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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第34回 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」

 皆さん、こんにちは。今回は「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を取り上げます。精神保健福祉士は精神障害者に関する制度だけではなく、障害者全般に関する幅広い知識が求められますので障害者施策を十分に学習しておきましょう。
 皆では、まず前回の課題の解説をしておきます。

第21回 精神保健福祉士国家試験 「社会保障」

問題53 医療保障制度の歴史的展開に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 健康保険法(1922年(大正11年))により、農業従事者や自営業者が適用対象となった。
  • 2 老人福祉法(1963年(昭和38年))により、国民皆保険が実現した。
  • 3 老人保健法(1982年(昭和57年))により、高額療養費制度が創設された。
  • 4 介護保険法(1997年(平成9年))により、老人保健施設が創設された。
  • 5 健康保険法等の改正(2006年(平成18年))による「高齢者医療確保法」により、75歳以上の高齢者が別建ての制度に加入する後期高齢者医療制度が創設された。
  • (注)「高齢者医療確保法」とは、「高齢者の医療の確保に関する法律」のことである。

正答5

解答解説

  • 1 誤り。1922(大正11)年の健康保険法は、工場や鉱山労働者等の、低賃金労働者を対象とする被用者を対象としたものでした。その後、世界大恐慌による不況によって都市の工場労働の失業者が大量に帰農し、生糸や繭の価格の暴落や飢饉等により困窮を極めた農民や漁民の医療費負担の増大を解決するため、1938(昭和13)年、農民や自営業者を対象に、任意加入の国民健康保険法が制定されました。
  • 2 誤り。国民皆保険が実現したのは、1958(昭和33)年に新国民健康保険法が公布されたことによります。すべての市町村は、1961(昭和36)年までに国民健康保険事業を開始しなければならならないことになりました。厚生省や都道府県等によって、制度の未実施市町村への積極的な指導が行われ、国民健康保険制度は全国に広がり、1961年(昭和36年)4月1日には国民皆保険が実施されました。
  • 3 誤り。高額療養費制度が実現したのは1973年(昭和48)年で、背景には、医療技術の高度化が進み医療費の自己負担額が増大してきたこと、医療ニーズの多様化が進んできたことなどがあります。1982(昭和57)年の老人保健法は、国民の老後の健康の保持と適切な医療の確保、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、国民保健の向上および老人福祉の増進を図ることを目的として、老人医療費の一部有料化、老人保健施設の創設等を規定しました。
  • 4 誤り。老人保健施設が創設されたのは、上記の老人保健法制定によります。1997(平成9)年制定の介護保険法は、介護サービスについて措置から契約への移行を規定し、2000(平成12)年に施行されました。
  • 5 正しい。2008(平成20)年には老人保健法が廃止され、高齢者の医療の確保に関する法律が制定されました。この法律によって、75歳以上の高齢者等を対象にした「後期高齢者医療制度」が創設されました。老人保健法では、他の医療保険制度に加入しながら老人医療が適用されていましたが、後期高齢者医療制度は、独立した医療保険制度として創設されたもので、75歳以上になった高齢者はすべて、それまで加入していた医療保険から後期高齢者医療制度に移行することになりました。家族の被扶養者であってもこの後期高齢者医療制度に加入しなければならず、個人としてこの医療保険の保険料を負担することとなりました。

 いかがでしたか。「社会保障」は、範囲が広いため基本的な知識を習得するための学習量が求められますが、必須内容を整理して確実な知識を身につけておいてください。では、今回の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」に入っていきましょう。