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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2020年の合格率が17.7%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。


第20回  「ケアマネジメント論」3回目

「実力試し」をする時期ですね

 みなさんどうですか? 学習の成果はあがっていますか? 試験の分野はこの「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」ですからね。

 そろそろ学習も一区切りかもしれませんね。そんなときは模擬問題にチャレンジしたり、最近の過去問題にチャレンジしたりして、ケアマネジメントのプロセスの1つである「モニタリング」を行ってくださいね。

 その結果、あまり学習効果がないなと思われても大丈夫。基礎的な点はおさえているのですから、より深く模擬問題や過去問題で誤ったところを確実にしていく「フォローアップ」を丁寧にしていきましょう。合格は着実に近づいていますから、一歩一歩、学習する時間を楽しんでくださいね。




「指定基準」と「ケアマネジメント」のプロセスの過去問題の解説

 さて先週は、「ケアマネジメント論」について「九訂基本テキスト」を読んだ私の「我流ノート」を掲載していただきました。大切な事項、新たな書き下ろしされたポイントを中心にまとめたところです。

 実は下巻の「福祉サービス分野」のタイトルは「ソーシャルワークとケアマネジメント」として第5編、第1章となっていますが、ケアマネジメントについては何も書かれていませんので、大幅に書下ろしされた、「上巻の第2編」の内容と出題が気になるところですが、先週もお話ししたように、このあたりの新問題は、今年の試験ではなく、来年の試験といったのがこれまでの基本テキスト改訂と試験問題の関係性です。とは言え、九訂「基本テキスト」の書下ろし部分について、どんな試験問題が出題されるのか、わくわくしてきたのは私だけでしょぅか。但し、これまでの試験では「ケアマネジャーになるための試験」なのに、ケアマネジメントの考え方が出題されないのは不思議です。その理由の一つにまだまだ「ケアマネジメント」に一定の理論体系が完成していないことも原因なのかもしれません。出ないものは出ないと割り切れないのは、ケアマネジメントの大切さがわかっている人だけなのかもしれませんね。 ガックシ…

 そして今週からは、必ず出題される「指定基準」に関する問題についての過去問題をあげて2週にわたって解説していきたいと思います。

 今週は、第18回(2015(平成27)年度)と第19回(2016(平成28)年度)と第20回(2017(平成29)年度)を解説し、来週は第21回(2018(平成30)年度)と第22回(2019(令和元)年度)と第23回(2020(令和2)年度)を解説します。

第18回(2015(平成27)年度)

問題19 介護支援専門員が指定居宅サービス事業者に対して提出を求めるものとされている個別サービス計画として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 訪問介護計画
  • 2 訪問入浴介護計画
  • 3 訪問看護計画
  • 4 訪問リハビリテーション計画
  • 5 居宅療養管理指導計画

解答  1・3・4 

解説(×のもの)
 介護保険法改正により2015(平成27)年度から居宅サービスに位置づけられた指定居宅サービス事業者などに対して、訪問介護計画などのいわゆる「個別サービス計画」の提出を求めることができるとされました。具体的に提出を求めることができる個別サービス計画とは、「訪問介護計画」「訪問看護計画」「訪問リハビリテーション計画」「通所介護計画」「通所リハビリテーション計画」「短期入所生活介護計画」(おおむね4日以上で作成した場合)、「短期入所療養介護計画」(おおむね4日以上で作成した場合)、「福祉用具貸与計画」「特定福祉用具販売計画」であることが「指定基準」に明示されています。したがって、明示されていない「訪問入浴介護計画」と「居宅療養管理指導計画」は誤りです。それにしても、どうしてこんな詳細な問題が出題されるのでしょうかね。

問題20 医師が行う指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 介護認定審査会に対し、療養上の留意点に関する意見を述べる。
  • 2 居宅介護支援事業者の求めに応じ、居宅サービス計画作成に必要な情報提供を行う。
  • 3 居宅サービス計画作成に必要な情報提供は、原則として、サービス担当者会議に参加して行う。
  • 4 利用者に提供した内容を居宅介護支援事業者に報告しなければならない。
  • 5 利用者の家族に対して介護方法等の指導を行う。

