の対価を支払う必要はありません。ただし、健康食品や化粧品等を使用してしまったときや、現金取引で代金が3000円未満の場合は、クーリングオフの対象になりません。
  • 4 適切。クーリングオフをした場合、消費者は損害賠償や違約金を支払う必要はありません。クーリングオフを受けた業者は、消費者から受領済みの代金があった場合は、それを消費者に返還しなければなりません。消費者がすでに頭金等の費用を支払ってしまっている場合は、事業者側に返済義務が生じます。
  • 5 適切でない。消費者がすでに商品を受け取っている場合、その商品の返送料は販売業者の負担になります。また、土地や建物等の現状が変更されている場合は、現状回復の費用を支出する義務は事業者側にあります。

 いかがでしたか。「権利擁護と成年後見制」ではこのほか、憲法における基本的人権、民法における契約、親権、認知、相続、及び行政不服審査、行政事件訴訟法等をよく学習しておきましょう。では、今回は働き方改革関連の法制度について取り上げていきます。