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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2019年の合格率が18.5%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

ケアマネジャー試験ナビ2020
2020ケアマネ試験 頑張りましょう‼
2020ケアマネ試験

第20回  「ケアマネジメント論」3回目

「実力試し」をする時期ですね

 みなさんどうですか? 学習の成果はあがっていますか? 試験の分野はこの「介護支援分野」と「保健医療福祉サービスの知識分野」ですからね。
 そろそろ学習も一区切りかもしれませんね。そんなときは模擬問題にチャレンジしたり、最近の過去問題にチャレンジして、ケアマネジメントのプロセスの1つである「モニタリング」を行ってくださいね。

 その結果、あまり学習効果がないなと思われても大丈夫。基礎的な点はおさえているのですから、より深く模擬問題や過去問題で誤ったところを確実にしていく「フォローアップ」を丁寧にしていきましょう。合格は着実に近づいていますから、一歩一歩、学習する時間を楽しんでくださいね。

「指定基準」と「ケアマネジメント」のプロセスの過去問題の解説

 さて先週は、「ケアマネジメント論」を「八訂基本テキスト」を読んだ私の「我流ノート」を掲載していただきました。大切な事項、新たな書き下ろしされたポイントを中心にまとめたところです。
 実は「福祉サービス分野」においても「ソーシャルワークとケアマネジメント」として第3巻、第2編、第1章が書かれているところからしても、地域包括ケアシステムやソーシャルワークとしてのケアマネジメントの考え方が、八訂「基本テキスト」の柱となっていることが伺われます。どんな試験問題が出題されるのか、わくわくしてきたのは私だけでしょうか。
 改訂後、再試験も含めて3回の試験があったのにも関わらず、そのうえケアマネジャーとしての試験なのに、ケアマネジメントの考え方が出題されないのは不思議ですが、出ないものは出ないと割り切れないのは、ケアマネジメントの大切さがわかっている人だけなのかもしれませんね。ガックシ…
 そして今週は第18回でもふれました「指定基準」に関する問題についての過去問題をあげて2週にわたって解説していきたいと思います。

 今週は、第16回(2013(平成25)年度)、第17回(2014(平成26)年度)、第18回(2015(平成27)年度)を解説し、来週に第19回(2016(平成28)年度)と第20回(2017(平成29)年度)、第21回(2018(平成30)年度)、第22回(2019(令和元)年度)、第22回再試験を解説します。

第16回(2013(平成25)年度)

問題 18 介護保険のサービス計画について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 介護予防サービス計画は、都道府県知事が指定した介護予防支援事業所が作成する。
  • 2 ケアハウス入居者は、施設サービス計画に基づく支援を受ける。
  • 3 介護予防サービス計画を作成できるのは、介護予防支援事業者に限られる。
  • 4 介護保険施設入所者の施設サービス計画は、施設の計画担当介護支援専門員が作成する。
  • 5 居宅サービス計画には、長期目標を記載する。

解答  4・5 

解説(×のもの)

  • 1 介護予防支援事業所は、市町村が指定します。
  • 2 ケアハウスは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていれば、「特定施設サービス計画」、受けていない場合は「居宅」として扱われ、「居宅サービス計画」に基づく支援を受けます。
  • 3 介護予防サービス計画は、介護予防支援事業者から委託を受けた「居宅介護支援事業者」も策定できます。

 第16回(2013(平成25)年度)の問題19問題20については、「指定基準」のみではなく、「居宅サービス計画作成に関する問題」として、「指定基準」の内容も含めて、実際の居宅介護支援事業を運用するうえでのさまざまなことを問う問題になっています。つまり、介護保険制度における「居宅サービス計画」の作成が、どのように行われるかということについて、「指定基準」に規定されていることと、実際ケアマネジャーとして「運用」する際の手順が混在した問題であるということです。