解答  2・3・5 

  • 解説(×のもの)
  • 1 介護認定審査会に対し療養上の留意点を述べることは要介護認定等を行うためのものであり、居宅療養管理指導には該当しません。医師が行う指定居宅療養管理指導は、利用者またはその家族への指導・助言、指定居宅サービス事業者、居宅介護支援事業者への情報提供・助言です。
  • 4 このような規定はありません。医師が指定居宅療養管理指導を行ったときは診療録に記録しておく必要がありますが、介護支援専門員への報告は義務づけられていません。居宅療養管理指導は区分支給限度基準額の管理対象ともなっていませんね。

問題22 介護予防支援事業について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 事業所の管理者は、主任介護支援専門員でなければならない。
  • 2 介護予防サービス計画は、主任介護支援専門員が作成しなければならない。
  • 3 経験ある介護福祉士を配置しなければならない。
  • 4 業務の一部を指定居宅介護支援事業者に委託できる。
  • 5 介護予防サービス計画には、地域住民による自発的なサービスも位置付けるよう努めなければならない。

解答  4・5 

  • 解説(×のもの)
  • 1 指定介護予防支援事業所の管理者は、常勤で1人を置くこととされていますが、資格や職種については規定されていません。管理者が介護支援専門員でなければならない指定居宅介護支援事業所とは異なるところですね。
  • 2 介護予防サービス計画は、管理者が担当職員に作成させることが規定されているだけで、必ず「主任介護支援専門員」が行うものではなく、介護予防支援に関する知識を有するものであればよいこととなっています。
  • 3 唐突にこの選択肢はなんなんでしょうね。なんの経験? と問いたくなりますが、このような規定はありません。

第19回(2016(平成28)年度)

問題19 居宅介護支援におけるモニタリングについて正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 地域ケア会議に結果を提出しなければならない。
  • 2 結果の記録は、居宅介護支援完結の日から2年間保存しなければならない。
  • 3 地域包括支援センターの指示に基づいて実施しなければならない。
  • 4 月に1回以上、結果を記録しなければならない。
  • 5 課題整理総括表を用いて行わなければならない。
  • (注)「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38
        号)の定める内容による。

解答  2・4 

  • 解説(×のもの)
  • 1 モニタリングの記録を残すという規定はありますが、地域ケア会議に結果を提出するといった規定まではありません。
  • 3 なんですかね。「地域包括支援センターの指示」って?
    ケアマネジャーの専門性についても疑われますね。設問自体がナンセンスです。
  • 5 モニタリングの記録様式については、「経過記録」としての任意のもので課題整理総括表を用いる規定はありません。そもそも「課題整理総括表」とは何かですよね。
     この様式は、アセスメント後に、適切なニーズを導きだすためのもので、ケアプラン作成時に活用することを目的に位置付けられました。

問題22 サービス担当者会議について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 特記事項を書いた認定調査員は、出席しなければならない。
  • 2 地域包括支援センターの主任介護支援専門員は、出席しなければならない。
  • 3 利用者が要支援更新認定を受けた場合は、開催するのが原則である。
  • 4 介護予防サービス計画の原案の内容について、担当者から意見を求める。
  • 5 施設サービス計画の原案を作成するため、常に開催しなければならない。
  • (注1) 選択肢1は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚
         生省令第38号)の定める内容による。
    (注2) 選択肢2、3及び4は「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに
         指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」
         (平成18年厚生労働省令第37号)の定める内容による。
    (注3) 選択肢5は「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」
         (平成11年厚生省令第39号)の定める内容による。

解答  3・4 

  • 解説(×のもの)
  • 1 サービス担当者会議は、本人・家族、ケアプランに位置づけられたサービス提供事業者を介護支援専門員が招集し、主宰するもので、認定調査員の出席の必要はありません。
  • 2 1と同じで、主任介護支援専門員の出席の必要はありません。
  • 5 「常に開催」ってどんなことですかね? 施設サービス計画の原案が作成された後に開催するものですよね。

問題23 居宅介護支援のアセスメントについて正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 認定調査員に委託できる。
  • 2 指定市町村事務受託法人に委託できる。
  • 3 居宅サービス計画原案を示しながら行う。
  • 4 利用者の有する能力を評価する。
  • 5 利用者の置かれている環境等を評価する。
  • (注)「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第38
       号)の定める内容による。

