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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人ケアネット やよいほうむ 施設長。
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、フリーでの活動を経て、現職では、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業を統括。介護福祉士や介護支援専門員、社会福祉士の受験対策講座なども行っている。 (介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員)

第41回 介護過程

 こんにちは。筆記試験まであと1か月。年末年始も何かと忙しいことと思いますが、引き続きお手元のテキストを読み、過去問題を解き、勉強を積み重ね、追い込んでください。
 今回は、「介護」領域の最後の科目である「介護過程」です。経験年数を重ねると、訪問介護のサービス提供責任者など、事業所や施設の主任、リーダー、上司に着任し、居宅サービス計画などケアプランに沿った、訪問介護計画など個別援助計画の作成に携わることが多くなります。
 「介護過程」では、「個別援助計画を作り、計画に沿ったサービスを提供していく方法」を学びます。

介護過程の意義

  • ○ 介護過程とは、利用者の介護生活における解決すべき課題(生活課題〔ニーズ〕)を見きわめ、解決するための計画を作り、実施し、評価する一連のプロセスをいい、介護の目的を実現するための、客観的で科学的な思考と実践の過程のことである(第26回に出題)。介護過程を展開することにより、利用者のニーズに応じた根拠のある個別ケア、根拠に基づいた介護サービスの提供が可能になる(第28回に出題)。
  • ○ 介護過程の展開プロセスは、「アセスメント→計画の立案→実施→評価」の順に、系統的な方法で行う。展開における基本視点として、ICF(国際生活機能分類)の視点に基づく利用者の把握、尊厳を守るケアの実践、生活の自立支援や自己実現の支援、多職種協働・連携、根拠に基づく介護実践と的確な記録など、ここまで各科目で学習してきた事柄を重視する(第24回、30回に出題)。

介護過程の展開

  • ○ アセスメントは、介護福祉の知識を活用して、利用者個別の介護生活に関する情報を収集し、情報を解釈、関連づけ、統合化し、生活課題(ニーズ)を明確にすることである(第29回、30回に出題。第30回では事例問題としても出題)。情報は、多角的・継続的に収集し、1つの情報だけで検討しない(第27回、28回に出題)。生活課題を明らかにすることが支援の根拠となる(第24回に出題)。情報収集は、利用者に面接して、話を聞き、観察し、利用者が発言した意向など主観的な情報(第29回に出題)、病気や障害、生活状況など客観的情報を集める。情報収集とアセスメントをする際には、先入観を持たないことが必要である(第24回に出題)。また、利用者の「やりたいこと」や「できること」を含めて、アセスメントする(第25回に出題)。
  • ○ 集めた情報の解釈、関連づけ、統合化は、健康状態が悪化するような点はないか(生命の安全)、日常生活の自立、継続ができていない点はないか(生活の安定)、その人らしく生活できていない点はないか(人生の豊かさ)という視点で行う。その結果、例えば「加齢に伴う筋力低下により、転倒する」「糖尿病による視力低下により、夜間トイレに行けずに尿を漏らし、眠れない」「脳梗塞による片麻痺により、浴槽をまたぐことができず、大好きな入浴ができていない」など、解決すべき課題を明らかにする。課題とは、利用者の望む生活を実現するために解決すべきことである(第24回に出題)。課題が複数ある場合は、優先順位をつける(第26回に出題。第27回では事例問題として出題)。
  • 計画(個別援助計画)には、上記のような課題のほか、目標(課題が介護サービスの提供により解決されたとき、利用者がどのような状態〔行動〕になればよいか)、目標達成に向けて提供するサービス内容や留意点などを明記する。すなわち、生活課題を解決するための方法を計画する(第27回に出題)。なお、計画の立案は、現実的で実践可能な内容にし、利用者と家族の意向を反映する(第26回、30回に出題)。
  • 目標には、長期目標と短期目標がある。長期目標は、例えば「転倒せず、行きたいところに歩いて行く」「気持ちよく睡眠をとる」「快適に入浴する」など、課題が解決した状況を示す。短期目標は、例えば「運動を継続して、足の力をつける」「ポータブルトイレに慣れ、漏れる回数を減らす」「またぎやすい方法を、ヘルパーとともに見つける」など、当面の状況を表現し、それぞれの期限も明確にする。目標は、評価の際の基準になる(第26回に出題)。なお、目標は、実現可能な事柄を、利用者と話し合いながら設定する(第29回に出題)。
  • サービス内容としては、例えば「足の筋力向上のための運動の実施」「ポータブルトイレの設置と使用」「入浴の介助」などである。また、より具体的な方法なども加えて記す。このような計画の作成に際しては、利用者に及ぼす効果を予測するという視点も大切である(第24回に出題)。
  • ○ 計画は、利用者に説明の上、同意を得て交付し、共有するものであるため、分かりやすい表記につとめる。また、計画に記したサービスの実施に際しては、その過程を記録する。事実をありのままに記録するとともに、介護福祉職が判断した内容も記録する(第26回、30回に出題)。記録は、目標の達成度を客観的に評価するための材料などになる。
  • 評価は、利用者において、設定した目標を達成できたかどうか(課題を解決できたかどうか)を検討することである。それにあたっては、支援の実施状況に関する情報を整理して評価し、他の利用者の目標達成度と比較した評価はしない(第25回、30回に出題)。目標を達成していれば、介護過程は終了する(その後も目標を達成し続けていくために、再びアセスメントをした上で、同様の計画と、計画に記したサービスの実施を継続していくこともある)。目標を達成していなければ、その原因を明らかにし、再びアセスメントを行い、計画を修正していく。また、評価では、新しい課題はないかという視点をもつことも大切である。なお、サービスの開始(実施)から評価までの途中で、計画どおりに実施できているかどうかを点検するモニタリングを行う場合もある(第25回に出題)。

介護過程の実践的展開

  • ○ アセスメントにおいて、観察のポイントは、五感を研ぎ澄まし、利用者の身体面、精神(認知)面、行動面からみることである。また、利用者本人のほか、家族や家屋などについても、情報を収集する。
  • ○ 利用者の介護の必要度を示すものとして、「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」も有効に活用することが望まれる。

介護過程とチームアプローチ

  • ○ 介護過程は、複数の介護福祉職が、計画に沿って協同で取り組むチームケアといえる。チームケアを効果的に行うためには、事業所や施設内でカンファレンスを実施し、利用者の情報や計画の内容を職員間で共有することなどが重要である。
  • ○ 介護保険制度において、訪問介護計画などの個別援助計画は、介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成する居宅サービス計画など、ケアプランに基づいて作成する(第27回に「介護の基本」で出題)。そのために、個別援助計画を作成する介護福祉職は、ケアマネジャーが主催するサービス担当者会議に参加し、ケアマネジャーや他職種との情報共有、意見交換などを図ることが求められる。なお、サービス担当者会議は、利用者とその家族の参加を基本とし(第28回に「介護の基本」で出題)、利用者は、このようなチームアプローチの中心である(第25回に出題)。

 この科目は、第24回から新しく設けられました。上記にかかる事柄が、ひととおり出題されている、第24回以降の過去問題を確実に解いてください。事例問題も毎回出題されています。そして現場でも、計画に沿ったサービス提供を意識して行い、実感をもって備えていきましょう。