問題19  居宅サービス計画について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 原案段階では、利用者及びその家族の生活に対する意向は含めない。
  • 2 訪問看護を位置付ける場合には、主治の医師等の指示が必要である。
  • 3 原案について利用者が了解した場合は、サービス担当者会議の開催は不要である。
  • 4 被保険者証に居宅サービスの種類の指定について記載がある場合でも、利用者はその変更の申請ができる。
  • 5 提供されるサービスの目標とは、利用者がサービスを受けつつ到達しようとする目標を指す。

解答  2・4・5 

解説(×のもの)

 2・3は「指定基準」の問題、1・4・5は「運用」上の問題ですので後日解説いたします。

問題 20 居宅サービス計画について正しいものはどれか。2つ選べ。

    1 利用者が他の居宅介護支援事業者の利用を希望する場合には、過去2年分の居宅サービス計画を当該事業者へ交付しなければならない。 2 介護給付対象サービス以外の公的サービス及びインフォーマルな支援を優先的に盛り込まなければならない。 3 利用者からは、原案について文書による同意を得なければならない。 4 居宅介護支援事業者と同一法人のサービス事業者のサービスを優先的に盛り込むことが原則である。 5 提供されるサービスの目標及びその達成時期を記載した原案を作成しなければならない。

解答  3・5 

解説(×のもの)

 1・3・5は「指定基準」の問題、2・4は「運用」上の問題ですので後日解説いたします。

問題22 介護予防支援事業について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 指定介護予防支援事業者は、主任介護支援専門員を置かなければならない。
  • 2 指定介護予防支援事業所には、常勤の管理者を置かなければならない。
  • 3 その委託に当たっては、地域包括支援センター運営協議会の議を経なければならない。
  • 4 指定居宅介護支援事業者に委託する件数には、上限が設定されている。
  • 5 介護予防サービス計画における課題分析には、社会参加及び対人関係を含む。

解答  2・3・5 

解説(×のもの)

 1 指定介護予防支援事業者は、「保健師その他の指定介護予防支援に関する知識を有する職員」をおかなければならないとされており、主任介護支援専門員とはされていません。しかし、地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員をおくこととされているので注意が必要ですね。
 4 かつては上限がありましたが、現在はありません。

第17回(2014(平成26)年度)

問題19 介護予防サービス計画の作成に関する基準について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 原案に位置付けた介護予防サービスの担当者から意見を求める。
  • 2 問題志向型で作成しなければならない。
  • 3 主治医の指示がなければ、介護予防訪問看護を位置付けることはできない。
  • 4 介護予防福祉用具貸与を継続するときは、理由を記載しなければならない。
  • 5 特定介護予防福祉用具販売を位置付けてはならない。

解答  1・3・4 

解説(×のもの)

 2 問題志向型ではなく、目標を目指すという「目標志向型」ですね。「指定基準」に規定されています。
 5 要支援者についても、その福祉用具の利用の妥当性を検討し、必要な理由を介護予防サービス計画に記載することによって位置づけることができます。

問題20 介護予防支援のためのサービス担当者会議に関する基準について正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 介護予防福祉用具貸与を利用する場合は、定期的に開催する。
  • 2 新たに介護予防サービス計画原案を作成したときは、必ず開催する。
  • 3 会議の記録は、その開催日から2年間保存しなければならない。
  • 4 利用者が要支援更新認定を受けたときは、やむを得ない場合を除き、開催する。
  • 5 利用者が要支援状態区分の変更の認定を受けたときは、やむを得ない場合
  • を除き、開催する。

解答  2・4・5 

解説(×のもの)

 1 介護予防福祉用具貸与を利用する場合であっても、福祉用具貸与の必要性について随時サービス担当者会議を開催すればよいとされています。福祉用具貸与の必要性がサービス担当者会議にて検証されていることが大切です。
 3 「指定基準」には、記録の保存は2年間と規定されていますが、いつから2年間なのかということがポイントですね。記録の保存期間は、サービス担当者会議を開催してから2年間ではなく、そのケースが「完結した日から2年間」保存すると規定されています。

