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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2019年の合格率が18.5%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

2020ケアマネ試験

第4回  第1単元「被保険者」2回目

被保険者についての学習(5)「強制適用」と「適用除外」

 「明けない夜はない。」ことはたった60年しかいきていない私だってわかっていますが…、いったいこの世界的なコロナウイルスの収束はいつになるのでしょうか。
 大切な生命や生活までをも奪い、先の見えない不安とどう向かい合っていけばよいのでしょうか。
 何もかもが狂ってしまっています。
 私の大学でもオンライン授業がはじまりました。講義を受け試験等で理解度を確認することで単位認定する仕組みは、とにかく講義を規定時間数開講する必要があります。そのため様々なシステムを利用して授業を配信する形が多くの大学で取り組まれています。学生たちにとっては自宅で、パソコンやスマホの画面で授業を受けることになりました。
 私たち教員にとっても学生の反応をみながら講義をしていたことが一変し、表情の違いもわからない小さな顔やアイコンを見ながらの講義はとても講義をしている気持ちにはなれません。
 今から40数年前のラジオから流れる大学受験講座を思い出しています。寝入って聞き逃してしまったこともありましたが、勉強しなければならないという気持ちで眠いなかコーヒーをすすりながら聞いた記憶です。確かにあれは一方向だけの講座でした。
 ひょっとしたらこの受験対策も、一方向ではないのかと再度考えながら原稿を書いています。

 世界が、日本がこんな状況のなか、試験日はやってきてしまうのです。はじめにお話ししたように、試験は合格しなければ受験する意味はありません。しかし、試験の概要からして、受験すれば全員が合格する試験ではないのです。 本当に合格するためには巣籠や自粛は自分時間として受験に向けた学習ができるのです。
 新入生たちも、やっとテキストや参考書籍を準備できる環境になりました。
 「本格的に始動しなければならない時期なのです!」

 今週で被保険者の第1単元をまとめます。最後には「キーワード」をあげ、短文の解説を加えていますので、確認しておいてくださいね。そんなときの教員テクニックとして、「ここ、試験にでるから!」という決め台詞があります。ぜひキーワードはノートに写して覚えていきましょう。

 ケアマネジャー受験対策も、簡単に予想したいところなのですが、近年は「5つの選択肢ともズバリ的中」ということは非常に困難になっています。しかしながら、基本テキストを使って学習の基礎的な知識がしっかりつけば、応用も効かせることができると思います。
 まずはできるだけ「基本的」な根幹部分を4月~6月にかけておさえておくことをおすすめします。

 では、今週もはじめますね。

 さて、またまた出して申し訳ないのですが、介護保険の特徴として4つのキーワードをあげていますが、もうすでに暗記していますよね。
 そう、「社会保険・強制適用・地域保険・短期保険」の4つですね。

 そのなかの「強制適用」と関連しておさえてほしいのが、今回解説する「適用除外」です。介護保険の被保険者として、強制適用される一定の要件については、先週でお話ししたように「年齢要件」「住所要件」が、さらには第2号被保険者には「医療保険の加入」がありましたよね。

 この要件を満たした場合は、「強制適用」(強制加入)となり、強制的に介護保険の「被保険者」ということになります。したがって「被保険者」となれば、保険料を納める義務が発生するとともに、要介護状態等になった場合には、介護保険制度からさまざまな給付(サービス)を受けることができるようになります。

要介護状態等となってもサービスを受けない人も…

 しかしながら、人によっては「被保険者」の要件に該当し、要介護状態となった場合であっても、介護保険制度からサービスの給付を受ける可能性がない場合が想定されるのです。

 そうです。児童福祉法や障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)、生活保護法等により施設等に入所している人の場合は、その施設等ですでに療養上の介護が提供されていることがありますから、介護保険の給付(サービス)を受けることがないと考えられるといったケースがこれにあたります。

 そこで、介護保険では強制適用から除外される、つまり「適用除外」となる者を規定しているのです(『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)第1巻60ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2020』(「ワークブック」)16ページ)。
 具体的には、次のような理由から、介護保険法施行規則において、施設種別を定めています。

  • (1) 長期にわたる継続入所の実態がある。
  • (2) 入所施設等において介護に相当するサービスが受けられる。
  • (3) 40歳以上の人が多く入所している。

