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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2020年の合格率が17.7%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。


第1回  いよいよ4月 受験対策講座 開講します

 皆さん、こんにちは。今週から、2021年度の「第24回介護支援専門員実務研修受講試験」(ケアマネジャー試験)を受験する方々を対象とした、けあサポ「受験対策講座」を開講いたします。

 講座を担当いたしますのは、国際医療福祉大学で教鞭をとっております、林 和美と申します。
 私自身は、今年でケアマネジャー試験対策にかかわって、なんと24年目になります。今年実施される試験が第24回ですから、第1回の試験からケアマネジャー試験対策を行っているというわけです。ちなみに、私は第1回ケアマネジャー試験(1998(平成10)年)の合格者です。といっても制度がどんどん変わっていますので、その時の知識で受けたら絶対に合格できません(笑)。
 また、私は、これまで中央法規出版さんを中心に、全国各地で開催されるケアマネジャー試験対策セミナーの講師、雑誌の連載執筆、模擬問題集の作問、受験対策ビデオへの出演など、さまざまな活動を行ってきました。このけあサポ「受験対策講座」も、今年で16年目に入ります。

 このケアマネジャー試験ですが、2018年度より受験資格について大きな改正が行われています。具体的には、「法定資格保有者で実務経験を一定期間有する者」を基本とすることとされています。
 こちらについては、けあサポの「ケアマネジャーになりたい」に詳細に書かれています。今回初めて受験しようとされる方については、受験資格については再度確認されたほうがよいかと思います。

 さて、昨年(2020(令和2年)のケアマネジャー試験は、コロナウイルス感染状況の拡大もあり、ましてや介護、医療の業務にかかわっておられる方々が受験されるので、受験状況はどのようになるのかと心配していました。受験対策セミナー等の対面講義も中止されるなかで、受験に対するモチベーションがどのようになるのかを心配していました。一昨年の台風による再試験においても、新型コロナ感染症の拡大状況のなか、やむを得ず、受験を辞退する受験者が多く、当初受験予定者の半分の1万人ほどの受験者でしたから、受験者数や合格者数について、今後のケアマネジメントを担う専門職が確保できるかなども含めて注視していました。
 前述したように、ケアマネジャーの質を向上させることを目的に、受験資格の厳格化が行われました。この前年の駆け込み受験者も含めた2017年度の受験者数131,560人と比べると、介護職のキャリアアップや「ケアマネジャーになりたい」といった、いわば憧れの職種になり切れていないかとも感じます(このことについても、またお話しさせていただきますね)。

 ちなみに、駆け込みの2017年度も含めて、4年間の受験者数と合格者数をまとめてみました。
 昨年度の受験者数は、コロナ禍で減少するのではということはなく、受験者数は微増していることがわかります。一方で、合格率をみて、初めて受験される方は合格率の低さに目がいくことでしょう。しかし、これは合格基準が高いため、合格率が低いというものでしょうか。
 その原因は次のうちどちらかでしょう。(1)問題が難問奇問で正答が導き出せない、(2)受験者が充分な受験勉強をしていない、または(1)と(2)の両方が考えられるのです。

  全国の受験者数 合格者数 合格率
第23回 (令和2) 年度) 46,415人 8,200人 17.7%
第22回 (令和1) 年度) 41,049人 8,018人 19.5%
※第22回 (2019 ( 3月試験) 10,540人 2,374人 22.5%
※第22回 (2019 (10月試験) 30,509人 5,644人 18.5%
第21回 (2018 (平成30) 年度) 49,333人 4,990人 10.1%
第20回(2017(平成29)年度 131,560人 28,233人 21.5%

※厚生労働省の発表は、試験後は年度ごとにまとめられました。

 こうした合格率の変遷からしても、ケアマネジャーの試験は大変難関だから……、「1回で受かろうなんて思っていません」「まずは今年受けてみて考える」なんて声も聞こえてきますが、そんなことは言ってられません! 私は、全力で皆さんが今年のケアマネジャー試験で合格できるよう支援していきますので、よろしくお願いいたします。

