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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2020年の合格率が17.7%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。


第19回 「ケアマネジメント論」2回目

あと60日を切りました!

 東京オリンピック2020大会も閉幕しました。「がんばれ ニッポン!」と応援してきた毎日も、メダル獲得した選手たちのエピソードに感動した日々も、次のパラリンピックへと繋がっていきます。皆さんにとってもメダリストについても、また惜しくも涙をのんだ選手についても感動的な場面がありましたでしょうか。こうした選手に感動できるのは、「不断の努力」があったからです。私は柔道で金メダルをとった 素根 輝(あきら) 選手が父の言葉として言われてきた「3倍努力」ということばに感動しました。

 「おもてなし」ではじまった東京オリンピック2020大会は、新型コロナ感染拡大の傾向があり多くの国民が「開催しないほうがよい」というなか開催されました。現実的には回避できない感染の拡大が進んでいて、閉会式当日からは、緊急事態宣言が6都府県、まん延防止特別措置が13道府県に拡がりました。こうした状況ではありますが、受験生の皆さんにとっては、この暑い夏をどう攻めるかです。着実に、着実に一歩ずつ頭に入れる努力が求められますね。皆さんにとって決戦は10月10日。コロナ禍で試験が実施できるのかという一抹の不安はありますが、合格できるのかなという不安がないように、少しずつでも前を向いて学習していきたいものです。

 ところで、過日卒業生が訪ねてくれました。目的は「今年のケアマネ試験で出るところは何処か」を聞きにきたとのこと。彼が大学の講義の時、なにを聞き間違えたのか「先生が問題をつくっている」と勘違いして覚えていたようです。いやいや…。仮に試験問題作成の委員だとしても、そんなことは言えませんからと話しましたが、彼が私に凄い「自習ノート」を見せてくれました。(彼が大学生の時にはこんなノートはつくっていませんでした。) 大学時代にこれくらいやったら人生ちょっと変わったかもと笑ってくれましたが、本当に凄いノートでした。昨年たった1点で不合格だった悔しさからノートはつくられていました。ノートをつくるのも有効ですね。彼はきっと今年こそ合格してくれると信じています。

 さて、ケアマネジメント論については、『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』で執筆者が大きく変わり、イラストもいっぱい使われていましたが、またまた今回の改訂で執筆者が変更となりました。『[九訂]介護支援専門員基本テキスト』(以下「基本テキスト」)を見てみると、巻頭の編集委員会の委員長記載の中で、ケアマネジメントと介護保険の関係について触れてあり、本文では「介護保険とケアマネジメント」という表現で目次を含め柱立てされています。記述されている内容も新しい事項も含まれていますが、正直わかりにくい記述が多い感じがします。むしろ私的には八訂の記述が感覚的にフィットするといった感じでしょうか…。読んでいてすぐ理解できる内容だったのかもしれませんし、介護保険の枠ではないケアマネジメントのあり方を論じている部分には、激しく同意できた箇所もありました。

 そんな話より、皆さんが気になるのは、新しく書かれた内容が出題されるのかどうかですよね。これまで9回の改訂があるわけですから、改訂の度に試験問題がどう変わったかというと、基本テキストが試験の内容を網羅しているといっても、改訂された年の試験問題にすぐに改訂された内容が出題されることは、制度改正に関わる部分以外では、ありません。むしろ2年目、つまり来年は九訂からの出題がみられるようになります。

 しかしながら、「ケアマネジメント」については、これまでの試験で出題内容が大きく変わったことがありません。むしろ、介護支援分野全体をみたとき、地域包括ケアや地域共生社会、さらには重層的支援まで記載され、介護保険法の改正を含め、ケアマネジャーや地域包括支援センター、地域支援事業などの記載内容が大幅に増え、さらにはケアマネジャーのあり方まで言及している点は九訂の大きな変更点です。

 そこで、今回は卒業生がつくった自習ノートに刺激を受けたので、九訂「基本テキスト」を読んでみての、「我流ノート」をつくってみました。

 今回は九訂「基本テキスト」をお持ちでない方にはページ数などは参考にならないと思われますが、どんな内容が書かれているかも知っていただくことだけでも大切だろうと思います。

 あくまでも「我流ノート」ですし、読み落としてまとめていない部分もあるかもしれませんが、今週は、できましたら基本テキストを読みながら、私のノートと比べていただければと思います。




第1編「介護支援専門員に必要な基本視点」我流ノート

  • ●介護保険制度におけるケアマネジメント機能 (「基本テキスト上」p.189~196)
    1 個別支援と地域支援を行う包括モデル
    2 利用者本位のケアマネジメント
    3 法の理念を実現するケアマネジメント