第18回(2015(平成27)年度)

問題19 介護支援専門員が指定居宅サービス事業者に対して提出を求めるものとされている個別サービス計画として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 訪問介護計画
  • 2 訪問入浴介護計画
  • 3 訪問看護計画
  • 4 訪問リハビリテーション計画
  • 5 居宅療養管理指導計画

解答  1・3・4 

解説(×のもの)

 介護保険法改正により2015(平成27)年度から居宅サービスに位置づけられた指定居宅サービス事業者などに対して、訪問介護計画などのいわゆる「個別サービス計画」の提出を求めることができるとされました。具体的に提出を求めることができる個別サービス計画とは、「訪問介護計画」「訪問看護計画」「訪問リハビリテーション計画」「通所介護計画」「通所リハビリテーション計画」「短期入所生活介護計画」(おおむね4日以上で作成した場合)、「短期入所療養介護計画」(おおむね4日以上で作成した場合)、「福祉用具貸与計画」「特定福祉用具販売計画」であることが「指定基準」に明示されています。したがって、明示されていない「訪問入浴介護計画」と「居宅療養管理指導計画」は誤りです。それにしても、どうしてこんな詳細な問題が出題されるのでしょうかね。

問題20 医師が行う指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 介護認定審査会に対し、療養上の留意点に関する意見を述べる。
  • 2 居宅介護支援事業者の求めに応じ、居宅サービス計画作成に必要な情報提供を行う。
  • 3 居宅サービス計画作成に必要な情報提供は、原則として、サービス担当者会議に参加して行う。
  • 4 利用者に提供した内容を居宅介護支援事業者に報告しなければならない。
  • 5 利用者の家族に対して介護方法等の指導を行う。

解答  2・3・5 

解説(×のもの)

 1 介護認定審査会に対し療養上の留意点を述べることは要介護認定等を行うためのものであり、居宅療養管理指導には該当しません。医師が行う指定居宅療養管理指導は、利用者またはその家族への指導・助言、指定居宅サービス事業者、居宅介護支援事業者への情報提供・助言です。
 4 このような規定はありません。医師が指定居宅療養管理指導を行ったときは診療録に記録しておく必要がありますが、介護支援専門員への報告は義務づけられていません。居宅療養管理指導は区分支給限度基準額の管理対象ともなっていませんね。

問題22 介護予防支援事業について正しいものはどれか。2つ選べ。

  • 1 事業所の管理者は、主任介護支援専門員でなければならない。
  • 2 介護予防サービス計画は、主任介護支援専門員でなければならない。
  • 3 経験ある介護福祉士を配置しなければならない。
  • 4 業務の一部を指定居宅介護支援事業者に委託できる。
  • 5 介護予防サービス計画には、地域住民による自発的なサービスも位置付けるようと努めなければならない。

解答  4・5 

解説(×のもの)

 1 指定介護予防支援事業所の管理者は、常勤で1人を置くこととされていますが、資格や職種については規定されていません。管理者が介護支援専門員でなければならない指定居宅介護支援事業所とは異なるところですね。
 2 介護予防サービス計画は、管理者が担当職員に作成させることが規定されているだけで、必ず「主任介護支援専門員」が行うものではなく、介護予防支援に関する知識を有するものであればよいこととなっています。
 3 唐突にこの選択肢はなんなんでしょうね。なんの経験? と問いたくなりますが、このような規定はありません。

 はじめにも述べましたが、間違えた問題やよくわからなかった問題は、『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』『ケアマネジャー試験ワークブック2020』『ケアマネジャー試験 過去問解説集2020』で確認して、確実に理解しておきましょう。

 来週は、第18回(2015(平成27)年度)、第19回(2016(平成28)年度)と第20回(2017(平成29)年度)、第21回(2018(平成30)年度)、第22回(2019(令和元)年度)、第22回再試験を解説します。

 熱中症予防のために、エアコンを効かせるのはいいですが、テレビはつけないで頑張りましょう!!