 「合格することが、受験の目的です !」合格できない受験対策ではなく、必ず合格できる受験対策を提供したいと今年は特に考えています。

 そのために みなさんには、まず次の2つをお願いいたします。

  • (1)勉強に使用する教科書(九訂基本テキスト)を準備する。
    ※基本テキストが改訂される予定です。 <6月発行予定>
  • (2)「試験要項・受験願書の入手と申込み」は各自で確実にする。

 試験日は、全国統一の10月10日(日)です。
 あと190日ほどとなっています。
 (※合格発表は12月2日(木)予定)

 なお、ケアマネジャー試験の受験にあたっては、各都道府県または都道府県の指定する指定機関に受験願書を提出する必要があります。受験願書は、都道府県ごとに違いますが、例年5~6月頃から配布・受付が始まります。
 各都道府県の問い合わせ先は、公益財団法人 公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページにリンクされていますので、受験願書の入手と申し込みは確実に行ってくださいね。

 さて、合格を目標に一歩一歩確実に進みましょう。すべては合格計画・学習計画からはじめるとよいでしょう。

ケアマネジャーになる人は、「合格プラン」をつくることができる人

 さて、まず初めに私は、皆さんが「なにのプロ」になるのかということを必ずお話ししています。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務は、要介護者等の自立に向けたケアプラン(介護サービス計画)を作成することです。つまり、プラン(計画)を作成することが、ケアマネジャーの専門性の重要な要素でもあります。
 ということは、皆さんのゴールすなわち目標は「合格」にあるわけですから、皆さんには、まずこの「合格」に向けての「計画」を立てることが得意であることが皆さんには求められますね。
 つまり、「計画」を作成し、実施することにより、目標の実現が可能になるように支援するケアマネジャーという専門職になるんですから、自分の「合格計画」が立てられ、実施していけるようになることが何より重要なのです。
 このプロセスは、ケアマネジメントの手法とまったく同じと考えてよいのではないでしょうか?
 ケアマネジメントは、アセスメント(評価)・ニーズの把握・ケアプランの作成・ケアプランの実施・モニタリング(監視)・再アセスメントと、ゴールに向けて順次すすめていきます。このプロセスを自分の「合格プラン」として実施できるかどうかが、合否を分けるポイントになると考えるからです。

ケアマネジャー試験をアセスメントする(1)

 皆さんが10月10日(日)に受験するケアマネジャー試験とは、どういうものかアセスメント(評価診断)してみたいと思います。

 この試験は、介護保険法に基づく介護支援専門員(ケアマネジャー)の養成を目的に、1998(平成10)年から試験が年1回行われています。ケアマネジャー試験自体は国家試験ではなく、都道府県が実施することになっています。
 実際は、国の登録試験問題作成機関である「社会福祉振興・試験センター」が問題を作成し、全国共通の問題で各都道府県において実施されます。
 そして、都道府県は、国の示す合格基準で合否を判断することになっています。合格率の高い都道府県と低めの都道府県があったりしますが、合格基準は同じですから、合格率の高い都道府県で受験したほうがよいなんてことはありません。
 また、ケアマネジャー試験合格後には、「実務研修」を受講しなければならないことも、あらかじめ知っておいてください。

ケアマネジャー試験をアセスメントする(2)

 ケアマネジャー試験で合格するには、ケアマネジャー試験について知ることが必要ですが、 では、なぜこの試験があるのかはご存知ですか?
 今では「ケアマネジャー試験」とか呼ばれることが多いのですが、「介護支援専門員実務研修受講試験」が正式な名称です。
 制度的にはご存知のとおり、ケアマネジャー試験に合格したあとに「実務研修」を修了(修了者名簿に登録)後、都道府県知事から「介護支援専門員証」を受けてはじめて「介護支援専門員」(ケアマネジャー)となることができるのです。

