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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2019年の合格率が18.5%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第16回  第6単元「保険者(市町村)」

自然災害・コロナ感染拡大をなんとかしないと!

 先週は、某県の介護職キャリアアップセミナーを担当し、介護保険制度のお話をしてきました。遠隔を活用して、在宅でも受講していただける企画でした。多くの方が介護保険制度の事業に従事されており、介護保険の基本を学ぶ企画でしたが、ケアマネ試験を受ける予定の方も多く、介護保険の基本を学びながらも、ケアマネ試験対策のような内容になってしまいました。 非常に好評をいただいたようで主催者から丁寧なお礼をいただきました。
 受験対策ならもっと話せましたが…とお伝えしたところです。(笑)
 残念ながら今年度、中央法規出版主催の受験対策セミナーは開催中止となってしまいましたが、今週の東京や関東圏、さらには大阪や関西圏の新型コロナの感染拡大の状況下にあっては、開催を中止されたこと、勇気のいる決断であったと思っています。
 このままの状況で感染が拡大すると、3密を避けた体制確保での受験教室の確保は取り組まれるものと思いますが、状況によっては外出自粛とかで10月を迎えると、ケアマネ試験の実施も危ぶまれる事態にならないことを祈るしかありませんね。(一方で東京以外のGO TOキャンペーンとか、大丈夫なのかと心配しています)

 あと80日余り、試験日は確実に近づいてきています。 感染拡大の防止、更には豪雨被害等の自然災害が少しでも防げるような時間になり、皆さんの受験に対する時間が充分確保されることを願っています。
 さあ、今週も早速始めていきましょう。

介護保険制度の最終単元「保険者」


 今回は、介護保険制度の最終単元となる「保険者」について、解説していきたいと思います。
 とはいうものの、この「保険者」の単元は、これまでお話ししてきた「被保険者」「保険料」「保険事故」「保険給付」と非常に関係があります。
 ですので、ここまで15回の連載を読んでいただいたみなさんなら、すでにご存じのことばかりなのです。あらためて「保険者(市町村)」という第6単元で新しく解説しなければならないことは少ないと思われます。

 したがって今回は、はじめにキーワードをまとめてみます。このキーワードと解説を読んでいただいて、「初めて聞いたぞ?」とか「何だ これは?」というものがあれば、要注意ですよ!!
 ここまで15回の連載を読み返して、そして『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(以下「基本テキスト」)・『ケアマネジャー試験ワークブック2020』(以下「ワークブック」)の該当ページを参照しながら、再度確認してくださいね。

「保険者」のキーワード

市町村・特別区
(「基本テキスト」1巻57ページ・「ワークブック」8ページ)

 保険者は、原則として市町村および特別区が担う。ただし、小規模な市町村の場合は、保険財政の運営安定化と事務処理の効率化などのため、広域連合や一部事務組合を設けて介護保険事業を行うこともできる。

被保険者の資格管理
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 (1)被保険者の資格管理、(2)被保険者台帳の作成、(3)被保険者証の発行・更新、(4)住所地特例の管理等を行う。

要介護認定・要支援認定事務
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 (1)認定事務、(2)介護認定審査会の設置・運営等を行う。

保険料の徴収等
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 (1)第1号被保険者の保険料率の決定、(2)普通徴収・特別徴収、(3)保険料滞納被保険者にかかる各種措置等を行う。

保険給付
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 (1)介護報酬の審査・支払(国民健康保険団体連合会(国保連)に委託)、(2)被保険者の居宅介護支援事業者への居宅サービス計画作成依頼に対する届出の受付、(3)償還払いによる保険給付の支給、(4)区分支給限度基準額の上乗せ、(5)種類支給限度基準額の設定、(6)市町村特別給付の実施、(7)第三者行為求償事務(国保連に委託)等を行う。

サービス提供事業者の指定等
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 地域密着型サービス事業者・地域密着型介護予防サービス事業者・介護予防支援事業者について、指定・更新・指導監督等を行う(居宅介護支援事業者についても、2018(平成30)年4月から市町村へ移管)。

