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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第27回 人体の構造と機能及び疾病

 皆さんこんにちは。今回から共通科目を取り上げていきたいと思います。「人体の構造と機能及び疾病」では、人体の各構造とそれぞれの機能を理解し、それらの機能が障害されたとき、どのような疾病を引き起こすかを押さえておきましょう。また、疾病と障害の概要、老化と生活習慣病などもよく学習しておきましょう。今回は、障害の概要について取り上げていきます

 では最初に、前回の課題の解説をしておきましょう。

第20回 精神保健福祉士国家試験問題 「精神障害者の生活支援システム」

問題76 Gさんは、R市にあるグループ活動を紹介され、利用するようになった。この活動は、全ての活動内容や運営をメンバーとスタッフの協働で決定・実行するなど、メンバーとスタッフが対等な関係にあり、国際基準の認証を受けて運営されている。イラストが得意なGさんは、この活動を紹介する会報作りに参加するようになった。Gさんの温かみのあるイラストは、メンバーとスタッフだけでなく、会報を読んだ地域住民からも好評である。Gさんは、この活動を通して自信がつき、自らに社会的役割があることを実感している。
次のうち、このグループ活動として、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 IPS(Individual Placement and Support)モデル
  • 2 ピープルファースト運動
  • 3 自立生活センター
  • 4 ソーシャルファーム
  • 5 クラブハウスモデル

正答5

解答解説

  • 1 誤り。IPS(Individual Placement and Support)モデルとは、個別就労支援プログラムのことで、障害者の働く能力の有無よりも、本人の働きたいという意思や希望を重視した、ストレングスの視点に立った、就労支援モデルです。このモデルでは、症状が重いことを理由として就労支援の対象外とすることはしません。就労支援の専門家と医療保健の専門家でチームを作り、本人の興味や好み、希望に基づいて、保護的就労ではなく、一般就労をゴールとした迅速な対応を行います。
  • 2 誤り。ピープルファースト運動は、1970年代にアメリカのオレゴン州で、知的障害というレッテルが貼られることに対して当事者からの、「障害者である前に人間として見てほしい」という発言から生まれた運動です。その後カナダで、初めてピープルファーストのグループができ、全米、ヨーロッパ等の各地に広がっていきました。自分たちのことは自分たちで決めるという自己決定の理念とともに、自分の権利や意見を主張するという当事者の運動として発展していきました。
  • 3 誤り。自立生活センター(CIL:Center for Independent Living)とは、自立生活運動から生まれたもので、当事者である障害者自身が、自立生活支援サービスを供給する事業体のことです。障害者自身が運営し、障害者にサービスを提供するもので、このサービスを利用することによって重度の障害があっても、地域で自立して生活することが可能となりました。自立生活運動とは、1960年代にアメリカのカリフォルニア州のバークレー大学に入学した、重度の身体障害をもつエド・ロバーツをはじめとする、障害者自身から始められた当事者運動で、重度の障害があっても、自分の人生を、自己決定によって、主体的に自立して生きる権利を主張しました。
  • 4 誤り。ソーシャルファームとは、障害者と支援者が一緒に働く、市場原理に基づく事業を行う企業の形のことです。1970年代の北イタリアの精神病院から地域に移行するための退院を進めていきましたが、地域で仕事に就こうとしても、偏見や差別のために働くところがありませんでした。このような現状にぶつかり、病院職員と患者が、一緒になって仕事をする企業を自分たちで作っていったのが、ソーシャルファームのはじまりです。イタリアでは社会的協同組合と呼ばれており、企業的経営手法を用い、製品やサービスの工夫によって顧客を生みだすため、他企業との競争力も高く、一般就労や福祉的就労とは異なる第三の雇用の場といわれています。
  • 5 正しい。クラブハウスモデルは、1940年代のアメリカのニューヨークで始まった、ファウンテンハウスという、精神障害者自身の自助活動から始まったモデルで、メンバーとスタッフが、対等な関係でクラブハウスを共同で運営することが特徴です。クラブハウスの仕事は、参加者がお互いに協力することによって行われ、メンバーは、仕事を通して自分が本来もっている力を育て、お互いに助け合うことによって、失っていた自信や能力を回復していきます。クラブハウスの運営は、世界基準が示されており、クラブハウスモデルの原則を示し、メンバーの人権宣言という性格をもっています。

 いかがでしたか。「精神障害者の生活支援システム」は、精神障害者が地域で生活していくうえで、援助者として知っておかなければならないさまざまな就労支援機関やその役割、居住支援などについても、十分学習しておきましょう。

 では今回の、「人体の構造と機能及び疾病」に入っていきましょう。今回は、障害の概要について取り上げていきたいと思います。