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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2019年の合格率が18.5%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

2020ケアマネ試験

第17回  単元解説を終えて 「最近の出題傾向」を斬る

難しい試験ですが、何がなんでも合格していただきたいです

 私は、ここ5年ほど前の出題傾向から、試験で問われる内容が変わってきていることを感じています。
 特に、一昨年の基本テキストの改訂は今回の試験にどのように影響するものかと案じていたのですが、昨年の試験への反映があまりにも少なかったと思われるからです。
 昨年は10月の試験と3月に再試験が行われました。1年間に2つの試験問題をみることができたわけですが、10月の試験は準備されていたものであるのに対し、3月の試験はあわてて作成した感がありましたね。しかし、この2つの試験問題を見る限り、テキスト改訂で新しく加わった部分が全く出題されておらず、どうも試験問題の定形化が図られているかに感じます。
 介護支援分野においては地域包括ケアの深化や介護保険法の改正を含め、ケアマネジャーや地域包括支援センター、さらには地域支援事業などの記載内容が大幅に増え、さらにはケアマネジャーのあり方まで言及している点は大きな変更点です。
あまり出題されていないですからね。

 あわせて「保健医療・福祉サービス分野」も加筆項目が多く、これまでの学習方法の1つであった「過去問」を中心とした学習がどこまで役にたつのかも疑問となっていましたが、そんなに目新しい出題がなかったですね。

 また、受験者申込者数が間もなく把握されることになると思いますが、今年のコロナ感染症の拡大と自粛生活、さらには介護支援専門員の人材不足が協調されているにも関わらず、介護従事者に対する給与改善が取り組まれ、介護支援専門員は一歩置いておかれている感じがしますので、「ケアマネになりたい」という人も、意欲も減少してしまっているのではないかと感じているのは、私だけでしょうか? 受験者数の情報を待ちたいと思います。
 受験者数が減っている傾向について、受験される皆さんにとっては、まったく関係ないことだと思っていただき、改めて合格への決意をしていただければと思っています。ケアマネ試験は、「しっかりと勉強すれば合格できる試験」ですから、今後はより一層、八訂基本テキストを中心にして、参考書籍なども使用して効率よく学習を進めていただきたいと思います。

 あらためまして、絶対合格しましょうね!!

試験に出ている介護保険制度の「細かい内容」

 介護保険制度についての単元ごとの解説が先週で終わったので、今週は、いわゆる「細かい内容」とは何かをまとめてみたいと思います。

 出題傾向として介護支援分野をみれば、問題1と問題2については、以前から「難問」であり、私は「呪いの問題」「呪文」みたいだと比喩しています。
 「いきなりこんな問題かな?」とはじめに印象づけるような難問であり、これまでのセミナーでは「だったら、得点可能な事例問題を先にやりましょう。問題24と問題25は事例問題ですから」と講義のなかで話していたのですが…

 そうしたなかで、5年前から明らかに出題範囲に加わったと思わせる箇所があります。

  • ・要介護認定等の審査判定基準
    『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(以下「基本テキスト」)1巻93ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2020』(以下「ワークブック」)29~30ページ)

  • ・認定調査票の基本調査の項目
    (「基本テキスト」)1巻90ページ・「ワークブック」27ページ)

  • ・主治医意見書の項目
    (「基本テキスト」)1巻92ページ・「ワークブック」28ページ)

  • ・要介護認定等の有効期間
    (「基本テキスト」)1巻98ページ・「ワークブック」32ページ)
    ※2018(平成30)年度に、更新申請の認定可能な有効期間の範囲が「36か月」に改正

  • ・居宅介護サービス費等区分支給限度基準額
    (「基本テキスト」)1巻112ページ・「ワークブック」52ページ)

  • ・社会福祉法人等による利用者負担軽減制度
    (「基本テキスト」)1巻128ページ・「ワークブック」62ページ)

  • ・課題分析標準項目
    (「基本テキスト」)1巻297ページ・「ワークブック」135ページ)

  • ・介護予防 基本チェックリスト
    (「基本テキスト」)1巻165ページ・「ワークブック」97ページ)


 5年前の試験から、上述した様式や表の内容が出題されるようになったのです。

 また、2017年(第20回)の問題でびっくりさせられたのは、問題16でしたね。

問題 16 介護サービス計画作成のための課題分析標準項目」として正しいものはどれか。3つ選べ。

  • 1 二親等以内の扶養義務者の現住所
  • 2 生活保護受給の有無
  • 3 前年度の課税所得金額
  • 4 認知症である老人の日常生活自立度
  • 5 介護認定審査会の意見


 基本テキスト1巻297ページに収載されている事例の様式からしか確認できない箇所でしたが、新たにワークブック135ページで収載されたところでもあります。

 それから「地域包括ケアシステム」の構築が求められていますから、地域包括支援センターに関する出題も増えていますね。テキスト記載部分も増えていることからすると今年は出題されそうですね。
 ちなみに、これまでの問題で関係しているところを挙げるならば、次のようになります。

  • ・包括的支援事業 (第22回)問題12
  • ・第1号介護予防支援事業 (第22回)問題19
  • ・地域支援事業  (第22回再試)問題13
    (※第21回は「地域支援事業」が出題されなかった)
  • ・地域包括支援センター (第20回)問題9・18
  • ・地域ケア会議 (第20回)問題3・9
  • ・生活支援体制整備事業 (第20回)問題3・20


 これらのことから、介護支援分野についてはより詳細な内容理解が求められていることがわかります。
 しかし、本試験の目的である「介護支援専門員の業務に関する基礎的知識及び技術を有することを確認する」こととされていますが、実は基本テキスト1巻15ページ~19ページに「介護支援専門員の業務に必要な基本知識」として明記されております。
 この内容からすれば、非常に詳細な内容までが出題されること自体がおかしいのかもしれませんが・・・
 しかしながら、こうした箇所からの出題が増えているのは事実ですので、一度、ここ5年くらいの過去問題と、基本テキストやワークブックの収載ページを確認しておいてくださいね。

 では、来週からは大幅な改訂のあった「ケアマネジメント」の解説をしていきます。地域包括ケアシステムの深化が問われていること、さらには執筆者が七訂版とは変わっているので、内容も大幅に変わっています。

 たとえば「ロスによるケアマネジメントの3つのモデル」が八訂の第1巻7ページに掲載されています。(出題されたことはないのですが…)

 具体的には、介護支援専門員には、「最小限モデル」や「コーディネーションモデル」ではなく「包括モデル」の役割を期待していることが基本テキストの随所でみられます。

 まさに地域包括ケアシステムの深化に介護支援専門員やケアマネジメントがどうあるべきかと執筆者の熱い期待が伝わってきます。ここは多分、出題される可能性が少ないのですが、改訂された特徴ですし、私も出題されるべきだと思っています。 この部分を問う、そんな試験問題であるべきだと期待しているところでもあります。(まあ、神のみぞ知る状況ではありますが…)

 さて、暑い毎日ですが 健康に充分注意して もうひとがんばり!!