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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第36回  保健医療サービス

 皆さん、こんにちは。受験会場も決まり着々と準備を進めておられることと思います。模擬試験等の結果で不安を抱えている方もいるかもしれません。これからの取り組みで十分合格を勝ち取ることができますから、焦らずに、着実に学習を進めていきましょう。

 今回は「保健医療サービス」を取り上げます。この科目は、医療保険制度の概要、国民医療費の実態、診療報酬制度、医療施設の分類と機能、医療ソーシャルワーカーや医療関係専門職の役割と連携などが出題範囲になっています。今回は、診療報酬制度について取り上げていきます。では、まず前回の課題の解説をしていきましょう。

第21回 精神保健福祉士国家試験 「低所得者に対する支援と生活保護制度」

問題66 事例を読んで、生活保護における扶養義務者との関わりについて、最も適切なもの1つ選びなさい。

[事例]
 Kさん(67歳)は、福祉事務所で生活保護の申請をした。Kさんには長年音信不通の息子(40歳)がいる。福祉事務所は息子の居住地を把握し、Kさんに対する扶養の可能性を検討している。

  • 1 息子が住民税非課税であっても、息子はKさんに仕送りをしなければならない。
  • 2 Kさんは、息子と同居することを条件に生活保護を受給することができる。
  • 3 福祉事務所は、息子の雇主に対して給与について報告を求めることができない。
  • 4 感情的な対立があることを理由に息子が扶養を拒否した場合、Kさんは生活保護を受給することができない。
  • 5 福祉事務所は、息子が仕送りを行った場合、その相当額を収入として認定する。

正答5

解答解説

  • 1 適切でない。絶対的扶養義務者であっても、住民税非課税世帯等、扶養義務の履行が期待できない場合は、扶養能力がない者として扱われます。住民税非課税世帯ではない場合でも、資産や収入の状況、事業者の場合は事業の状況等を総合的に勘案して扶養能力の有無を個別に判断します。
  • 2 適切でない。生活保護の支給決定において、扶養義務者との同居は条件ではありません。
  • 3 適切でない。保護の実施機関は、保護の決定、実施等に際して、扶養義務者の実態を調べる必要があるときは、扶養義務者の収入や資産について、官公署に対して資料の閲覧や提供を求めることができます。また扶養義務者の雇用主に対して、給与の報告を求めることができます。
  • 4 適切でない。現代は、児童虐待や配偶者間の暴力等が社会的に問題となっており、虐待や暴力を受けた立場の側が扶養義務者に該当する場合等は、感情的に扶養を拒否する場合もあります。このような場合、要保護者が保護を受けられないということではありません。保護の申請者と扶養義務者の、それぞれ個別の状況に応じて判断することになっています。
  • 5 適切。被保護者が就労に伴う収入や農業収入、農業以外の事業収入があった場合は、収入認定の対象になります。また、恩給や年金なども収入認定の対象になります。仕送りや贈与等による主食、野菜、魚介等もその量について金銭に換算した額を認定することになっています。ただし、フードバンク等による食品の提供や子ども食堂などによる食事の提供については、収入認定の対象から外してよいとされています。

第21回 精神保健福祉士国家試験 「低所得者に対する支援と生活保護制度」

問題65 生活保護の扶助の種類とその内容に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 介護扶助には、介護保険の保険料は含まれない。
  • 2 生業扶助には、就職のための就職支度費は含まれない。
  • 3 葬祭扶助には、遺体の検案のための費用は含まれない。
  • 4 生活扶助には、小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。
  • 5 教育扶助には、小中学校への入学準備金が含まれる。

正答1

解答解説

  • 1 正しい。介護保険の介護保険料は、介護保険第1号被保険者で普通徴収対象者の介護保険料として加算されるものです。この加算は介護扶助ではないことに気をつけておきましょう。介護扶助は、介護保険サービスと同一のサービスが現物給付として支給されるもので、40歳から65歳未満の被保護者に対する介護サービス、65歳以上の介護保険第1号被保険者の自己負担分の介護サービスが該当します。
  • 2 誤り。生業扶助には就職支度費が含まれます。就職支度費とは、就職のために直接必要とするスーツや靴等の購入のための費用です。このほか、生業費、技能修得費があります。生業費は、生計の維持を目的として小規模の事業を営むための必要な資金として支給されるものです。技能修得費は、生計の維持のために役立つ生業に就くために必要な技能を習得するために要する費用として支給されるもので、高等学校等就学費は、この生業費の中の技能修得費に位置づけられます。
  • 3 誤り。葬祭扶助は、遺体検案、死体の運搬、火葬第又は埋葬代等、葬祭のために必要な費用です。級地別と大人、小人別に金額が設定されており、葬祭を執り行う者に支給されます。
  • 4 誤り。小学生の子どもの校外活動参加のための活動費は、教育扶助の対象になります。教育扶助には、義務教育を受けるために必要な教科書代、学用品費、通学用品費、通学のための交通費、学校給食費、校外活動費、課外活動費、クラブ活動費等、義務教育に伴って必要なものが該当します。
  • 5 誤り。小中学校への入学準備金は、生活扶助の一時扶助になります。一時扶助は、一時的に必要な経費に対するもので、新たに保護を開始する場合に必要な家具什器類等の費用、新生児の産着代や義務教育入学時のランドセル代、入院・退院時の一時的に必要な費用等のために支給されます。

 いかがでしたか。では、今回は「保健医療サービス」の診療報酬制度を取り上げます。