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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第39回 精神保健福祉士国試対策重点ポイント・法改正②

皆さん、こんにちは。寒さが厳しくなってきましたが、健康に留意して最後の仕上げをしていきましょう。今回は、社会保障関連法の改正を取り上げます。ではまず、前回の課題の解説をします。

問題 労働関連法規に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 労働基準法と労働安全衛生法改正により、時間外労働の上限が撤廃された。
  • 2 勤務インターバル制度の導入が、事業主に義務付けられた。
  • 3 パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法が改正され、正規雇用労働者と、短時間・有期雇用労働者に関する「不合理な待遇の禁止」が規定された。
  • 4 パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正により、本人から申出がなくとも、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明をすることとされた。
  • 5 高度プロフェッショナル制度の対象者は、労働時間の規制の対象外とされた。
正答3、5

解答解説

    • 1 × 労働基準法と労働安全衛生法改正により、時間外労働の上限が規定された。月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)が上限として設定された。
    • 2 × 勤務インターバル制度の導入は事業主の努力義務である。勤務インターバル制度とは、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保を行うことである。
    • 3 〇 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で職務内容が同一の場合、雇用形態にかかわらず、同一の貢献をした場合は同じ給与・賃金を支給しなければならないとされた。
    • 4 × 事業主は、短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、本人から申出があったときは、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明をすることが義務化された。
    • 5 〇 設問のとおりである。事業者には、健康管理確保措置と労働時間の状況を把握することが義務づけられた。

いかがでしたか。今回は、社会保障関連法の改正について解説します。


厚生年金法改正

短時間労働者の保険適用の拡大

2020(令和2)年に厚生年金法が改正され、短時間労働者の保険適用が拡大されました。

2022(令和4)年10月までは501人以上の企業が対象で、週20時間以上、月額賃金8万8000円以上、雇用見込み期間1年以上、学生でない、という条件を満たした場合は厚生年金保険に加入できるという仕組みでした。

2022(令和4)年10月以降は、101人以上の企業等に勤務している短時間労働者も対象になりました。また、従来は雇用見込み期間1年以上を要件としていましたが、2か月以上に改正されました。

2024(令和6)年10月1日以降は、51人以上の企業等まで拡大されます。

在職老齢年金制度

65歳未満の者が支給停止される基準額が2022(令和4)年4月から47万円に引き上げられました。さらに2023(令和5)年4月からは48万円になりました。

この支給停止基準額を超えると、超えた部分の年金の半額が支給停止されます。

受給年齢の拡大

老齢厚生年金の支給対象年齢は、従来は60歳から70歳までだったのが60歳から75歳までに拡大されました。

60歳から65歳未満で受給する場合は減額支給になり、66歳から75歳までの期間で受給する場合は増額支給になります。

短時間労働者の保険適用の拡大 2022年10月以降は、101人以上の企業が対象
2024年10月以降は、51人以上の企業が対象
在職老齢年金制度 2023年4月からは在職老齢年金支給停止基準額を48万円に引上げ
受給年齢拡大 60歳から75歳までに拡大

全世代対応型社会保障制度改正

2021(令和3)年、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が制定され、全世代に対応する社会保障制度が構築されました。

後期高齢者2割負担の導入

2022(令和4)年10月から、一定以上の所得がある後期高齢者は2割負担になりました。一定以上の所得とは、課税所得が単身世帯で年収200万円以上、複数世帯で320万円以上です。

ただし、長期頻回受診患者等への配慮措置として、外来受診は、施行後3年間は1か月の負担増が最大で3000円になるような措置がとられています。

予防・健康づくり

2022(令和4)年1月以降は、予防・健康づくりとして、保険者が保健事業で活用できるよう、事業者に対し被保険者等の健診情報を求めることができるようになりました。

また、健康保険組合等が保存する特定健診等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐことができるようになりました。

後期高齢者医療制度 75歳以上で一定所得以上は窓口負担2割導入
予防・健康づくり 保険者が事業者に対し被保険者等の健診情報を求めることができる
特定健診等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐことができる

高年齢者雇用安定法改正

2020(令和2)年3月、高年齢者雇用安定法が改正されました。

70歳までの高年齢者就業確保措置

65歳から70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置が新設されました。2021(令和3)年4月から施行されています。

事業主に、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置として、次のいずれかの措置を講ずることが努力義務として規定されました。

①定年の引上げ
②継続雇用制度の導入
③定年の廃止
④労使で同意した上での雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の導入

