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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第34回  障害者に対する支援と障害者自立支援制度

 皆さん、こんにちは。今回は、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を取り上げます。精神保健福祉士は、精神障害者に関する制度だけではなく、障害者全般に関する幅広い知識が求められますので、障害者施策を十分に学習しておきましょう。
 まず前回の課題の解説をしておきます。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「社会保障」

問題54 事例を読んで、出産・育児支援に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

〔事 例〕
Cさん(28 歳、女性)は、U社に正社員として5 年間勤務し、V社に正社員として5 年間勤務するDさん(28 歳、男性)と婚姻関係にあり同居している。Cさんは、4週間後に出産予定日を控え、「育児・介護休業法」に基づく育児休業を取得する予定である。CさんとDさんは、共に健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者である。

  • 1 Cさんが出産したときは、出産育児一時金が支給される。
  • 2 Cさんが育児休業を取得した場合、休業開始時賃金日額の40 %の育児休業給付金が支給される。
  • 3 育児休業中、Cさんの厚生年金保険の保険料は、事業主負担分のみ免除される。
  • 4 CさんとDさんが共に育児休業を取得する場合、育児休業給付金は、最長で合計3年間支給される。
  • 5 CさんとDさんの所得を合算した額が一定額に満たない場合、CさんとDさんのどちらかに、出産後、児童扶養手当が支給される。
  • (注)「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。

正答 1

解答解説

  • 1 正しい。Cさん自身が健康保険の被保険者であり、本人が出産しているので、出産育児一時金が支給されます。被保険者の被扶養者や家族が出産した時は、家族出産育児一時金が支給されます。本人・家族とも、1児につき42万円が支給されます。ただし、産科医療保障制度に加入していない医療機関で出産した場合は 、40万4000円になり、多胎児を出産したときは、胎児数分が支給されます。
  • 2 誤り。被保険者が育児休業を取得した場合は、育児休業取得日から6か月間は、休業開始前賃金の67%が支給されます。6か月経過後は、50%の支給になります。このほか、健康保険法に基づく出産に関する手当としては、被保険者が産前産後休暇を取得した場合に出産手当金が支給されます。産前休業期間である、出産日以前42日から、産後休業期間である出産日後56日までの間、欠勤1日について、健康保険から賃金の3分の2相当額が支給されます。産前・産後休業期間中の、厚生年金保険料と健康保険料は、被保険者分と事業主分が、全額免除となります。。
  • 3 誤り。被保険者が育児休業を取得した場合、育児休業期間中の厚生年金保険料、健康保険料は、被保険者負担分と事業主負担分が全額免除されます。
  • 4 誤り。母親であるCさんと、父親であるDさんが、両方とも育児休業を取得した場合は、子が1歳2か月になるまでの期間の1年間、育児休業を取得することができます。これは通称、パパママ育休プラスと呼ばれています。また、保育所等への入所を希望していて、入所できない場合などは、1歳6か月から2歳に達する日の前日までの期間、育児休業期間の延長が可能です。育児休業期間中は、育児休業給付金が支給されますから、一定の条件を満たした場合は、最長で2年間の支給になります。
  • 5 誤り。児童扶養手当は、18歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある者を監護している父または母、もしくはその児童を養育している者に、所得制限を条件に支給されるものです。障害児の場合は、20歳未満が対象です。母子家庭、父子家庭、DV防止法における保護命令を受けた児童を監護する者も対象となっています。なお、公的年金を受給していて、公的年金が児童扶養手当の額より少ない場合は、差額分の児童扶養手当が支給されます。

 いかがでしたか。「社会保障」は、範囲が広いため基本的な知識を習得するための学習量が求められますが、必須内容を整理して、確実な知識を身につけておいてください。では今回の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」に入っていきましょう。

 この科目は、障害者施策の歴史的経緯を法改正や制度改正等の内容とともに理解しておきましょう。障害者総合支援法における障害者自立支援制度については、毎年3問から4問の出題があります。利用決定のプロセス、障害福祉サービスの種類やその内容、障害者支援施設や自立支援医療、地域生活支援事業、審査請求制度等をよく整理しておきましょう。

 また、障害者総合支援法における国や市町村、都道府県のそれぞれの役割、指定サービス事業者の役割、国民健康保険団体連合会の役割なども確認しておきましょう。専門職の役割として、相談支援専門員やサービス管理責任者、サービス提供責任者等についても出題されていますのでよく理解しておくとよいでしょう。

 今回は、障害者総合支援法における障害者総合支援法に基づく、訓練等給付について取り上げていきたいと思います。