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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第28回 心理学理論と心理的支援

 皆さんこんにちは。受験の手続きも終わり、いよいよ本格的な体制で受験に取り組む方も多いことでしょう。学習時間の確保に悩んでいる方もいるでしょうが、効率よく必要な内容を漏らさずに学習することができるよう、もう一度学習計画を見直して、確保できる学習時間と、やるべきことを整理して、合格のための最も効果的な学習を進めていきましょう。

 今回は「心理学理論と心理的支援」を取り上げます。この科目は、範囲が広く慣れない用語が多いので、苦手とする受験生が多いようですが、自分の心理も含め身近な事柄として理解すると、大変興味深く学習することができます。今回は、心理療法について取り上げていきたいと思います。

 では最初に、前回の課題の解説をしておきましょう。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「人体の構造と機能及び疾病」

問題5 肢体不自由となる疾患に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 1 デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、呼吸困難が初発症状である。
  • 2 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動失調を主体とする変性疾患である。
  • 3 脊髄損傷では、排尿障害が起こりやすい。
  • 4 分娩時の高酸素血症は、脳性麻痺の原因となる。
  • 5 遺伝性の脊髄小脳変性症では、歩行障害は起こらない。

正答3

解答解説

  • 1 誤り。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋ジストロフィーの中で最も多くみられる重症な型で、劣性遺伝のため男子に多く発症します。幼児期に発症し、筋繊維の変性・壊死を特徴とします。初発症状は歩行開始の遅れ、歩行困難、転倒等がみられます。筋萎縮や筋力低下が進み、運動機能等、各機能障害をもたらし、重篤期は呼吸困難に陥ります。
  • 2 誤り。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)の病変による疾患です。運動ニューロンは、随意筋を支配する神経で、これが侵されると筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなり、筋萎縮、運動麻痺、筋力低下が起こり、進行すると、歩行困難になり、構音障害、嚥下障害等の球麻痺症状が起こり、重篤になると呼吸困難になります。陰性症状として、感覚障害、膀胱・直腸障害、眼球運動障害、褥瘡をあげることができます。
  • 3 正しい。脊髄損傷は、交通事故や高所からの落下などにより脊柱に強い力が加えられて脊椎が壊れ、脊髄に損傷を受けるために起こる疾患です。中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復、再生されることはありません。麻痺は、脊髄の損傷された部位より下に起こり、歩行障害、排尿障害、自律神経の調節機能障害等が生まれます。頸椎部脊髄損傷の場合の呼吸器合併症、起立性低血圧などの循環器合併症、褥瘡等の合併症もみられることがあります。
  • 4 誤り。脳性麻痺の原因となるのは、分娩時の低酸素血症です。脳性麻痺は、胎児から出生後に、何らかの原因で受けた脳の損傷によって引き起こされる、運動機能の障害です。原因は、遺伝子異常、未熟児による脳血管の損傷、分娩中の酸素欠乏や外傷、出生後の感染症などがあります。高酸素血症で引き起こされる疾患は、未熟児で起こる高酸素血症による視覚障害です。安定した母体から急激に環境が変化することによって、網膜の血管が無秩序に発達し、血管が異常な方向に増殖することによって網膜剥離が起こり視覚障害をもたらします。また未熟児に保育器内で高濃度の酸素を投与することによって、高酸素血症が引き起こされ、未熟児網膜症の原因となります。
  • 5 誤り。脊髄小脳変性症は、細かい運動を司る小脳の変性によって起こる疾患です。歩行時のふらつきや、手の震えなどの運動失調を主症状とします。身体のバランスを調整できない平衡機能障害を発症することもあります。これらは小脳の変性によって起こるもので、孤発性のものと遺伝性のものがあります。

 いかがでしたか。「人体の機能と構造及び疾病」では、身体・精神の成長と発達、老化による身体の変化、身体の構造と機能、疾病と症状、精神疾患、認知症、健康づくりと生活習慣病対策などもよく学習しておきましょう

 では、「心理学理論と心理的支援」に入っていきましょう。この科目は、欲求・動機づけと行動、感覚・知覚・認知、学習・記憶・思考、人格・性格、集団、適応、発達、ストレス、心理検査、心理療法等の分野があります。今回は、心理療法について取り上げていきたいと思います。