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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人ケアネット やよいほうむ 施設長。
社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービス、居宅介護支援事業等に従事。その後、フリーでの活動を経て、現職では、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業を統括。介護福祉士や介護支援専門員、社会福祉士の受験対策講座なども行っている。 (介護福祉士/社会福祉士/介護支援専門員)

第39回 生活支援技術(5)
~家事関連~

 こんにちは。寒さが増してきました。体調にはくれぐれも気をつけてお取り組みください。今回も、「生活支援技術」の中から、家事に関する知識を学びましょう。

自立に向けた家事の介護

 訪問介護や認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、小規模多機能型居宅介護などでは、利用者とともに家事を行う介護福祉職において、必要な知識、技術といえます。家事の中では、食生活に関する事柄が出題されます。食生活については、食事バランスガイドというものがあります。これは食事を、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのグループに分け、1日に何をどれだけ食べたらよいかの目安を示したものです。そのような食事から摂取する栄養素などについて、習得しましょう。

<栄養素について>

  • ○ 炭水化物(糖質と食物繊維)、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンを五大栄養素という。そのうち、エネルギー源となる糖質、脂質、たんぱく質を三大栄養素という。1g当たりのエネルギー発生量が最も多い栄養素は、脂質である(第28回に「こころとからだのしくみ」で出題)。
  • 糖質は、果物、はちみつに含まれるブドウ糖、果物などに含まれるショ糖(砂糖)、穀類、いも類に含まれるでんぷんなどがある。食物繊維は、難消化性多糖に属するセルロースなどで、整腸作用や、大腸がん、糖尿病などの生活習慣病を予防する働きがある。
  • 脂質は、中性脂肪やコレステロールなどを含み、脂肪は、脂肪酸とグリセリンを主成分とする。脂肪酸には、血管壁に付着しやすい飽和脂肪酸と、血管壁に付着しにくい不飽和脂肪酸があり、前者は動物性、後者は植物性および魚の脂肪に相当する。脂質は、ホルモンの原料となる(第26回に「こころとからだのしくみ」で出題)。
  • たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆などに含まれ、摂取すると、体内でアミノ酸に合成され、吸収される。アミノ酸は、生命活動に不可欠な酵素などを合成するために使われるが、バリン、ロイシンなど9種の必須アミノ酸は、体内で十分に合成されないため、食物から直接摂取する。なお、たんぱく質をとることは、筋肉量の維持に有効である(第28回に「発達と老化の理解」で出題)。
  • 無機質(ミネラル)のうち、カルシウムは、骨や歯を形成し、精神安定作用がある。鉄は、ヘモグロビンの酸素運搬に関与する。ナトリウムは、食塩の主成分であり、過剰摂取は血圧を上昇させるので、日本人における食塩の摂取基準として、1日当たり男子8g未満、女子7g未満を目標量としている。
  • ビタミンにおいて、ビタミンAは、視力の調整などに作用する。ビタミンDは、干ししいたけなどに多く含まれ、カルシウムの吸収を高め、骨や歯の形成を促進する(第25回に出題)。納豆などに多く含まれるビタミンKも、骨粗鬆症の予防に必要とされている(第28回に出題)。ビタミンEには、細胞の老化防止、ビタミンB1には、糖質の代謝促進や心臓機能保持などの作用がある。ビタミンB2は、脂肪のエネルギー代謝に関係し、ビタミンCは、鉄の吸収を助け、病原菌に対する抵抗力をつける。

<食中毒>

  • 細菌性食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌O157は、ベロ毒素を産出し、激しい下痢や血便を伴い、死に至ることもある。菌は熱に弱く、75度で1分間以上の加熱で死滅する。食肉や生食用野菜などが感染源となる。
  • ウイルス性食中毒を起こすノロウイルスは、寒い時期に集中して発生し、人の小腸粘膜で増殖する。生の二枚貝やカキなどが原因となり、人から人へ感染し、排泄物などからの二次感染もある。85度以上で1分間加熱すると、感染性を失う。

<調理の基本>

  • ○ 食品表示の消費期限は、日持ちの短い食品で、定められた保存方法で、品質が急速に劣化する食品について、摂取可能な期限の表示である。賞味期限は、比較的長持ちする食品について、定められた保存方法で、品質が十分に保持できる期限である。食中毒の予防という点でも、消費期限などを確認して購入することが大切である。
  • ○ 調理のプロセスは、「献立を決める→買い物などにより必要な食材を用意する→食材を調理し、盛り付けし、配膳する→食器や調理器具の後片づけをする」などからなり、どの段階にも、利用者の自己決定と参加の機会がある。

 第27回では、寒天は常温で固まるといった、食品の凝固について出題されました。
 次に、衣類に関する事柄にもふれておきます。

<被服生活の基本>

  • ○ 衣類などの繊維には、天然繊維と化学繊維がある。前者は植物繊維(綿、麻)、動物繊維(絹、毛)があり、後者は再生繊維(レーヨン、キュプラ)、半合成繊維(アセテート)、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル)などがある。
  • 綿は、吸湿性、通気性がよく、洗濯、漂白が容易である。しわになりやすく、縮みやすい。肌着やタオルなどに使われる。洗濯は、弱アルカリ性の石けんや合成洗剤を用い、アイロンは高温でかける。
  • は、吸湿性、保湿性、保温性にすぐれている。熱に弱く、縮みやすく、虫がつきやすい。セーターなどに使われる。洗濯は、中性洗剤が適している。アイロンは中温でかける。
  • ナイロンは、吸水性が低く、軽くて丈夫である。水分や摩擦に強いが、紫外線で黄変する。靴下、スポーツウエアなどに使われる。洗濯は、弱アルカリ性の石けんや合成洗剤を使用する。
  • アクリルは、保湿性が高く、軽くて、酸やアルカリに強いが、毛玉ができやすく、汚れやすい。セーターなどに使われる。洗濯は、弱アルカリ性の石けんや合成洗剤を使用する。熱に弱いので、アイロンは低温でかける。
  • 漂白剤には、酸化型(塩素系漂白剤、酸素系漂白剤)と還元型がある。酸化型の酸素系は、色・柄物に使用できる。水洗いできるウール(毛)や絹には、液体酸素系漂白剤を用いる(第26回に出題)。酸化型の塩素系は、殺菌効果が高い一方、布を傷つけるので、毛や絹、ナイロン、アセテートなどには使用できない(第25回に出題)。また、色・柄を脱色するので、白物のみに使用する。還元型は、鉄分による黄変を回復させることができ、白物のみに使用できる。

 家庭生活は、消費生活そのものといえます。消費者問題として、高齢者は悪質商法の対象になりがちです。そのようなときに活用できるクーリング・オフ制度について、第26回、27回で出題されました(第30回では「介護の基本」で事例問題として出題)。第28回では、悪質商法や詐欺の種類と介護福祉職が行う助言について出題されました。また、チョコレートは油性のシミなのでベンジンを使用する(第24回に出題)、畳は畳の目に沿って拭く、食中毒予防のため、生の肉を切った包丁とまな板は、すぐに洗って熱湯をかけておく、ほころびや破れがあるものは、修理してから洗濯する(第30回に出題)など、家事の知識は受験勉強に加え、日々の家庭生活での経験も思い出し、解答したいですね。