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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第40回 精神保健福祉士国試対策重点ポイント・法改正③

皆さん、お元気ですか。この時期は、頻出分野や苦手な科目を確認して確実な知識にしていきましょう。今回は障害者関連法の改正等について取り上げていきます。では、前回の課題の解説をしていきましょう。

問題 社会保障関連法に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 年金の受給年齢が拡大され、上限が75歳までに引き上げられた。
  • 2 高年齢者雇用安定法が改正され、事業主に、65歳以上70歳までの高年齢者就業確保措置が義務づけられた。
  • 3 自己都合など理由で退職した場合、給付制限期間が3か月とされた。
  • 4 子の出生後8週間以内に、4週間まで育児休暇が取得できる産後パパ育休制度が創設された。
  • 5 従業員数5000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を、年1回公表することが義務付けられた。
正答1、4

解答解説

    • 1 〇 年金の受給年齢が拡大され、上限が75歳までに拡大された。繰下げ支給については増額支給となる。
    • 2 × 事業主に、65歳以上70歳までの高年齢者就業確保措置が努力義務として規定された。
    • 3 × 自己都合などで退職した場合、従来は給付制限期間が3か月だったが、改正により、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となった。
    • 4 〇 産後パパ育休制度とは、育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割して育児休暇が取得できる制度である。この期間は出生時育児休業給付金として、休業開始時賃金月額の67%相当額が支給される。
    • 5 × 育児休業等の取得の状況を、年1回公表することが義務付けられたのは、従業員数1000人超の企業である。

いかがでしたか。では今回は、障害者関連法改正について解説していきます。


障害者雇用促進法改正

障害者雇用促進法が改正され、2020(令和2)年4月に施行されました。

特例給付金制度

障害者の短時間就業者の雇用を促進するために、週10時間以上20時間未満の障害者を雇用した場合、事業主に特例給付金を支給する制度が創設されました。

法定雇用率の算定対象にならない障害者の短時間労働者の雇用を促進することを目的としています(後ほど説明する改正により、特例給付金は2024(令和6)年4月1日をもって廃止となります)。

優良企業の認定制度

中小事業主における障害者雇用の取組を促進するため、障害者雇用促進実施状況が優良な企業の認定制度が創設されました。

認定を受けると、商品に認定マークをつけることができ、日本政策金融公庫の低利融資対象となり、ハローワークによる周知広報の対象となります。

中小企業における障害者雇用のロールモデルとしての役割が期待されています。

短時間就業者の雇用確保 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者を雇用した場合、事業主に特例給付金を支給
優良企業の認定制度 障害者雇用促進の実施状況が優良な企業を認定

さらに、2022(令和4)年にも障害者雇用促進法が改正されました。

2023(令和5)年4月施行の内容

雇用の質の向上のための事業主の責務の明確化

雇用する障害者に対して「職業能力の開発及び向上に関する措置」行うことが新たに事業主の努力義務として規定されました。

有限責任事業組合(LLP)算定特例の全国展開

事業協同組合等を活用することによって、事業協同組合等とその組合員である中小企業 (特定事業主)における実雇用率を通算することができるようになりました。

この制度を活用することによって、個々の中小企業では障害者雇用を進めるのに十分な仕事量の確保が困難な場合でも、複数の中小企業が共同して障害者の雇用機会を確保することができます。

在宅就業支援団体の登録要件の緩和

在宅就業支援団体の登録をしやすくするために、団体登録のために必要な在宅就業障害者の人数、職員の人数などを見直し、登録申請に必要な提出書類を一部削減することで、登録申請に当たっての負担軽減が図られました。

精神障害者で短時間労働者の雇用率算定に係る特例の延長(省令改正)

2022(令和4)年度末まで、一定の要件を満たした場合、短時間労働者を1カウントとする特例措置が設けられていましたが、2023(令和5)年度からは、全ての精神障害者について、当分の間、1人をもって1人とカウントすることとなりました。