地域支援事業および保健福祉事業
(「基本テキスト」1巻71・161ページ・「ワークブック」9ページ)

 地域支援事業として、(1)介護予防・日常生活支援総合事業、(2)包括的支援事業、(3)任意事業の3つの事業を行う。具体的には、介護予防・生活支援サービス事業や、一般介護予防事業のほか、地域包括支援センターの運営、在宅医療・介護連携推進事業、認知症総合支援事業などを展開する。また、第1号被保険者からの保険料を財源として、家族リフレッシュ事業等の保健福祉事業を行うことができる。

地域包括支援センター
(「基本テキスト」1巻71・173~176ページ・「ワークブック」9ページ)

 保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等によるチームアプローチにより、地域支援事業の柱である包括的支援事業(介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援)、さらには予防給付対象者に対しての介護予防支援を実施する。

市町村介護保険事業計画
(「基本テキスト」1巻179~180・184ページ・「ワークブック」9・79~80ページ)

 国が定めた基本方針に即し、(1)介護保険サービスの種類ごとの量の見込みとその量を確保するための方策、(2)地域支援事業の費用額・見込み量と確保方策、(3)事業者間の連携確保その他サービスの円滑な提供と地域支援事業の円滑な実施を図るために事業等を、3年を1期として定める。第1号保険料算定の基礎となるため、市町村は、被保険者の意見を反映できるよう必要な措置を講ずるとともに、都道府県の意見を聴かなければならない。

条例・規則等
(「基本テキスト」1巻70~73ページ・「ワークブック」9・11ページ)

 条例は、地方公共団体がその事務を運用するために、議会の議決により制定する自主法。規則は、地方公共団体の長がその権限に属する事務に関し制定する。市町村特別給付などは条例によって規定される。

財政運営に関する事務等
(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)

 (1)特別会計の設置・管理、(2)公費負担の申請・収納、(3)介護給付費交付金・地域支援事業支援交付金の申請・収納、(4)財政安定化基金への拠出、交付・貸付申請、借入金の返済等の事務を行う。

介護給付費等の定率負担
(「基本テキスト」1巻75~77ページ・「ワークブック」9・86ページ)

 介護給付費のうち、12.5%を市町村が負担し、一般会計から介護保険特別会計に繰り入れる。あわせて、地域支援事業を展開するため、介護予防事業は12.5%、包括的支援事業・任意事業については19.25%を負担とする。

介護認定審査会
(「基本テキスト」1巻96ページ・「ワークブック」9・34ページ)

 保険者の附属機関としての位置づけのもと、5人を標準(更新認定や委員の確保が難しい場合は、市町村の判断により3人以上も可)とし、保健・医療・福祉に関する学識経験者の合議体によって構成される。委員の任期は2年(再任可)、みなし公務員として守秘義務が生じる。複数市町村による共同設置や都道府県などへの事務の委託、広域連合などを利用した共同実施も可能。

キーワードで確認したら「○×問題」をやってみよう!

 どうでしたか? キーワードと解説を読んで、もしも「何も思い浮かばない」ってときや「よく理解できてないな」と思った場合は、「基本テキスト」や「ワークブック」該当ページで再度確認してくださいね。

 このように「保険者の事務・責務」については、これまでの第1~5単元で解説してきたことをしっかり理解していただいていれば、ほとんどのものが「保険者」と関わる内容であるため、あらためて覚えなければならないことは少ないはずです。

 あるとすれば、「条例」(「基本テキスト」1巻70~73ページ・「ワークブック」9ページ)を定めて実施することになっている事柄、または、これまでバラバラに出てきた部分がまとめてある表(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)の理解とか、会計事務として特別会計(「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページ)を設置して明確な管理を行うといったことぐらいでしょう。