 そうなんですよ。ケアマネジャー試験に合格するだけでは「ケアマネジャー」になれないんです。
 その実務研修は、その受講者がすでに一定の知識・技術をもっていることを前提に組み立てられています。
 では、その一定の知識・技術とは何か?ということを知ることが、ケアマネジャー試験の合格へのポイントとなります。

 つまり、ケアマネジャー試験では、ケアマネジャーの「知識・技術」として、要介護者等や一般市民に対し、介護保険制度やその手続き、さらには適切なサービスを調整するための手法、またそのサービスの内容や手続きなどを正確に伝えることができるかが問われます。
 したがって、介護保険法をはじめ、制度やその仕組みについて基礎的な事項を理解しており、かつ、一般市民の方にわかりやすく説明できるという「知識・技術」が必要となるわけです。

試験の内容は、すべて「基本テキスト」にある

 私は受験勉強にあたって、長寿社会開発センターの発行する『[九訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)が重要であると考えています。
 最近ではケアマネ試験対策の参考書のラインナップも充実し、どの参考書にも表紙や帯に「これで合格!」とか書いてあるのですが、やはりどの参考書も「基本テキスト」に基づいているからです。
 これまでのケアマネジャー試験でも、この「基本テキスト」からかなり多く出題されていることを考えると、「基本テキスト」は何よりも重要な「テキスト」となります。
 これまでの実際のケアマネジャー試験問題の解答・解説と講評する際に、「基本テキスト」の記載ページを確認しながらすすめています。なぜなら、その正答の根拠は、この「基本テキスト」に書かれているんですよ。
 つまり、「基本テキスト」の理解が合否の鍵を握るのです。この基本テキストには法律改正も含めて、おおむね3年ごとに改訂されています。
 しかし、これまでの経験からすると、「あの重いテキストをいつも読むとなると……」と考えられる人が多く、安価な「要約本」を読んで受験される方が最近は増えてきたのです(合格率が低い原因の1つですね)。
 前述したように「基本テキスト」には、試験の解答速報を出すための根拠としているぐらいですから、受験対策としては、基本テキストが完璧なのですが、全3巻プラスCD-ROMつきで、内容が非常に多く、読むだけで非常に大変なのです。
 基本テキストを読まずして、試験に合格しようなんてとんでもないと思うのです。基本テキストがあって、その次に「要約本」といわれる参考書籍をあわせて活用されるのが当然かと思うのです。
 あっ! 中央法規さんの『ケアマネジャー試験ワークブック2021』(「ワークブック」)の編集には私もかかわっていますので、ぜひ一度手に取ってみていただけるとありがたいです。その他にいろいろとコンテンツがありますね。スキマ時間を有効活用するスマホアプリも含めて、いかに信頼できる書籍を、自分に合ったものを選ぶかがポイントですね。

そこで、参考書選びのコツ

  • 「出版社選び」… 信頼のおける出版社であるかどうか
  • 「九訂対応」… 改正されている部分が反映しているかどうか
  • 「最新のもの」… 書籍発行年月日を確認する (古いものは使わない)

 値段やデザインやキャッチコピーも気になりますが、昨年のケアマネジャー試験の傾向を反映した問題集や要約本もすでに発行されています。
 この「けあサポ」を運営している中央法規出版さんのホームページには既に最新版の資格試験対策書の紹介ページがありますので、みなさんの受験対策に必要なものを準備いただければと思います。
 その中でも特におすすめは、私も大学で紹介している社会福祉士等の受験対策で有名な「いとう総研」の伊藤先生が「受験ナビ」をテキストにしたWEB講座が5月から予定されているようです。とてもわかりやすく、おすすめのひとつです!

 この けあサポ「受験対策講座」では、まず、介護支援分野の中心的な介護保険法を概説していきます。毎週火曜日の更新ですが、みなさんの受験勉強の伴走者として応援しつづけますね。

 さあ、絶対に合格をするために、まずは目標を明確に定めてください。
 頑張りましょう!!!