具体的には、雇入れや精神障害者保健福祉手帳交付からの期間にかかわらず、1人をもって1人とカウントすることとし、2022(令和4)年度まではその1人をもって0.5人の職員に相当するものと算定していた者も含め、2023(令和5)年度以降、当分の間、その1人をもって1人に相当するものとみなされます。

事業主の責務の明確化 事業主に、雇用障害者に対する「職業能力の開発・向上に関する措置」を努力義務化
障害者雇用の推進 事業協同組合等と特定事業主の実雇用率を通算する制度を拡大
在宅就業の推進 在宅就業支援団体の登録をしやすくし、登録申請の負担軽減の実施
精神障害者のカウント 当分の間、1人をもって1人とカウント

2024(令和6)年4月施行の内容

受験の時点で施行されていない改正内容の出題率は低いので、簡単に表にまとめておきます。

短時間労働者の対象の拡大 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者を雇用した場合、0.5人としてカウントする
特例給付金は廃止
調整金・報奨金の支給調整 調整金の支給対象人数が10人以上のときは、1人当たり6000円調整
報奨金の支給対象人数が35人以上のときは、1人当たり5000円調整
(令和6年度の実績に基づいて令和7年度から適用)
納付金助成金の新設・拡充等 障害者の雇入れ・雇用継続の相談支援等に対応する助成措置を新設
既存の助成金(障害者介助等助成金、職場適応援助者助成金等)の拡充を実施

法定雇用率の改正

障害者雇用促進法の施行規則が次のように改正されました。

新たな雇用率の設定

法定雇用率が次の表のとおり、段階的に引き上げられます。

  2021(令和3)年3月から 2024(令和6)年4月から 2026(令和8)年7月から
一般企業 2.3%
(43.5人以上)
2.5%
(40.0人以上)
2.7%
(37.5人以上)
国・地方公共団体等 2.6% 2.8% 3.0%
都道府県等の教育委員会 2.5% 2.7% 2.9%

バリアフリー法改正

2018(平成30)年5月、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が改正されました。

2020(令和2)年の東京パラリンピックに向けて、共生社会の実現、高齢者、障害者等も含んだ一億総活躍社会の実現を目的とした改正です。

理念の明確化

法律の理念に、障害者基本法の理念である「共生社会の実現」、「社会的障壁の除去」が設けられました。

国土交通大臣は、ハード対策に加え、駅員による旅客の介助や職員研修等ソフト対策のメニューを提示することとされました。

移動円滑化促進方針(マスタープラン)

移動円滑化促進方針(マスタープラン)制度が創設され、市町村の作成が努力義務とされました。

また、市町村は、従来は任意だった市町村移動円滑化基本構想の作成が努力義務となりました。

理念を規定 共生社会の実現、社会的障壁の除去を明確化
メニューの提示 国土交通大臣は、ハード・ソフト対策のメニュー提示義務
マスタープラン等 市町村はマスタープラン、移動円滑化基本構想作成努力義務

2020(令和2)年2月に、バリアフリー法がさらに改正されました。この改正は、心のバリアを取り除くことに焦点を置いた改正です。

公共交通事業者への適合義務付け

この改正で、公共交通事業者等に対して、スロープ板の適切な操作、明るさの確保等のソフト基準適合義務が新設されました。

また、障害者等へのサービス提供について、バリアフリーであると国が認定する宿泊施設や飲食店などの観光施設について、情報提供を促進することが規定されました。

バリアフリー基準適合義務の対象拡大

バリアフリー基準適合義務の対象が拡大され、公立小中学校及びバス等の旅客の乗降のための道路施設としての旅客特定車両停留施設が追加されました。

教育啓発特定事業の創設

教育啓発特定事業が創設され、移動等円滑化の促進に関して、児童・生徒・学生の理解を深めるための学校と連携した教育活動、啓発活動事業が創設されました。

公共交通事業者 ソフト基準適合義務新設
バリアフリー基準適合義務の対象拡大 適合基準の対象に「旅客特定車両停留施設」を追加
教育啓発特定事業の創設 学校と連携して教育・啓発のための活動を実施

