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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、地域や学校、介護サービス事業者・施設の研修講師・アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員、特別養護老人ホームの施設長等に携わる。介護福祉士や社会福祉士、介護支援専門員などの受験対策講座も数多く行っている。

第40回 生活支援技術(6) ~睡眠、終末期関連など~

 今回は「生活支援技術」の最終回です。
 睡眠や終末期の介護などについて、第25回では、施設で介護福祉職が深夜に巡回するときの注意点として「異変の有無を確認する」、終末期にある利用者に対して「食べたい物を確認して提供する」「手を握るなどのスキンシップを行う」。第26回では、「終末期の事前の意思確認において、確認した内容を書面にする」。第28回では、終末期で食欲が低下してきた利用者の食事介護は「嗜好を重視する」、施設入所者の終末期から死後における家族への支援として「付き添いやすい環境を整える」。第31回では、施設で最期まで過ごすことを希望する利用者への対応として「終末期の介護方針を伝えて、意思確認を行う」など、介護現場での望ましいあり方を思い起こすことで解答できる事柄が、出題されました。

自立に向けた睡眠の介護

  • ○高齢になると、寝つきが悪く、浅い眠りになったり、早朝から目覚め、一度目覚めると、再度眠りにつくことができなかったりするなど、眠りのパターンが変化する。
  • 不眠には、起床時に低下している脳の活動を活性化するため、徐々に刺激を与えて覚醒を促すことが望ましく、就寝前の足浴なども効果的である。不眠の原因となるものとして、カフェインがある(第25回の「こころとからだのしくみ」で出題)。また、不眠症という病気としてとらえることもあるので、医療関係者に相談することも大切である。
  • ○睡眠においては、寝心地が重要である。マットレスは、硬すぎず柔らかすぎず、熟睡のためには筋の緊張を取り除き、ある体位を楽に保ち、目覚めることなく別の体位に変換できる必要がある。また、寝返りを打つために、適当なスペースも必要である。
  • 安眠の援助は、まず、利用者の睡眠に関する生活習慣を把握したうえで、照明や室温などの環境整備、軽く柔らかく、清潔で乾燥した温かい寝具の工夫、規則的な生活リズム、昼間の適度な運動、就寝前の軽いストレッチや歯磨き、入浴などに配慮し、睡眠薬をできる限り使わない習慣を保つ。加えて、温かい飲み物を勧めたり、寝る前に、湯たんぽなどで寝具を温めたりすることなども適切である。そして、朝(起床後)にはカーテンを開けて、日光を浴びることも望まれる(第24回、27回、29回に出題。第28回では事例問題として出題)。

 第26回では、認知機能が低下し、深夜、不眠で施設の廊下を歩き回っている利用者に対しては、「いったん座るように促して、話を聞く」、第30回では、昼夜逆転している利用者への介護として、「夕方に、散歩をするように促す」ことが適切と、出題されました。

終末期の介護

  • ○終末期のケア(ターミナルケア)は、治療の見込みがなくなった、最後の3~6か月の時期における、包括的ケアとされる。その基本は、痛みや苦しみなどを緩和することである。
  • ○苦痛の緩和は、まず、痛みの予防を第一に考え、薬剤の適切で確実な使用、同一体位を避けながら、痛みのある部位は上にするなど、安楽な体位とその保持の工夫、手足をさすり、ゴムのきつくない靴下などで保温するなど、適切な介護を行っていく(第24回、27回に出題)。
  • ○痛みは、身体的なものにとどまらず、不安や孤独感など精神的な痛み、経済上の問題など社会的な痛み、死の恐怖など霊的な痛みについての援助も必要とされる。マッサージや好きな音楽の鑑賞は、疼痛や不安の緩和に有効である(第26回に出題)。
  • ○ターミナルケアに直面した利用者における、死に対する心理として、「拒否⇒怒り⇒取り引き⇒抑うつ⇒受容」の5段階の過程があり(本講座第26回参照)、介護者は、それぞれの段階を理解するとともに、言語的・非言語的なコミュニケーションも大切にしながら、受容的な態度で接する。
  • ○終末期のケアにおいては、悩み苦しんでいる家族もケアの対象者と位置づけ、家族に悔いが残らないよう、利用者と共に過ごす時間、介護する時間がもてるように支援する。そして、家族の苦しみにも共感し、傾聴することが大切である。家族の支援は、利用者が亡くなった後のグリーフケア(遺族へのケア)も含む。また、家族の悲嘆に対するケアも、終末期のケアとともに行い(第29回に出題)、死別直後の遺族の心理として、十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である(第27回に「発達と老化の理解」で出題。第31回では事例問題として出題)。

 第30回では、終末期にある利用者を施設で看取る家族への支援として、「家族が利用者のためにできることを提案する」、施設において、介護福祉職が行う死後の処置として、「着物の場合は帯紐を縦結びにする」ことが適切と、出題されました。また、第31回では、終末期で終日臥床している利用者への便秘予防の対応について、出題されました。

緊急時の対応

  • ○緊急時の対応方法の一つである「JRC救急蘇生ガイドライン2015」をふまえ、傷病者を発見した場合は、次のような⼿順をとる:
    • 1)意識や反応を確認する
    • 2)反応がない場合や判断に迷った場合、助けを呼んで協力を求め、119番通報の上、通信指令員の指示・指導を仰ぎ、AED(⾃動体外式除細動器)を手配する
    • 3)気道を確保し、呼吸がある場合は回復体位をとる
    • 4)異常な呼吸や呼吸停⽌の場合、胸骨圧迫を開始する
    • 5)人工呼吸ができる場合は、胸骨圧迫30に対して人工呼吸2を行う
    • 6)人工呼吸ができない場合は、胸骨圧迫のみを行う
    • 7)AEDを装着し、心電図解析後、電気ショックの必要があれば電気ショックを1回行い、ただちにCPR(心肺蘇生法:4)~6))を再開する
    • 8)電気ショックの必要がない場合は、ただちにCPRを再開する
  • 回復体位とは、頭をやや後ろに反らせて、できるだけ気道を拡げた状態で横向きに寝る姿勢をいう。また、AEDは、心臓の心室細動(小きざみにふるえた状態)の際に、除細動(電気ショック)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器である。
  • ○やけどの場合、局所をできるだけ早く、冷たい水で冷やし、水泡は破らないようにする。また、着衣の上から熱湯を浴びたときは、安易に脱がさず、着衣の上から冷水をかける。
  • ○高齢者がつまずいて転倒し、立つことができない場合、大腿骨頸部などの骨折が疑われるので、痛まない姿勢で、冷あん法(冷やすことで局所の血管を収縮させ、痛みを和らげる)を行い、医師の指示を受ける。
  • ○食物を誤嚥した場合、背部叩打法や上腹部圧迫法(ハイムリック法)により、すぐに気道内の異物を取り除く必要がある。嘔吐の際も、誤嚥による窒息を防ぐため、顔を横に向ける。

 師走のあわただしいなか、学習本当におつかされさまです。次回は、「介護過程」を押さえましょう。