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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2020年の合格率が17.7%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。


第8回  第3単元「保険事故」 2回目

いよいよ受験願書の配布・申込みが始まります

 皆さん、こんにちは。早い都道府県では、来週あたりから受験願書の配布・申込みが始まりますね。

 社会福祉振興・試験センターのホームページに記載されている都道府県窓口からネットサーフィン気分で見ていても、今年度の試験概要までなかなかたどり着かないところがありますが、掲載されている内容を確認して願書を入手するとともに、必要な証明書等の準備は怠りなくお願いいたします。
 提出については、6月末までが締切りのピークだと思われますので、受験料の振り込み、証紙の購入なども確実に進めてくださいね!
 それと、受験資格については、しっかりと確認してください。受験願書を提出したと安心していたら、受験資格の要件を満たしていないなど照会の問い合わせが来ることもあるようです。
 例えば、介護福祉士資格「登録後 5年以上、900日以上」となっていますので、「介護福祉士登録証」を確認しておいてくださいね。登録日からですので、合格した年度ではありません。各自が国家試験の合格後に手続きをした期日が命運を分けることにもなりますね。そして、勤務証明が複数の施設や事業所で発行していただかなければならない方も、余裕をもって以前の職場に依頼してください。
 試験申込先では、受験資格に関する問い合わせにも応じていただけるようですので、心配な方は、必ず各都道府県の試験申込先等に確認することをおすすめします。

「モニタリング」しましょう!

 さて、もうすでに5月末です。受験を決めてから2か月を経過したところかと思いますが、順調に学習は進んでいますか?

 ケアマネジメントは、「計画」策定の専門職であると同時に、マネジメントプロセスには「モニタリング」もありますよね。

  • (1)計画が適切に実施されているか
  • (2)計画の援助目標が達成されているか
  • (3)個々のサービスやサポートの内容が適切であったかどうか
  • (4)計画の変更を求めるような新しいニーズが生じていないか

といった「モニタリング」の目的という視点から、ご自身の受験対策の状況も「モニタリング」してみることをおすすめします。

 待ちに待った『[九訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)も間もなく発行されますが、入手の準備は済んでいますか?
 また、『ケアマネジャー試験ワークブック2021』(「ワークブック」)の読み込みは進んでいるでしょうか。先週もお話ししましたが、過日訪ねてきた卒業生のワークブックには、マーカーがびっしりと引かれ、「わからない」ところに付箋が貼られていて、その付箋のページの説明をさせられました。驚きました!! 疑問や質問ができるということは、しっかりと学習している証拠です。ひょっとしたら学生のときよりも勉強しているんじゃないの ? と言うと、「そうですね」「絶対1回で合格したいですから」ですって。
 たぶん、多くの皆さんはこんな状況下でもすごく頑張っていらっしゃるのだと感じました。皆さんが挑戦する試験は、合格率10%台の難関の試験で、試験日まであと4か月・130日余です。ぜひとも、いったん立ち止まって「モニタリング」してみてくださいね。

 あっ!! モニタリングの一つとして、『ケアマネジャー試験 統一模擬試験』なども実施されるようですから、腕試しに受けてみるのもよいと思います。

「保険事故」の手続きも問題

 さて、今週は「保険事故」の具体的手続きについてお話をさせていただきます。先週は、保険事故の申請から認定に至るプロセスについて「キーワード」をあげるとともに、その概略を解説しました。
 これまでの試験でも「要介護認定」に関する問題は毎年出題されていますから、過去問題をみながら「具体的手続き」の解説としていきたいと思います。

 「保険事故」に関する問題は、過去には毎回5問程度出題されていたのですが、近年は2~3問と減少している傾向にあります。たぶん、今年の試験でも2~3問程度の、しかも基本的な問題が出題されると予想されます。

 そこで今回は、過去問題を分解した20の「○×問題」に取り組んでいたたきながら、先週の解説やキーワードを確認してほしいと思います。

 どれも基本的な問題ですから、瞬時に○×を判断してほしいと思います。( )をクリックすると正解を見ることができます。それではがんばって!

