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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。

第42回 総合問題(事例問題)について

 こんにちは。寒い日が続きます。体調に気をつけて、お取り組みください。本講座では、筆記試験まであと2回、皆さんの背中を押させていただきます。
 昨年4月からの本講座も、前回で12科目の勉強が終わりました。筆記試験まで、あと2週間。仕事や家庭も忙しいかと思いますが、何とか時間をつくって、本講座での理解をベースに、テキストと過去問題解説集を、めくり続けてください。
 今回は、総合問題(事例問題)について解説します。

実務経験を踏まえて解く

 総合問題は、皆さんが介護の現場で出会うような利用者の事例(実例)について、10行程度の文章を読み、そのうえで解答する問題(事例問題)です。当日は「総合問題」として、午後の最後に4事例、1つの事例につき3問出題されます。12科目で学習した知識、技術、理念(方針)を総結集して、解答します。
 また、各科目においても、短い文章の事例問題が出題されます。過去問題解説集で確認してください。
 事例問題は、3年以上の実務経験で培い、本講座でも学んだ、望ましい介護のあり方を踏まえれば、解くことができる問題が多く出題されます。過去に出題された問題を解いてみた感触は、いかがでしょうか。
 当日は、「これまで現場で積み上げてきた実務経験と、ここまでの学習を踏まえれば、解答できる」との思いで、あせらず、あわてず、対応してください。

正解を導くポイント

 事例問題を解くうえでのポイントを記します。

  • 自立支援(本講座第5回「人間の尊厳と自立」参照)
    事例文は、自立支援(たとえ介護が必要となっても、生活の中で、できることは利用者自身に行ってもらい、できないことや危ないことを手助けする)の視点で読み、生活において何ができて何に介助が必要かを、しっかりと把握し、自立支援の視点で解答します。例えば、歩ける利用者を車いすに乗せて移動していれば「×(不適切)」です。
  • バイステックの7原則(本講座第33回「コミュニケーション技術」参照)
    受容や自己決定などの姿勢を貫いて解答します。例えば、利用者に対して、開口一番否定するような発言や、指示、命令、注意、叱咤激励、(納得に至らず)説得をしていれば「×(不適切)」です。また、利用者個別ではなく、集団のケアを優先していれば「×(不適切)」です。
  • 日本介護福祉士会倫理綱領http://www.jaccw.or.jp/about/rinri.php
    利用者本位や連携など、介護福祉職としてのあるべき姿で解答します。例えば、家族や介護福祉職の意向だけでサービスを提供したり、現場の介護福祉職が報告・連絡・相談をせずにサービス内容を独断で変えたり、利用者の体調が思わしくないのに医療との連携を怠っていたりすれば「×(不適切)」です。

 その他、次のような選択肢も「×(不適切)」となります。

  • ○トイレやポータブルトイレでの排泄が可能な利用者に対して、例えば、1回の失禁をきっかけに、即おむつを装着する。
  • ○チームケアを大事とする中で、介護を家族だけに任せたり、介護サービスだけで担おうとしている。
  • ○居宅(自宅)の利用者において、家族負担がいくらか高まってきたことで、施設に即入所する。
  • ○夜間にトイレで起きないように水分を控えたり、できるかぎり安静に、閉じこもって、寝ていたりするなど、利用者に脱水、寝たきりなどの危険が生じるような生活を優先する。
  • ○個別援助計画(本講座第41回「介護過程」参照)に記していないサービスを提供している。あるいは、してよいと考える。

 事例問題以外の設問にも共通していえることですが、たとえ介護が必要となっても、まずは住み慣れた自宅で安心して生活してもらうことを大切に、そして、場合によっては施設に入所してもらい、自立支援の視点で、ニーズに応じたサービスを、適切な知識、技術、理念(方針)などに基づいて提供します。
 自宅、施設いずれでのサービス提供に際しては、利用者に伺い、提案し、情報を提供し、介護に関して助言、指導し、利用者の気持ちに受容的に寄り添い、共感し、利用者が「そうしたい」という生活を支援することなどを「○(適切)」としてください。
 また、設問には、介護保険法や障害者総合支援法と、その対象となるサービスに関する出題があります。「社会の理解」「介護の基本」などの科目を、おさらいしましょう。さらに、事例の利用者の、介護の原因となっている老化や病気・障害と、その特性を踏まえた介護技術(生活支援技術)についても出題されます。総合問題において、第24回では、アルツハイマー型認知症、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症、心不全、第25回では、糖尿病とその合併症、脳梗塞、関節リウマチ、アスペルガー症候群(発達障害)、第26回では、精神遅滞(知的障害)、前頭側頭型認知症、脳梗塞、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、第27回では、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、視覚障害(全盲)、統合失調症、第28回では、脳梗塞、脳性麻痺、アルツハイマー型認知症、2型糖尿病・ノロウイルス、第29回では、脳梗塞・MRSA、アルツハイマー型認知症・帯状疱疹、頸髄損傷、知的障害、第30回では、脳出血、アルツハイマー型認知症、頸髄損傷、両大腿切断(身体障害)、第31回では、脳出血・白癬、レビー小体型認知症、腰髄損傷・うつ病、脳性麻痺に関して、出題されました。「発達と老化の理解」「認知症の理解」「障害の理解」などの科目で、最後まであきらめずに、現場経験とも結びつけながら、知識を1つでも多く増やしていきましょう。

 次回は、筆記試験前の最終回となります。試験当日の心構えなどを確認していきます。