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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第31回 「地域福祉の理論と方法」

 皆さん、こんにちは。試験まであと約3か月になりました。模擬試験等の結果が出てくる頃でしょうか。あまり得点が伸びなかった科目や予想外に難しかった問題等に落ち込んでしまうかもしれませんが、模擬試験は自分の実力を知るのと同時に、自分の弱点を把握してそれを克服するのが目的です。

 できなかった問題は、なぜ解けなかったのか、理解が浅かったのか、知識量が少なかったのか、知識の確実性に欠けていたのか等、今からでも十分間に合いますからよく分析して対策を立てていきましょう。

 この科目は、社会福祉法に規定されている地域福祉計画、社会福祉協議会、共同募金や民生委員法による民生委員などをはじめ、地域福祉のニーズ把握と資源調整、地域福祉人材などについて学習しておきましょう。今回は、現在の社地域福祉の政策について取り上げていきます。では、最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第21回 精神保健福祉士国家試験  「現代社会と福祉」

問題30 社会福祉法に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 第一種社会福祉事業の経営は、国・地方公共団体に限定されている。
  • 2 2000年(平成12年)の社会福祉基礎構造改革の際に、社会福祉事業法の題名が改められたものである。
  • 3 「社会福祉事業」を行わない事業者であっても社会福祉に関連する活動を行う者であれば、社会福祉法人の名称を用いることができる。
  • 4 市町村に対して、福祉人材センターの設置を義務づけている。
  • 5 国、地方公共団体と社会福祉事業を経営する者との関係を規定した「事業経営の準則」は、社会福祉法では削除された。

正答2

解答解説

  • 1 誤り。第一種社会福祉事業の経営は、国と地方公共団体だけではなく、社会福祉法人も行うことができます。第一種社会福祉事業は、生存に深くかかわる入所施設と金銭を取り扱う共同募金事業です。第二種社会福祉事業には、経営主体の制限はありません。
  • 2 正しい。現在の社会福祉法は、1951年(昭和26年)に制定された「社会福祉事業法」が2000年(平成12年)に改称・改正されたものです。1951年(昭和26年)の社会福祉事業法は、わが国の戦後の社会福祉の基礎的な構造を規定しました。2000年(平成12年)にこれが改称・改正されて「社会福祉法」となり、社会福祉基礎構造改革の「措置から契約へ、中央から地方へ、民間導入」の理念のもと、福祉ニーズの多様化に対応するため、新たな社会福祉の枠組みを構築しました。
  • 3 誤り。社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的とする法人として設立されるもので、社会福祉事業を行うことを主たる目的としていなければなりません。社会福祉法人は、社会福祉事業以外に公益事業や収益事業を行うことができますが、それらの収益は本来の社会福祉事業又は公益事業に充てなければならないことになっています。社会福祉に関する活動を行う者とは、ボランティアや民生委員のことで、これらの者は社会福祉法人の名称を使用することはできません。
  • 4 誤り。福祉人材センターには、都道府県福祉人材センターと中央福祉人材センターがあります。都道府県福祉人材センター、中央福祉人材センターとも、都道府県、国がそれぞれ指定することができるとされています。
  • 5 誤り。事業経営の準則は、社会福祉法に継承されました。事業経営の準則とは、国や地方公共団体と、社会福祉事業を経営する者との関係を規定したものです。国の責任と民間の独立性を保障するもので、行政は行政が行うべきことを社会福祉事業経営者に転嫁したり財政的援助を求めてはならないこと、行政は経営者の自主性を重んじ不当な関与を行わないこと、社会福祉事業の経営者は不当に国・地方公共団体の財政的、管理的援助を仰がないこととされており、ただし、これらは国・地方公共団体が施設入所措置を社会福祉事業経営者に委託することを妨げるものではないとされています。

 いかがでしたか。「現代社会と福祉」では、福祉の原理論、福祉の歴史的発展の経緯、福祉政策、福祉国家論等についても理解を深めておきましょう。では、地域福祉論に入っていきましょう。今回は現在の地域福祉の政策について取り上げていきます。