  • (1)特定疾病には、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症が含まれている。  ○ 
  • (2)認定申請に当たっては、家族による代理申請や民生委員及び社会保険労務士による申請代行ができる。  ○ 
  • (3)介護認定審査会の合議体を構成する委員の定数は、市町村が定める。  ○ 
  • (4)市町村は、新規認定及び更新認定に係る調査を指定市町村事務受託法人に委託することができる。  ○ 
  • (5)認定を受けた被保険者は、有効期間満了日前でも、要介護状態区分変更の認定を申請することができる。  ○ 
  • (6)介護認定審査会の委員の定数は、市町村の条例により定める。  ○ 
  • (7)地域密着型介護老人福祉施設には、申請手続きの代行が認められている。  ○ 
  • (8)市町村は、申請をした被保険者が要介護者に該当しないと認めたときは、理由を付して通知するとともに、被保険者証を返付しなければならない。   ○ 
  • (9)要介護認定の効力は、その申請のあった日にさかのぼって生じる。  ○ 
  • (10)更新認定は、更新前の要介護認定の有効期間満了の翌日まで遡って効力を生じる。 ○ 
  • (11)市町村は、新規認定に係る調査を地域包括支援センターに委託できる。  × 
  • (12)認定の有効期間は、介護認定審査会が決定する。  × 
  • (13)要介護認定の効力は、要介護状態になった日に遡って生じる。  × 
  • (14)市町村が共同設置した介護認定審査会の業務は、認定調査及び審査・判定である。  × 
  • (15)認定調査の調査票は、基本調査と特記事項からなり、具体的な調査項目及び様式は、保険者である市町村の条例に定められている。  × 
  • (16)新規認定の有効期間は原則6月間であるが、市町村が介護認定審査会の意見に基づき必要と認める場合には、1年間の範囲内で定める期間とすることができる。  × 
  • (17)市町村から審査判定業務の委託を受けた都道府県は、介護認定審査会を設置するとともに、認定調査を実施しなければならない。   × 
  • (18)市町村が要介護認定を行ったときは、介護認定審査会の意見を介護支援専門員に通知しなければならない。  × 
  • (19)特定疾病には、進行性筋ジストロフィー症が含まれている。  × 
  • (20)要介護認定等基準時間には、輸液の管理等の医療関連行為に要する時間は含まれない。   × 

 正答については、(1)~(10)が〇で、(11)~(20)が×ですね。
 先週のキーワードを理解して、ワークブックを熟読すれば「保険事故」の問題はクリアできると思いますよ。今回間違えてしまったところは注意してくださいね。

 ちなみに、近年(過去3年分)の「保険事故」、つまり「要介護認定」に関する問題は、次のとおりですので、掲載しておきます。のちほどお話ししますが、ここ最近は大きく出題傾向が変更されていますので、びっくりしますよ。
 解答は。( )をクリックすると見ることができますが、解説は来週しますね!

第21回(2018(平成30)年度)試験

問題20 要介護認定について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 主治の医師の意見は、介護認定審査会に通知しなければならない。
  • 2 介護認定審査会の意見は、主冶の医師に通知しなければならない。
  • 3 介護認定審査会の審査及び判定の結果は、介護支援専門員に通知しなければならない。
  • 4 要介護認定等基準時間は、1日当たりの時間として推計される。
  • 5 要介護認定等基準時間の推計の方法は、都道府県の条例で定める。

【正解】  1・4 

問題21 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 認定調査票の基本調査項目には、口腔清潔に関する項目が含まれる。
  • 2 認定調査票の基本調査項目には、主たる介護者に関する項目が含まれる。
  • 3 認定調査票の基本調査項目には、集団への不適応に関する項目が含まれる。
  • 4 要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、疼痛の看護が含まれる。
  • 5 要介護認定等基準時間の算定の合算対象には、認定調査票の特記事項の内容が含まれる。

【正解】  1・3・4 

問題22 介護認定審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 認定調査を行うことができる。
  • 2 認定の有効期間について意見を付すことができる。
  • 3 要介護状態の軽減のために必要な療養について意見を付すことができる。
  • 4 被保険者が受けることができるサービスの種類を指定することができる。
  • 5 被保険者に主治の医師がいないときは、診断を行う医師を指定することができる。

【正解】  2・3 

第22回(2019(令和元)年度10月試験)試験

問題21 要介護認定について申請代行を行うことができるものとして正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 指定地域密着型特定施設入居者生活介護事業者
  • 2 指定居宅介護支援事業者
  • 3 指定認知症対応型共同生活介護事業者
  • 4 地域包括支援センター
  • 5 地域密着型介護老人福祉施設

【正解】  2・4・5 

問題22 要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 被保険者が必要な調査に応じない場合は、市町村は認定の申請を却下しなければならない。
  • 2 新規認定の調査は、地域包括支援センターに委託できる。
  • 3 更新認定の調査は、指定居宅介護支援事業者に委託できる。
  • 4 指定市町村事務受託法人は、認定調査を実施できる。
  • 5 遠隔地に居住する被保険者から認定の申請があった場合には、現に居住する市町村が調査を実施しなければならない。

【正解】  3・4 

問題23 要介護認定について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 更新認定の申請ができるのは、原則として、有効期間満了日の30日前からである。
  • 2 新規認定の効力は、申請日にさかのぼって生ずる。
  • 3 介護認定審査会は、申請者が利用できる介護サービスの種類を指定することができる。
  • 4 要介護認定の処分の決定が遅れる場合の処理見込期間の通知は、申請日から60日以内に行わなければならない。
  • 5 市町村が特に必要と認める場合には、新規認定の有効期間を3月間から12月間までの範囲内で定めることができる。

