馬淵先生のケアマネジャー受験対策講座
ケアマネジャー試験で出題される介護支援分野、保健医療サービスの知識等、福祉サービスの知識等の3分野の中から厳選した〈必ず知っておきたいテーマ〉を解説しています。 講師はケアマネ試験対策のプロ・馬淵敦士先生。いっしょに合格を目指しましょう!
居宅介護支援・介護予防支援
居宅介護支援・介護予防支援とは、ケアマネジャーが行うケアマネジメントのことをいいます。そのケアマネジメントを行うのが、居宅介護支援事業者と介護予防支援事業者です。介護支援分野で唯一出題される「事業者」になります。
対象者が異なることによって事業の名称が変わり、それぞれの指定基準には共通する部分と異なる部分があります。覚えやすいように両者を比較しながら確認しましょう。
居宅介護支援と介護予防支援の違い
居宅介護支援は、要介護1以上の認定を受けた方が対象のケアマネジメントです。
一方、介護予防支援は「介護予防」とあることからわかるとおり、要支援1・2の認定を受けた方が対象となっています。

事業者の指定基準
一定の基準を満たさないと指定されない
今回お話しする居宅介護支援事業者・介護予防支援事業者だけでなく、介護保険制度によるサービスを提供するためには、定められた基準をクリアしなければなりません。その基準を「指定基準」と呼びます。
居宅介護支援事業者・介護予防支援事業者には「設備基準」がない
介護保険制度では、事業者の指定基準として「人員基準」「設備基準」「運営基準」が定められており、これらを満たした事業者のみが指定を受けることができます。
ただし、居宅介護支援事業者・介護予防支援事業者の指定基準には、設備基準がありません。
これらの基準は、指定権者(その事業を指定する権限がある者)が条例で定めることとされ、居宅介護支援事業者と介護予防支援事業者の基準は市町村の条例で定められています。
人員基準
同じケアマネジメントを行う事業者でも人員基準は異なる
居宅介護支援事業者と介護予防支援事業者は対象者が異なるだけで、どちらもケアマネジメントを行うということはすでにお話ししました。
まずは、それぞれの事業所ごとの人員基準を表で確認しましょう。
居宅介護支援事業所 | 介護予防支援事業所 | |
---|---|---|
管理者の資格 | 主任介護支援専門員 | 特段の定めなし |
従業者 | 介護支援専門員 | 担当職員 |
担当件数 | 1人あたり35件が上限 | 定めなし |
2つを並べても共通点が見当たらないですね。人員基準は、このように比較して覚えておくとよいです。
さて、少しだけ掘りさげてみます。まず、管理者についてです。表には資格のみを示していますが、管理者は「常勤かつ専従」である必要があります。ただし、管理に支障がない場合は兼務が可能という注釈がつきますので間違えないようにしましょう。
次に、介護予防支援事業者の従業者は、都道府県が実施する研修を受講するなどして介護予防支援業務に必要な知識・能力を有する下記の者とされています。
②介護支援専門員
③社会福祉士
④経験ある看護師
⑤高齢者保健福祉に関する相談業務等に3年以上従事した社会福祉主事
担当件数については、居宅介護支援事業者には定めがありますが、介護予防支援事業者には定めがありません。
運営基準
人員基準とは対照的に、運営基準はほとんど共通すると思ってよいです。
運営基準は、ワークブックでも4ページにわたって解説されており、重要で試験でもたくさん出題されています。ここでは、近年出題された運営基準についてご紹介します。
サービス提供困難時の対応
利用申込者に対してサービス提供が困難な場合は、他の居宅介護支援事業者の紹介その他必要な措置を講じなければなりません。
秘密保持
正当な理由なく、業務上知り得た内容を漏らしてはなりません。また、これは退職してからも引き続き継続する義務となります。
内容および手続きの説明と同意
利用者は、複数の居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができます。そのことを利用者に説明し、理解を得る必要があります。
また、利用者が病院・診療所に入院する必要が生じた場合には、介護支援専門員の氏名や連絡先をその病院・診療所に伝えるよう求めなければなりません。
要介護認定の申請にかかる援助
要介護認定を受けていない利用申込者に対して、利用申込者の意思をふまえて速やかに申請が行われるよう必要な援助を行います。
その他、2024(令和6)年3月末までは努力義務となっていますが、2021(令和3)年の改正で追加された内容を項目だけ紹介しておきます。
・衛生管理等
・虐待の防止
運営基準については、まず紹介した4つを覚え、それ以外は過去問解説集に取り組みながら、出題された内容をワークブックで確認しましょう。
まとめ
居宅介護支援・介護予防支援の内容は法令の文言なども含まれているため、一度読んだだけでは頭に入りにくいかもしれません。しかし、何度も何度も繰り返すと、必ず理解できるようになります。過去に出題された問題を確認しながら学習していくとよいでしょう。
また、条文をそのまま覚えるのではなく、少しかみ砕いた言い回しで覚えていくのも効果的です。最初のハードルは低いほうが越えやすいです。みなさんで工夫してみてくださいね。

馬淵敦士(まぶち あつし)
ベストウェイケアアカデミー学校長。介護福祉士、ケアマネジャーの受験対策講座を各地で開催し、アカデミー受講者の合格率は全国合格率を大幅に上回る。『ケアマネジャー試験過去問解説集』(中央法規)の代表執筆を務める。
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