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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第12回 社会理論と社会システム

 皆さん、こんにちは。今回は「社会理論と社会システム」を取り上げます。この科目は出題範囲が広く、理論的な理解が求められるので、苦手意識を持っている受験生が多いかもしれません。社会変動に伴う社会の仕組みの変化やそれぞれの時代に生きる人々の意識の変化、ライフスタイルの変化、現代社会の諸課題など、現代に生きる私たちにとって、とても身近な科目です。

 現代社会のさまざまな問題の影響を受けて困難を抱えている人々を援助するのが精神保健福祉士です。社会に対する深い洞察力と分析力を養い、よりよい援助者となるために、学ぶ楽しさも感じながら理解を深めていただきたいと思います。
 では最初に、前回の課題を解説していきましょう。

第21回 精神保健福祉士国家試験 「心理学理論と心理的支援」

問題9 感覚・知覚に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 体制化における閉合の要因は、錯視の一つである。
  • 2 形として知覚される部分を地、背景となる部分を図という。
  • 3 仮現運動は、知覚的補完の一つである。
  • 4 大きさの恒常性とは、網膜に映し出されたとおりに大きさを知覚することである。
  • 5 圧刺激によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。


正答 3

解答解説

  • 1 誤り。体制化における閉合の要因は、「群化」の一つです。「群化」とは、図が互いにまとまりを作る作用のことです。「閉合の要因」とは、周りを「かぎかっこ」等で囲まれて閉じた領域をつくっているものがまとまって見えることをいいます。「群化」にはこのほか、距離の近いものが1つの形にまとまって見える「近接の要因」、形や色などが似ているもの同士はまとまって見える「類同の要因」、連続した形やパターンをつくっているものはまとまって見える「良い連続の要因」、単純で規則的・対照的な形はまとまって見える「良い形の要因」、一緒に動いたり変化したりするものはまとまって見える「共通運命の要因」、過去の経験によって関連付けられているもの同士はまとまって見える「経験の要因」等があります。
  • 2 誤り。形として知覚される部分を「図」といい、背景となる部分を「地」といいます。ルビンは「図と地の反転図」で、壺と人物像をそれぞれ図として、あるいは「地」として、反転して捉えることができる図を示して、知覚の体制化を提示しました。
  • 3  正しい。仮現運動とは、静止画像を連続して提示すると動いて見えることで、電光掲示板の文字が動いているように見える現象などもこれに該当します。静止画像の一つひとつは動いていないのに、連続提示によっていかにも動いているように知覚が補完して捉えているので、仮現運動は、「知覚的補完」に位置付けられます。
  • 4 誤り。「大きさの恒常性」とは、対象が同じでも、見る場所や位置によって網膜に映る大きさが変化するにもかかわらず、知覚される大きさが同一性を保つことをいいます。知覚の恒常性には、実際に網膜に映る形が変化しても、知覚される形が同一性を保つ「形の恒常性」、実際に網膜に映る色彩が変化しても、知覚される色彩が同一性を保つ「色彩の恒常性」があります。
  • 5 誤り。眼球を押すと光を感じる等の刺激は「不適刺激」といいます。「適刺激」とは、感覚受容器が自然状態で受容することのできる刺激のことをいいます。例えば、目には光が、耳には音が、適刺激になります。

 いかがでしたか。「心理学理論と心理的支援」は、記憶、学習理論、発達理論、ストレス、心理検査、心理療法などの頻出分野についても、十分に学習しておきましょう。

 では、今回の「社会理論と社会システム」に入っていきましょう。出題基準に沿って、過去問の出題傾向を分析しながら、分野ごとに対策を立てていきます。