【正解】  2・5 

第22回(2019(令和元)年度3月再試験)試験

問題16 介護保険法第7条に規定する要介護者又は要支援者の定義について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 要介護者のうち第1号被保険者については、要介護状態の原因を問わない。
  • 2 要介護状態に該当するためには、常時介護を要する状態が6月前から継続している必要がある。
  • 3 要支援状態に該当するためには、常時介護を要する状態の軽減又は悪化の防止に資する支援を要する状態が6月前から継続している必要がある。
  • 4 要介護者のうち第2号被保険者については、要介護状態が政令で定める疾病によって生じたものに限られる。
  • 5 要支援者のうち第2号被保険者については、要支援状態が政令で定める疾病によって生じたものに限られる。

【正解】  1・4・5 

問題17 要介護認定の認定調査票(基本調査)について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 点滴の管理は、含まれない。
  • 2 徘徊は、含まれない。
  • 3 買い物は、含まれる。
  • 4 外出頻度は、含まれる。
  • 5 身体障害者障害程度等級は、含まれる。

【正解】  3・4 

問題18 介護認定審査会について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 原則として、保険者である市町村の職員は委員となることができない。
  • 2 委員の定数は、被保険者数に応じて都道府県が定める。
  • 3 委員は、市町村長が任命する。
  • 4 複数の市町村で共同設置することはできない。
  • 5 必要に応じて、審査対象者の家族の意見を聞くことができる。

【正解】  1・3・5 

第23回(2020(令和2)年度試験)試験

問題17 被保険者の要介護認定を市町村が取り消すことができる場合として正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 正当な理由なしに、介護給付等対象サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたとき。
  • 2 要介護者に該当しなくなったと認めるとき。
  • 3 正当な理由なしに、市町村による文書の提出の求めに応じないとき。
  • 4 災害などの特別の事情がある場合を除き、1年間介護保険料を納付しないとき。
  • 5 正当な理由なしに、職権による要介護状態区分の変更認定を行うための市町村による調査に応じない

【正解】  2・5 

問題18 介護認定審査会について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 審査及び判定の結果を申請者に通知する。
  • 2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから任命される。
  • 3 要介護認定の有効期間を定める。
  • 4 必要があると認めるときは、主治の医師の意見を聴くことができる。
  • 5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。

【正解】  2・4・5 

>問題19 要介護認定に係る主治医意見書について正しいものはどれか。3つ選べ。

    1 主治医意見書の項目には、社会生活への適応が含まれる。
    2 主治医意見書の項目には、認知症の中核症状が含まれる。
    3 主治医意見書の項目には、サービス利用による生活機能の維持・改善の見通しが含まれる。
    4 介護認定審査会に通知される。
    5 要介護認定を受けようとする被保険者は、申請書に添付しなければならない。

【正解】  2・3・4 

 近年の問題で明らかに異様なのは、要介護認定の基本調査の項目や主治医意見書の内容にまで踏み込んだ出題が、5年前から見られるようになったことです。

 試験委員は問題作成のネタが詰まった宝箱を見つけたようで、こんな細かなところからも出題してくるんですよ。だから「合格しにくくなった」「受かる試験から落とす試験になった」といわれてしまうんですね。

 しかし、なぜそんな出題をするのでしょうね。ケアマネジャーに必要な基礎的な知識の範疇ではないのですが……。

 でも、出題されるなら、ある程度見ておく必要がありますね。

 解説を来週まで待てない…という人は、市販の過去問解説などをご覧くださいね。ただし、過去問題は古いものでもいいなんて思わないでくださいね。「過去問だけを何度もやっても受かる試験ではない」ことは、ここであげた4回分を見ただけでもわかりますよね。

 過去問題については、制度改正や基準改正などがありますので、当時の正解と現在の正解が変わってくるものがあるのです。前述の通り「過去問題だけで合格できる試験ではない」ので、過去問題を活用する場合は、解説が丁寧であるうえに改正についてもしっかりと対応できている新しいものを活用してくださいね。

 中央法規さんの『ケアマネジャー試験 過去問解説集2021』はオススメですね。過去5年分の試験問題に解説をわかりやすく加えてあります。

 また。〇×問題のような一問一答形式で学習をしたい場合は、神奈川県介護支援専門員協会編集の『『ケアマネジャー試験 過去問でる順一問一答2021』がおすすめです。

 過去問解説については、それぞれの学習スタイルでどちらかを選ばれ、活用されることを期待しています。

 さあ、今夜はもう少しがんばってみますか!!

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