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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第28回 「心理学理論と心理的支援」

 皆さん、こんにちは。受験の手続きも終わり、いよいよ本格的な体制で受験に取り組む方も多いことでしょう。学習時間の確保に悩んでいる方もいるでしょうが、効率よく必要な内容を洩らさずに学習することができるよう、もう一度学習計画を見直して、確保できる学習時間とやるべきことを整理して、合格のための最も効果的な学習を進めていきましょう。

 今回は「心理学理論と心理的支援」を取り上げます。この科目は範囲が広く、慣れない用語が多いので、苦手とする受験生が多いようですが、自分の心理も含め身近な事柄として理解すると興味深く学習することができます。今回は、心理検査について取り上げていきます。では、はじめに前回の課題の解説をしておきましょう。

第21回 精神保健福祉士国家試験 「人体の構造と機能及び疾病」

問題3 国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 1 生活機能とは、心身機能、身体構造及び活動の三つから構成される。
  • 2 活動は、能力と実行状況で評価される。
  • 3 活動とは、生活や人生場面への関わりのことである。
  • 4 個人因子には、促進因子と阻害因子がある。
  • 5 参加成約とは、個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。


正答 2

解答解説

  • 1 誤り。「生活機能」は、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」から構成されています。「心身機能・身体構造」の「心身機能」とは、手足の働き、精神の働き、視覚・聴覚、内臓の働きなどの「身体系の生理的機能」のことを意味し、心理的機能も含みます。「身体構造」とは、手足の一部、心臓の一部(弁など)など、体の器官や肢体とその構成部分等の「身体の解剖学的部分」のことです。
  • 2 正しい。現在の環境のもとで行っている「活動」のことを「実行状況」といい、ある課題や行為を遂行するために最高の状態で発揮されている生活機能のことを「能力」といいます。活動はこの「実行状況」「能力」で評価されます。
  • 3 誤り。「活動」とは、「課題や行為の個人による遂行のこと」で、調理・掃除などの家事行為や日常生活行為の「行動」を指します。「生活や人生場面へのかかわり」は、「参加」で、社会や家庭で役割を果たすことです。
  • 4 誤り。「個人因子」には、「促進因子」と「阻害因子」はありません。「促進因子」と「阻害因子」があるのは「環境因子」です。「促進因子」は、生活機能の発揮を促進するもので、「阻害因子」は生活機能の発揮を阻害するものです。例えば、下肢麻痺の人にとって、住居や交通機関がバリアフリーになっていることは生活機能の発揮を促進するものですから「促進因子」になります。逆に、住居や交通機関にバリアがあることは、生活機能の発揮を阻害しますから「阻害因子」になります。「環境因子」における「促進因子」と「阻害因子」は、物理的なものだけでなく、精神的、文化的なこころのバリアも含みます。
  • 5 誤り。「参加制約」とは「参加の否定的側面」をいい、「個人が何らかの生活・人生場面にかかわるときに生じる困難さ」のことです。「個人が活動を行う時に生じる困難さ」のこと」は、「活動制限」といいます。調理・掃除等の家事行為や、食事・排泄などの日常生活行為における困難さのことです。


第21回 精神保健福祉士国家試験 「人体の構造と機能及び疾病」

問題4 健康に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 1 一次予防とは、疾病の悪化を予防することである。
  • 2 日本の特定健康検査は、メタボリックシンドロームに着目した健康診査である。
  • 3 「健康日本21(第二次)」の基本方向は、平均寿命の延伸である。
  • 4 現在、日本の死因の第1位は心疾患である。
  • 5 WHOが提唱したヘルスプロモーションは、ヘルシンキ宣言において定義された。


正答2

解答解説

  • 1 誤り。一次予防とは、健康の増進と疾病を予防することです。疾病の悪化を予防することは、三次予防に該当します。二次予防は、疾病の早期発見と早期治療のことです。
  • 2 正しい。特定健康診査は、「高齢者の医療の確保に関する法律」に規定されており、医療保険者に実施が義務付けられています。内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目した健康診査で、40歳以上74歳以下の被保険者・被扶養者に対して特定健診を実施し、「腹囲が基準以上(男性85㎝、女性90㎝)で血糖・血圧・脂質の検査値が基準に当てはまる者」には、特定保健指導を実施することによって、生活習慣病の予防と医療費の適正化を目指しています。
  • 3 誤り。「健康日本21(第二次)」の基本的方向は、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」です。「健康寿命」とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、「健康格差」とは「地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差」のことです。このほか、「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底、 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上、健康を支え守るための社会環境の整備、 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善」が挙げられています。
  • 4 誤り。平成30年の厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況)によると、死因順位の第1位は「悪性新生物(腫瘍)」で全死亡者に占める割合は27.4%です。第2位は「心疾患(高血圧性を除く)」で15.3%、第3位は「老衰(同8.0%)」となっており、死亡者のおよそ3.6 人に1人は「悪性新生物(腫瘍)」で死亡していることがわかります。「脳血管疾患」は、減少傾向が続いており、平成30 年の全死亡者に占める割合は第4位で7.9%となっています。
  • 5 誤り。WHOが提唱したヘルスプロモーションは、カナダのオタワ市において開催された第一回健康促進国際会議の「ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章」で採択されたものです。ヘルスプロモーションを「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセスである」と定義しています。この会議の議論は、「工業化された国での要求に焦点を当て」ており、「健康は、身体的な能力とともに社会的個人的な資源を強調する積極的な考え方」であるとしています。


 いかがでしたか。「人体の機能と構造及び疾病」では、身体・精神の成長と発達、老化による身体の変化、身体の構造と機能、疾病と症状、精神疾患、認知症などもよく学習しておきましょう。