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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第38回 精神保健福祉士国試対策重点ポイント・法改正①

皆さん、こんにちは。受験対策も追い込みですね。体調に気をつけて最後の仕上げをしていきましょう。

今回は、労働関連法規の改正について取り上げていきます。では、まず前回の課題の解説をしておきます。

第25回精神保健福祉士国家試「権利擁護と成年後見制度」

問題80 成年後見制度の補助に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 補助は、保佐よりも判断能力の不十分さが著しい者を対象としている。
  • 2 補助開始の審判をするには、本人の申立て又は本人の同意がなければならない。
  • 3 補助人の事務を監督する補助監督人という制度は設けられていない。
  • 4 補助開始の審判は、市町村長が申し立てることはできない。
  • 5 補助人に対し、被補助人の財産に関する不特定の法律行為についての代理権を付与することができる。
正答 2

解答解説

    • 1 × 補助は、保佐よりも判断能力が保たれている者を対象としている。後見は常時判断能力が欠けている者、保佐は判断能力が著しく不十分な者、補助は判断能力が不十分な者である。
    • 2 〇 補助は、判断能力がある程度保たれているため、補助開始の審判の申立て、特定の法律行為に関する代理権、同意権付与の申立てについては、本人以外の者による申立ては、すべて本人の同意が必要である。
    • 3 × 補助監督人という制度は設けられている。補助人、保佐人、成年後見人を監督するのは基本的に家庭裁判所であるが、家庭裁判所は必要に応じて、補助監督人、保佐監督人、後見監督人を選任してそれぞれの事務を監督させることになっている。
    • 4 × 補助開始の審判は、市町村長が申し立てることができる。市町村長は、本人、配偶者、4親等内親族等からの申立てができない場合、家庭裁判所に対して申立てを行うことができる。
    • 5 × 補助人に対し、被補助人の財産に関する「特定の法律行為」についての代理権、同意権を付与することができる。

いかがでしたか。では、労働法規関連の法改正を中心に解説していきます。2018(平成30)年、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が制定されました。最初に労働施策総合推進法を取り上げていきます。


労働施策総合推進法

従来の雇用対策法が、働き方改革の推進の一環として「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(労働施策総合推進法)に名称が変更され、内容も大幅に改正されました。

働き方改革に関する国の講ずべき施策として、①労働時間の短縮・労働条件の改善、②雇用形態・就業形態の異なる労働者間の均衡のとれた待遇の確保、③多様な就業形態の普及、④仕事と生活(育児、介護、治療)の両立、の4点を掲げています。

国には、労働施策の総合的な推進に関する労働施策基本方針の策定が義務付けられ、事業主には、労働者が生活との調和がとれる環境整備を行うことが努力義務として規定されました。

時間外労働の上限設定

労働基準法と労働安全衛生法改正により、時間外労働の上限が規定されました。月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)が上限として設定されました。

原則である月45時間を上回る回数は年6回までとされています。上限を超えた場合は、罰則として雇用主に半年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

なお、建設事業、自動車運転の業務、医師に係る時間外労働の上限規制については、2024(令和6)年4月1日からの適用となります。

年次有給休暇の付与

使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年時季を指定して与えなければならないこととされました。

勤務間インターバル制度の導入

過重労働による健康被害予防のために、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働時間等設定改善法)が制定され、勤務間インターバル制度が導入されました。

事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保を行うことが努力義務とされました。

具体的なインターバルの時間設定の規制はされていませんが、導入する各企業が通勤時間を含めるか含めないかなども勘案しながら、独自に設定して運用を開始することになっています。

高度プロフェッショナル制度の創設

高度プロフェッショナル制度とは、特定高度専門業務・成果型労働制のことで、高度の専門的知識を必要とする業務に従事し、職務の範囲が明確で、一定の年収がある労働者を、労働時間の規制の対象外とする制度です。

労働施策基本方針策定義務
事業主 労働者が生活との調和がとれる環境整備努力義務
時間外労働 時間外労働の上限(月45時間、年360時間)設定(例外規定あり)
有給休暇 10日以上の年次有給休暇資格者には5日必ず取得させる義務
勤務間インターバル制度 事業主は、勤務間インターバルの確保努力義務
高度プロフェッショナル制度 一定の要件を満たす労働者は労働時間規制の対象外

パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法改正

不合理な待遇の禁止

2018(平成30)年、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法が改正され、正規雇用労働者と、短時間・有期雇用労働者に関する不合理な待遇の禁止が規定されました。

正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で職務内容が同一であるなら、雇用形態にかかわらず、同一の貢献をした場合は同じ給与・賃金を支給しなければならないとされました。

大企業は2020(令和2)年4月から、中小企業は2021(令和3)年4月から適用されています。

説明義務

事業主は、短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、本人から申出があったときは、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明をすることが義務化されました。

不合理な待遇の禁止 同一の貢献をした場合は同じ給与・賃金を支給しなければならない
説明義務 申出があった場合、事業主は待遇差の内容・理由説明義務

労働基準法改正

割増賃金率の引上げ

2010(平成22)年に労働基準法が改正され、月60時間を超える時間外労働に対する割増率が25%以上から50%以上へと引き上げられました。

このときは、適用は大企業のみで中小企業には猶予期間がありましたが、2023(令和5)年4月からは、中小企業も月60時間超の割増賃金率が50%以上に引き上げられました。

代替休暇の付与制度

月60時間を超える法定時間外労働を行った従業員の健康を確保するため、引上げ分の割増賃金の支払の代わりに有給の休暇(代替休暇)を付与することができるという制度があります。

割増賃金率の引上げ 2023年4月以降、中小企業の月60時間超の割増賃金率が50%以上に引上げ
代替休暇の付与制度 割増賃金の支払の代わりに有給の休暇(代替休暇)を付与できる

労働基準法改正

有期労働契約者について労働基準法が改正され、2024(令和6)年4月に施行されます。

労働条件明示事項を追加

有期労働契約者について、労働条件明示事項に、通算契約期間又は有期労働契約の更新回数の上限が追加されました。また、すべての労働者に対して、就業場所・業務の内容・変更の範囲を明示する必要があります。

契約更新時

契約更新時には、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申込むことができること(無期転換申込機会)と、無期転換後の労働条件を明示しなければなりません。

均衡を考慮した事項の説明

無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、他の通常の労働者とのバランスを考慮した事項(例:業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めることとされました。

いかがでしたか。次回は、社会保障関連法の改正について取り上げていきます。それでは、今回の課題をあげておきますのでチャレンジしてみてください。

問題 労働関連法規に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 労働基準法と労働安全衛生法改正により、時間外労働の上限が撤廃された。
  • 2 勤務インターバル制度の導入が、事業主に義務付けられた。
  • 3 パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法が改正され、正規雇用労働者と、短時間・有期雇用労働者に関する「不合理な待遇の禁止」が規定された。
  • 4 パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正により、本人から申出がなくとも、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明をすることとされた。
  • 5 高度プロフェッショナル制度の対象者は、労働時間の規制の対象外とされた。

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