頻出の「適用除外者」

 この「適用除外者」については、実際の試験問題でも必ず出題されるポイントですので、施設種別はおさえなければなりません。
 「生活保護法の救護施設」「児童福祉法の医療型障害児入所施設は、何回も繰り返して出題されています。「昨年は障害者支援法上の指定障害者支援施設」を絡めた問題が出題されていましたね。

 なぜ、適用を除外しているのか上述の理由を考えれば、こうした施設で介護に相当するサービスが提供されるため、あえて介護保険のサービスを利用することはないのでは、という判断だと覚えると施設種別も覚えやすいかもしれませんね。頻出ですから、覚えておきましょうね。今覚えるよも、9月くらいからですかね。

 一旦、マークしますか? 「ここ、試験に出るから! 」

被保険者についての学習(6)「住所地特例」

 4つのキーワードのうち、「地域保険」に関連してさらに覚えたいのは「住所地特例」です。

 被保険者として「強制適用」する要件の1つとして、「住所要件」(第3回)がありましたね。介護保険制度は、地域保険ですから、被保険者の住所を基本とした住所地主義をとっています。
 この住所地について、おさえるべきポイントとして、「住所地特例」というものがあるのです。つまり住所地についての特別ということですね。

  • (1) 介護保険施設
  • (2) 特定施設
  • (3) 養護老人ホーム

に入所する被保険者は、もともと住んでいた他の市町村にある自宅を引き払って、ある市町村の施設に入所してきたという場合があります。そうすると、住所を施設の所在地に移す場合が多いのです。こうしたとき、住所地主義をとった場合は施設の所在する市町村に要介護者等が集中することになり、介護給付費等の市町村間の不均衡を生むことがあります。

 そこで、「住所地特例」といって上記のような介護保険施設等に入所し、施設所在地に住所を移した場合、その被保険者の住所地を事実とは違う「特例」として、入所前の市町村とすることとしています(「基本テキスト」62~66ページ・「ワークブック」18~19ページ)。

 この住所地特例についても、さまざまなケースが存在することになります。例えば、ある市町村でひとり暮らしをしていた高齢者が、一旦違う市町村の施設等に入所した後に退所し、その施設が所在する市町村の家族の住所に入った場合はどの市町村の被保険者となるのか、といったケ-スなどについて考えておくことも必要です。

 「住所地特例」は、実際のケアマネジャー試験でも頻出で、毎年必ず出題されているという重要ポイントです。特定施設のなかに、「サービス付き高齢者住宅」が含まれている点などを含めて、しっかりと理解しておいてくださいね。

被保険者についての学習(7)「被保険者証」

 今週末からゴールデンウィークが始まりますね。 しかし、介護の現場ではそんなわけにはいきません(実は私の大学も5/2と5/3の土日以外は授業日です)。

 休みが数日間取れる人も取れない人も、今年は勝負の年ですから、ゴールデンウィークではなく、受験勉強のゴールデンタイムにしてほしいですね。

 ところで突然ですが、みなさんは利用者さんの介護保険の「被保険者証」をじっくり見たことがありますか?

 事業者・施設の指定基準では、サービスを提供する場合は利用者さんの被保険者証の確認をしなければならないと規定されています。また、利用者さんは、サービス提供を受けるときに被保険者証を提示しなければならないとされています。そのため、みなさんも時々、目にしていることと思います。

 実は、この「被保険者証」には、試験に合格するための重要なポイントが隠されているのです!

 「被保険者証」の様式は、全国一律となっています(「基本テキスト」65ページ・「ワークブック」21ページ)。 私の「受験対策セミナー」では、この様式のページに、赤ペンで該当参照ページや重要事項を記載していただいているほどです。

 ぜひ、利用者さんの「被保険者証」を見ながら、どんな意味があるのか? 何が重要なのか? を感じてみてください。疑問に思ったり、わからないと感じるところが重要なので、しっかりと眺めて、疑問をもってほしいのです。


 まとめて気づいてほしいポイントをあげてみますね。

被保険者証の6つのポイント
 ポイント疑問をもってほしいこと
表面(二)認定年月日いつが認定日なの? 「遡及効」って何?
認定の有効期間新規認定と更新認定では原則期間も変わります。
区分支給限度額要介護状態区分ごとに支給される限度があるんだ。
種類支給限度額だれが何の種類の限度を決めるの?
認定審査会の意見どんなことが書かれるの? サービス種類は誰が指定するの? 指定されるとどうなるの?
表面(三)給付制限どういう場合に制限されるのかな?

