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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第38回  重点ポイント・法改正(1)

 皆さんこんにちは。受験対策も最後の追い込みに入っていることと思います。体調に気をつけながら最後の仕上げを行って、今までの学習の成果をより確実なものにしていきましょう。
 この講座も皆さんと一緒に、専門科目と共通科目を一巡してきました。今回からは、全科目を通じて、これだけは是非やっておきたいと思われる分野を重点的に取り上げていきたいと思っています。今回は、社会福祉法の改正を中心に取り上げていきます。ではまず、前回の課題の解説をしておきましょう。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「権利擁護と成年後見制度」

問題79 任意後見契約に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい

  • 1 任意後見契約は、任意後見契約の締結によって直ちに効力が生じる。
  • 2 任意後見契約の締結は、法務局において行う必要がある。
  • 3 任意後見契約の解除は、任意後見監督人の選任後も、公証人の認証を受けた書面によってできる。
  • 4 任意後見人と本人との利益が相反する場合は、特別代理人を選任する必要がある。
  • 5 任意後見人の配偶者であることは、任意後見監督人の欠格事由に該当する。

正答 5

解答解説

  • 1 適切でない。任意後見契約は、任意後見契約の締結だけでは、直ちに効力は生じません。任意後見契約の法的効力が生じるのは、家庭裁判所によって任意後見監督人の選任の審判が下された時点です。本人の判断能力が不十分になったとき、本人あるいは、配偶者、4親等内親族、任意後見受任者のいずれかが、家庭裁判所に対して任意後見監督人の選任請求を行い、それを受けた家庭裁判所がその必要の有無を判断し、必要と判断した時に、任意後見監督人を選任します。この選任によって、任意後見契約の締結の効力が発生し、任意後見受任者という立場から、代理権を有する任意後見人という立場になります。
  • 2 適切でない。任意後見契約の締結は、法務局の管轄の公証人役場において、公証人の立会いのもと作成する、公正証書によって行います。作成された公正証書は、公証人の嘱託により、法務局管轄下の登記所に登記することになります。
  • 3 適切でない。任意後見契約の解除は、任意後見監督人が選任される前には、本人または任意後見受任者が、いつでも公証人の認証を受けた書面によって解除することができますが、任意後見監督人が選任された後は、正当な事由がある場合に限り、本人または任意後見人が、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除することになります。
  • 4 適切でない。任意後見人と本人との利益が相反する場合は、任意後見監督人が本人を代表することになるので、特別代理人を選任する必要はありません。家庭裁判所から選任された任意後見監督人の業務は、任意後見人の事務を監督すること、任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること、急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において必要な処分をすること、任意後見人またはその代表する者と本人との利益が相反する行為について、本人を代表することとされています。
  • 5 適切。任意後見監督人になることができない者は、任意後見人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹、未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人、破産者、本人に対し訴訟をし、または訴訟をした者・その配偶者・直系血族、行方の知れない者です。任意後見人と利害関係のある者は、任意後見人の監督業務を行うことが不適切であるという考え方によるものです。

 いかがでしたか。「権利擁護と成年後見制度」では、このほか、憲法における基本的人権、民法における契約、親権、認知、相続、及び行政不服審査、行政事件訴訟法等をよく学習しておきましょう。
 では今回は、社会福祉法について、地域包括支援体制のための改正と、社会福祉法人制度改革のための改正の2点について取り上げていきたいと思います。