精神保健福祉法・関連法改正

2022(令和4)年に、障害者総合支援法や精神保健福祉法等が改正され、一部を除いて2024(令和6)年4月に施行されます。

皆さんが受験する2月の時点では施行前ですが、精神障害者にかかわる改正なので簡単にまとめておきます。

共同生活援助の支援内容の拡充

共同生活援助(グループホーム)の支援内容に、一人暮らし等を希望する者への支援、退居後の相談等を含むこととされました。

例えば、グループホームに入居中に、一人暮らしに向けた調理や掃除等の家事支援、買い物等の同行、金銭や服薬管理の支援、住宅を確保するための支援等を実施します。

グループホーム退居後は、入居していたグループホームの事業者が一定期間、継続的に相談等の支援を実施します。

基幹相談支援センター等の設置努力義務化

基幹相談支援センターの設置地域生活支援拠点等の整備市町村の努力義務とされました。

地域生活支援拠点では、障害者の重度化・高齢化や「親亡き後」に備えて、様々な支援を切れ目なく提供し、障害児者入所施設や病院からの地域移行を進めるため、地域の障害児者やその家族の緊急事態に対応を図ることを目的としています。

精神保健相談支援対象者の拡大

精神保健福祉法改正により、都道府県・市町村の精神保健相談支援の対象に、精神障害者以外の精神保健に課題を抱える者も対象とされました。

また、相談支援において、適切な支援の包括的な確保を行うことが規定されました。

就労選択支援サービスの創設

障害者総合支援法の改正により、障害者が就労先を決めるための就労選択支援サービスが創設されました。

就労選択支援サービスとは、障害者の就労ニーズの把握、能力・適性の評価、就労開始後の配慮事項などを整理する等のアセスメントを行うサービスです。

ハローワークは、この就労選択支援サービスを受けた者に対して、アセスメント結果を参考に職業指導等を実施し就労につなげることになりました。

医療保護入院

「家族等」から障害者を虐待している者が除かれました。

家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合にも、市町村長同意で医療保護入院が可能とされました。

本人と家族等に「入院措置をとる理由」も告知することとしました。

入院者訪問支援事業の創設

入院者訪問支援事業は、市町村長同意による医療保護入院者で、家族との音信がない患者等を対象に、外部との面会交流の機会を確保し、患者の孤独感・自尊心の低下を軽減し、権利擁護を図ることを目的に創設されました。

本人からの希望によって訪問して、入院者の体験や気持ちを丁寧に聴き、入院中の生活相談に応じ、必要な情報を提供する事業です。

病院内の虐待防止

病院の管理者は、虐待防止のための研修・普及・啓発の実施、相談体制の整備が義務化されました。また、指定医は虐待防止に協力しなければならないとされました。

病院の従事者による虐待を発見した者は、都道府県等に通報することが義務付けられました。

今回で主な法改正に関する講座は終わります。次回は、厚生労働白書、国民生活基礎調査などの内容について整理します。では、今回の内容について、問題にチャレンジしてみてください。

問題 最近の障害者関連法の改正に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 2020(令和2)年4月施行の障害者雇用促進法改正では、障害者雇用促進実施状況が優良な企業の認定制度が創設された。
  • 2 2023(令和5)年施行の障害者雇用促進法改正では、事業主は、雇用障害者に対する職業能力の開発・向上に関する措置を行うことが義務づけられた。
  • 3 2023(令和5)年4月以降は、精神障害者の法定雇用率のカウントについて、一定の要件を満たした精神障害者について、当分の間、1人をもって1人とカウントすることとした。
  • 4 2018(平成30)年のバリアフリー法改正により、法の理念として「共生社会の実現」、「社会的障壁の除去」が規定された。
  • 5 2018(平成30)年のバリアフリー法改正により、市町村に移動円滑化促進方針(マスタープラン)と市町村移動円滑化基本構想の作成が義務づけられた。

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