解答  4・5 

  • 解説(×のもの)
  • 1 いきなり何ですかね。この設問は。アセスメントは介護支援専門員が行うのは当然ですよね。
  • 2 もうやめてくださいよ~。無理やりの妄想、受験勉強の少ない受験者をひっかけるための設問に感じてしまいます。アセスメントは介護支援専門員の業務です。
  • 3 居宅サービス計画原案を作成するために行うのがアセスメントなんですがね。どうして、こんなヘンテコな内容に作成されてしまったのかなと思います。

問題24 居宅介護支援の開始について適切なものはどれか。3つ選べ。

  • 1 時期は、要介護認定後である。
  • 2 利用申込者の同意を得なければならない。
  • 3 あらかじめ、苦情処理の体制について説明しなければならない。
  • 4 障害者施策の相談支援専門員を介して依頼が来る場合がある。
  • 5 入院患者については、退院後でなければならない。
  • (注)選択肢2及び5は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年
       厚生省令第38号)の定める内容による。

解答  2・3・4 

  • 解説(×のもの)
  • 1 認定申請前であっても、緊急かつやむを得ないと判断される場合は、特例居宅サービス計画費が認められています。
  • 5 退院に向けての支援は重要であり、退院後でなければならないとは限りません。

第20回(2017(平成29)年度

問題8 指定居宅介護支援事業について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 要介護認定を受けた生活保護受給者には、福祉事務所の現業員が居宅サービス計画を作成しなければならない。
  • 2 指定居宅介護支援事業所ごとに、主任介護支援専門員を置かなければならない。
  • 3 指定居宅介護支援事業所ごとに、常勤の管理者を置かなければならない。
  • 4 管理者は、同一敷地内にない他の事業所の職務に従事することができる。
  • 5 指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理をしなければならない。

解答  3・5 

  • 解説(×のもの)
  • 1 生活保護法の指定介護機関である居宅介護支援事業所が作成する。
  • 2 当時の基準では誤りとなりますが、改正により「主任介護支援専門員」とされました。
  • 4 管理者は、管理に支障がない限り、同一敷地内にある他の事業所の職務に従事することができるとされており、同一敷地内にない他の事業所の職務には従事できない。

問題19 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されている内容として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 居宅における自立した日常生活への配慮
  • 2 利用者自身によるサービスの選択
  • 3 保険給付の重点的な実施
  • 4 公正中立
  • 5 高齢者虐待の通報

解答  1・2・4 

  • 解説(×のもの)
  • 3 基準には保険給付の重点的な実施は規定されていない。
  • 5 高齢者虐待の通報の役割は重要であるが、基準には規定されていない。

問題10 指定介護予防支援事業者について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 管理者は、他の職務に従事することはできない。
  • 2 指定介護予防支援事業所ごとに、主任介護支援専門員を置かなければならない。
  • 3 管理者は、介護支援専門員にアセスメントを担当させなければならない。
  • 4 サービス担当者会議に対応する適切なスペースを確保する。
  • 5 担当職員の身分を証する証書には、写真を貼付することが望ましい。

解答  4・5 

  • 解説(×のもの)
  • 1 管理者は管理に支障がない場合、地域包括支援センターや他の職務に従事することができる。
  • 2 地域包括支援センターには主任介護支援専門員の設置が必要となるが、指定介護予防支援事業所の人員基準に主任介護支援専門員は規定されていない。
  • 3 管理者は担当職員に介護予防支援計画の作成に関する業務(アセスメントを含む)を担当させなければならないが、担当職員は介護支援専門員である必要はない。

 いかがでしたか、基準に関する問題は正答がはっきりしているので、試験では「出る!」のです。 出るなら覚えておかなくてはいけないですね。先週のノートでも大切な基準がまとめてありますので、参考にしてください。そして、間違えた問題やよくわからなかった問題は、『[九訂]介護支援専門員基本テキスト』『ケアマネジャー試験ワークブック2021』『ケアマネジャー試験 過去問解説集2021』で確認して、確実に理解しておきましょう。

 来週は、第21回(2018(平成30)年度)、第22回(令和元)年度、同年度・再試験、と第23回(2020(令和2)年度)を解説します。

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