 ケアマネジメントのプロセス
 ①インテーク・契約 ②課題分析 ③居宅サービス計画原案の作成 ④サービス担当者会議
 ⑤モニタリング ⑥終結と「循環」

  • ●介護支援専門員がもつべき基本理念 (「基本テキスト上」p.198~200)
    【介護保険制度の源流】
     1 高齢者介護に対する社会的支援
     2 高齢者自身による選択
     3 在宅介護の重視
     4 予防・リハビリテーションの充実
     5 総合的、一体的、効率的なサービスの提供
     6 市民の幅広い参加と民間活力の活用
     7 社会連帯による支え合い
     8 安定的かつ効率的な事業運営と地域性の配慮
    【介護保険制度における基本理念】
     1 自立支援
     2 利用者本位
     3 社会保険方式
  • ●利用者の自己決定の尊重
  • ●自己決定の側面的支援
  • ●利用者の尊厳の保持 (価値観)
  • ●介護支援専門員の視点 (「基本テキスト上」p.206~228)
     自立支援の視点
     多様な生活を支える視点
     家族介護者への支援
     保健・医療・福祉サービスを統合したサービス調整の視点
     チームアプローチの視点
     適切なサービス利用(硬化性、効率性)の視点
     社会資源調整の視点
  • ●介護支援専門員の基本倫理 (「基本テキスト上」p.232~236)
     基本的人権と個人の尊厳
     利用者の主体性と介護支援専門員の公正性・中立性
     社会的責任
     法令遵守
  • ●介護支援専門員の基本視点 (「基本テキスト上」p.237~239)
     ①自立支援 ②ノーマライゼーションとQOL ③生涯発達
  • ●介護保険制度におけるケアマネジメント (「基本テキスト上」p.264~)
    介護保険制度におけるケアマネジメントの種類
    ①居宅介護支援…居宅の要介護者
    ②施設における介護支援…施設の要介護者
    ③介護予防支援…居宅の予防給付を受ける者
    ④第1号介護予防支援事業…予防給付を受けない居宅要支援者等
  • ●運営基準を遵守したケアマネジメントの重要性 (「基本テキスト上」p.310~334)
    1 運営基準(支援)の理解
    ・指定居宅介護支援事業者
     人員基準 常勤1人以上配置 (利用者35人に1人)
     管理者は「主任介護支援専門員」2018.04~
    運営基準 主な基準は理解しておくこと「図表6-20」
    運営基準(支援)の概要
    居宅介護支援の具体的取扱方針(「基本テキスト上」p.314~315)
    運営基準(支援)・解釈通知(支援)(「基本テキスト上」p.316~334)
  • ●居宅介護支援の介護報酬 (「基本テキスト上」p.335~339)
    ①基本報酬
    ②加算減算の算定要件
  • ●介護予防支援 (「基本テキスト上」p.342~374)
    ①居宅介護のような「課題分析標準項目」等はない
    ②基本チェックリスト→6つの介護予防ニーズ
               運動機能の低下・低栄養状態・口腔機能の低下・閉じこもり・
               認知機能の低下・うつ病の可能性

    • ・介護予防サービス・支援計画作成指針
    • ・モニタリングおよび介護予防サービス・支援計画での再課題分析
    • ・介護予防支援事業者と関係機関・関係者との連携
      地域包括支援センター、介護予防サービス事業者、民生委員、ボランティア等のインフォーマルな支援
  • ●運営基準(予防)を遵守したケアマネジメントの必要性 (「基本テキスト上」p.370~374)
    ①基準については、運営基準(支援)と同様の読み替え
  • ●指定介護予防支援の介護給付費(介護報酬)(「基本テキスト上」p.375)
    ①加算の種類 初回加算・委託連携加算
  • ●施設における介護支援 (「基本テキスト上」p.354~355)
    介護保険施設は社会資源の一つ (地域包括ケアシステムの視点)
    円滑な施設入所の支援
    入退所における連携
    入所中の多職種協働

 来週は、指定基準についてまとめてみようと思います。九訂「基本テキスト」では、重要な基準が表でまとめられていますので、わかりやすいと思います。
 お盆の移動でこれ以上の感染が拡がらないことを祈りつつ、自然災害の被害もないことを祈ります。
 また、この暑さもこれからもますます暑くなるようですので、体調を充分管理していただき、合格に向けての「不断の努力」(できれば「人の三倍の努力」)をお願いし、金メダルをとりましょう! これからも応援しつづけますよ!

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