 表の6か所について、疑問をもって「被保険者証」をみていただきたいのです。
 今後この6か所についての具体的な解説をしていきますので、今回はその「被保険者証」の裏面について解説しましょう。


 裏面には、14にわたる注意事項が書かれています。ただ「介護サービス」と「介護予防・生活支援サービス」の違いで似たようなものもあるので、11個にまとめて簡単に説明していきますね。

  • (1)要介護認定等の認定がなされていないと、サービスは基本的に受けられない。
  • (2)サービスを受けるときは、被保険者証を提示する。
  • (3)認定には有効期間があって、更新等の期間も定められている。
  • (4)居宅サービス計画等の作成によって現物給付化が可能となっている。
  • (5)居宅サービスの利用にあたっては、1月あたりの限度額が設定されている。
  • (6)サービスの利用にあたって、一定の費用負担がある。
  • (7)指定のサービスが記載されている場合は、他のサービスは保険の対象外となる。
  • (8)被保険者証は保険者に返す必要がある。
  • (9)14日以内に変更を届け出る義務がある。
  • (10)不正使用は禁止。詐欺罪になる。
  • (11)保険料滞納の場合には様々な措置がある。

 この「被保険者証」は、ケアマネジャー試験では、「資格を喪失した時は返納する」や「紛失や汚したときの再交付」についてなどが、過去に出題されたことがあります。
 また、未だ「暫定被保険者証」については出題がありません!!!  今年あたり出てほしいですね。


 さて、今回で6つの区分に分けて解説してきた第1単元の「被保険者」についての解説は終わります。

 そこで、この第1単元のまとめとして「キーワード」をまとめてみますね。「基本テキスト」「ワークブック」の該当ページを参考にしていただき、確認してくださいね。

第1単元 「被保険者」キーワード10

    ● 第1号被保険者(「基本テキスト」58~59ページ・「ワークブック」15~16ページ)
     その市町村(以下、特別区を含む)に住所を有する65歳以上の者。

    ● 第2号被保険者(「基本テキスト」58~59ページ・「ワークブック」15~16ページ)
     その市町村に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者。

    ● 強制適用(「基本テキスト」58ページ・「ワークブック」16ページ)
     第1号・第2号被保険者の各要件に該当する者は、当事者の保険加入の意思にかかわらず、また届出の有無にかかわらず、介護保険の被保険者となる。

    ● 年齢要件(「基本テキスト」58~59ページ・「ワークブック」15ページ)
     第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の者。

    ● 住所要件(「基本テキスト」59~60ページ・「ワークブック」15ページ)
     第1号・第2号被保険者ともに、その市町村に住所を有する者。

    ● 住所地特例(「基本テキスト」62~64ページ・「ワークブック」18~19ページ)
     住所地特例対象施設(介護保険施設・特定施設・養護老人ホーム)に入所することにより、その施設の所在地に住所を変更した被保険者について、移転前の住所地であった市町村を保険者とする特例措置。

    ● 適用除外(「基本テキスト」60ページ・「ワークブック」16ページ)
     (1)長期の継続入所・入院、(2)重度障害者の入所・入院、(3)40歳以上の人が多く入所・入院しているといった実態から、救護施設などに入所・入院している者は、当分の間、被保険者から除外される。

    ● 届出義務(「基本テキスト」62ページ・「ワークブック」17~18ページ)
     資格の取得により、保険給付受給権利と保険料負担義務が生じることに伴う義務。第1号被保険者に、所要の届出義務(原則14日以内)が課される。第2号被保険者は、医療保険への加入及び要介護認定・要支援認定以降に市町村において被保険者管理が行われるため、届出義務はなし。

    ● 連帯納付義務(「基本テキスト」79~80ページ・「ワークブック」89ページ)
     世帯主は、家計上の主たる責任を担うことから、住居及び生計を同一にする第1号被保険者の普通徴収における保険料の納付について連帯して納付する義務を負う。

    ● 被保険者証(「基本テキスト」65~66ページ・「ワークブック」21ページ)
     被保険者であることを示す全国一律の様式による証明書。要介護認定・要支援認定を受けようとするときは市町村に、保険給付対象サービスを受けようとするときには事業者や施設に提示する。

     このキーワードは、あくまでもこの単元での最低限のものになりますが確実におさえておきましょう。

     来週から第2単元「保険料」について解説していきます。
     もう一度言います。「皆さんはゴールデンウィークも受験生です!!」