マルチジョブホルダー制度

2020(令和2年)年3月に、「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立し、2022(令和4)年1月から施行されています。

複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、そのうち2つの事業所での勤務時間が合計して週20時間以上あり、2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であるという要件を満たしたときは、雇用保険の被保険者になることができるようになりました。

これを雇用保険マルチジョブホルダー制度と呼び、被保険者のことを「マルチ高年齢被保険者」と呼びます。

高年齢求職者給付金

2017(平成29)年の雇用保険法の改正により、65歳以上の雇用保険の新規加入が可能になりました。

6か月以上の雇用保険加入期間があれば、一定の要件を満たした者が離職した場合「高年齢求職者給付金」を受け取れるようになりました。

高年齢求職者給付金とは、65歳以上の高齢者の被保険者が離職して失業状態となった場合に給付される手当です。

高年齢者雇用安定法改正 事業主に65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置を努力義務として規定
雇用保険法改正 マルチジョブホルダー制度の導入
65歳以上の高齢者の被保険者が離職した場合に高年齢求職者給付金を給付

雇用保険法

2020(令和2)年に雇用保険法が改正され、同年10月に施行されました。

自己都合で退職した場合、雇用保険の失業等給付は、一定期間をすぎないと受けることができません(給付制限期間)。

この改正では、従来は3か月とされていた給付制限期間が、5年間のうち2回までは2か月に短縮されました。3回目以降は、給付制限は従来どおり3か月となります。

子育て関連法の改正

2023(令和5)年5月に、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(全世代社会保障法)」が制定され、下記の法改正が行われました。

子ども・子育て支援の拡充 出産育児一時金の支給額が50万円に引き上げられた(2023(令和5)年4月施行)
産前産後期間における国民健康保険料(税)を免除。免除相当額を国・都道府県・市町村で負担(2024(令和6)年1月施行)

育児・介護休業法改正

2021(令和3)年に、育児・介護休業法が改正され、2022(令和4)年4月から施行されています。

この法改正により、出生時育児休業制度(産後パパ育休制度)の創設、有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件の緩和などが行われました。

産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)の創設

産後パパ育休制度とは、育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に4週間まで育児休暇が取得できる制度です。

2回に分割して取得することができ、産後パパ育休の期間は、出生時育児休業給付金として、休業開始時賃金月額の67%相当額が支給されます。

育児休業制度の改正

従来は、育児休業の取得は1人1回の取得に限定されていましたが、法改正により、取得の際に申し出れば分割して2回取得することが可能になりました。

休業開始日の限定がなくなり、仕事の都合に合わせていつでも2回分割取得することができ、夫妻が育休を途中で交代できます。

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

改正前は、有期雇用労働者の育児・介護休業取得の要件として、「引き続き雇用された期間が1年以上あること」と「子が1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」の2点の要件がありました。

改正により、「子が1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」という要件だけになりました。

また、育児休業等を理由とする不利益取り扱いの禁止とハラスメント防止が規定されました。

育児休業取得状況の公表の義務化

従業員数1000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられました。公表内容は、「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。

産後パパ育休制度の創設 子の出生後8週間以内に4週間まで2回分割取得可能
育児休業の分割取得 育児休業を夫婦それぞれ2回まで分割取得可能
有期雇用労働者の所得要件緩和 「子が1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」だけになった
育児休業取得状況の公表 従業員数1000人超の企業は育児休業等の取得状況を年1回公表義務

育児休業期間中の保険料免除

育児休業期間中の保険料免除として、短期の育児休業の取得で、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合は、当該月の保険料が免除されることになりました。

また、賞与に係る保険料については、1か月を超える育児休業を取得の場合に限り、保険料免除の対象となります。

この保険料免除については、2022(令和4)年10月以降に開始した育児休業について適用されています。

いかがでしたか。では、社会保障関連法改正に関する問題にチャレンジしてみてください。

問題 社会保障関連法に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 年金の受給年齢が拡大され、上限が75歳までに引き上げられた。
  • 2 高年齢者雇用安定法が改正され、事業主に、65歳以上70歳までの高年齢者就業確保措置が義務づけられた。
  • 3 自己都合など理由で退職した場合、給付制限期間が3か月とされた。
  • 4 子の出生後8週間以内に、4週間まで育児休暇が取得できる産後パパ育休制度が創設された。
  • 5 従業員数5000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を、年1回公表することが義務付けられた。

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