 ここで、第6単元「保険者」のまとめとして、「保険者に関する○×問題」に挑戦してほしいと思います。ある意味、これまでの学習の総仕上げとしても活用できますよ。

保険者の「○×問題」

 これらの問題は、すべて過去に介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)に出題された問題を使っています。     をクリックすると答えを見ることができますよ。

  • (1)介護保険制度における市町村(市町村長を含む。)は、住所地特例に該当する被保険者の資格管理を行う。 ○ 
  • (2)介護保険制度における市町村(市町村長を含む。)は、第2号被保険者の保険料率の設定を行う。 × 
  • (3)介護保険制度における市町村(市町村長を含む。)は、居宅サービス事業者の指定の更新を行う。 × 
  • (4)介護保険制度における市町村(市町村長を含む。)は、地域包括支援センターの設置を行う。 ○ 
  • (5)介護保険制度における市町村(市町村長を含む。)は、都道府県知事が介護保険施設の指定を行う際の意見提出を行う。 ○ 
  • (6)第1号被保険者に係る保険料率は、市長村間格差が生じないよう都道府県の承認を必要とする。 × 
  • (7)市町村は、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額について、厚生労働大臣が定める基準額を超える基準額を設定することができる。 ○ 
  • (8)市町村は、居宅サービス事業者に対して立入検査をすることはできない。 × 
  • (9)市町村特別給付は、介護認定審査会の意見により、市町村が独自に定める。 × 
  • (10)市町村介護保険事業計画は、3年を1期として定める。 ○ 
  • (11)市町村は、指定介護老人福祉施設を設置できない。 × 
  • (12)介護予防サービスに係る情報の公表は、市町村長が行う。 × 
  • (13)地域密着型サービスに係る情報の公表は、市町村長が行う。 × 
  • (14)介護サービス情報の公表制度についての調査事務は、市町村長が行う。 × 
  • (15)市町村は、介護保険審査会の委員の定数を条例で定める。 × 
  • (16)市町村は、普通徴収に係る保険料の納期を条例で定める。 ○ 
  • (17)市町村は、第1号被保険者の保険料率を条例で定める。 ○ 
  • (18)市町村は、指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準を条例で定める。 × 
  • (19)市町村は、区分支給限度基準額を上回る額の種類支給限度基準額の設定を条例で定める。 × 
  • (20)市町村は、保険事業勘定及び介護サービス事業勘定の管理を行う。 ○ 
  • (21)市町村は、指定情報公表センターの指定を行う。 × 
  • (22)市町村は、財政安定化基金拠出金の納付を行う。 ○ 
  • (23)市町村は、保険料滞納者に対する保険給付の支払の一時差止を行う。 ○ 
  • (24)市町村は、医療保険者からの介護給付費・地域支援事業支援納付金の徴収を行う。 × 
  • (25)市町村は、新規認定調査を指定市町村事務受託法人に委託できる。 ○ 
  • (26)地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業として市町村は、地域住民への普及啓発を実施する。 ○ 
  • (27)地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業として市町村は、医療・介護関係者の研修を実施する。 ○ 
  • (28)地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業として市町村は、在宅医療推進員の設置を行う。 × 
  • (29)地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業として市町村は、地域の医療・介護の資源の把握を行う。 ○ 
  • (30)地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業として市町村は、地域リハビリテーション活動支援体制の構築を実施する。 × 

 正答一覧です。

10
×××××
11121314151617181920
×××××××
21222324252627282930
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 保険者の事務・責務については、前述したとおり、「基本テキスト」1巻71ページ・「ワークブック」9ページの表に一覧として掲載されていますので、それらと関連する該当部分を確認していただき、今回の問題で間違ったところ、不安なところを、確認してみてください。

 人それぞれの学習スタイルがあると思いますが、最近の私は「仕事で疲れてから行うより、朝早く起きての朝学習は効果的だ」と感じています。
 最後まで応援していますよ。あきらめないでくださいね。

 来週からは、「介護保険制度の改正と細かい部分、さらには今年の要注意出題ポイント」を解説したいと思います。