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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2018年の合格率が10.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第28回 第22回介護支援専門員実務研修受講試験の講評

 今回の講評は、少し複雑な思いで書いています。
 まずは、このたびの台風並びに集中豪雨で被害にあわれた方々のことを思うと、人間の無力さを感じます。私の周りでも被災した友人や同僚がおり、なんとか力になれないかと思い、過日学生と一緒に被災地へボランティア活動に行ってきました。
 静かな川の流れを見ながら、泥の溜まった家屋へ、いままで普通に幸せに生活してきた場所に長靴で入らなければならない失礼極まりない支援に対しても感謝されました。どうにか復興し、再建していただけることを願ってやみません。

13都県で中止、約20,000人が受験できませんでした

 さて、令和元年度のケアマネジャー試験についても、東京都をはじめ13の都県で、台風の影響から中止となりました。試験日を目指して頑張ってこられた皆さんのなかで、受験できた方と中止で受験できなかった方、また台風の影響で試験会場まで行けなかった方など、さまざまな様子となってしまいました。
 厚生労働省の発表によると、今回の受験者数は30,378人と報告されています。当初、受験者数は昨年の大幅減と同規模の49,000人程度とされていたことからすると、約20,000人が受験できなかったことになります。

 受験者も、いつもとは違う対応が求められたようです。終了時間まで退室できない、問題は持ち帰れない、SNSでの問題アップなどはできないなど、道府県によって厳しさは違っていますが、時間遅れの開始などに考慮して一定のラインが引かれていました。
 各自の問題についても道府県による違いがあるものの、求められれば返却手続きがされているようです。なお試験センターでは、今回の問題をホームページ上で公開しています。

 受験できなかった約20,000人の方が模擬試験のように、実際の試験を解いてみて介護支援分野18点、保健医療福祉分野27点の結果だったとしたら、中止がどんなに苦しいことだったでしょうか…逆に得点が十分にとれなかった方は、年度末までには実施されるであろう再試験(希望的観測ですが)まで数か月の学習期間が確保されるため、一度肩の力が抜けてしまった感があると思いますが、早めの再スタートを期待したいと思います。
 ただ中止となった都県においては、実施日が統一されたところで会場や運営ができるかといった準備が必要となります。また試験問題についても、再度作成しなければならないような状況であり、時間がかかるものと思われますが、試験実施要綱によると試験は年1回以上実施するとされていることからすると、年度内に実施されるものの思われます。

第22回ケアマネ試験の試験講評について

 そうしたなかではありますが、10月13日(日)に34の道府県で実施された試験問題について、講評をしてみたいと思います。
 第22回の試験に対しては、受験のためのテキストとなる「介護支援専門員基本テキスト」が昨年6月に改訂され、八訂版となりました。この八訂版は2色刷りになったりイラストも使われたりと、これまでの基本テキストと比較すると斬新でした。執筆者も新しい方が加わり、内容が一新される部分も多いのですが、昨年度の試験には改訂された部分の出題は全く見られず、若干拍子抜けした感がありましたが、今年の試験も同様な感じがしました。

 さて問題全般についてみれば、非常によい問題が多くみられると思います。
 介護支援分野については本当に必要な知識が問われているといえるでしょう。したがってしっかりと学習した人にとっては、幾分か得点しやすかった、優しかったという感想が聞かれることと思います。中止となって受けられなかった方が「これだったら得点できるなぁ」と悔しがられるのではないかと心配しています。

 保健医療サービス分野では、高齢者に対する医療知識として必要な知識ですが、福祉系の人にとっては少し聞きなれないカタカナが多い感じがしますね。保健医療の最後の2問は少し骨のある問題ですね。介護報酬の算定であったり、介護医療院の問題はなかなかの難問ですね。

 福祉サービス分野では、ソーシャルワークに関する出題と高齢者に関連する制度としての生活困窮者自立支援制度、生活保護制度、成年後見制度などは極めてオーソドックスな出題ですね。それに比較すると介護保険で給付される福祉サービスに関する出題についてはやたらと「算定」という言葉が出てきます。サービスの出題意図は、サービスの内容と利用対象者のマッチングのためにサービス内容の理解が大切なのに、介護報酬請求事務的な問題が多い感じがするので、その事業所で働いている経験があると得点できるかもしれませんが、なにかすべての問題で「算定」がでてきていることが気になるところです。

介護支援分野の問題を分析してみます

 そうしたなかで、私の担当してきた介護支援分野を分析してみたいと思います。先ほどもお話したように、良問が多い介護支援分野となりました。

 しかしながら、やはり問題1と問題2は、受験者をいきなり呪いにかけるような難問ですね。問題1についてみれば「3つ選べ」で「えっ、あと1つは…」と、2017年の改正なのかそれ以前なのかと1つがみつけられないのではなかったでしょうか。問題2は保険給付の理念なのですが、法第2条とか言われると…でも、選択肢1・2・3は確実に外れるので、それほど難しくはないかもしれませんね。
 問題3は適用除外者問題ですね。選択肢2と3、選択肢4と5が同じような書きぶりですね。適用除外となる理由は何か考えれば、その施設に入所していると「介護」が受けられるから除外されていることがわかっていれば、判断可能ですね。
 問題4の特定疾病は16の疾病の理解ですが、セミナーでは「漢字が難しくて読めないなんてないですよね」ってお話しして、「今年は「脊柱管狭窄症」が出ますね。あとALSの患者さんのドキュメンタリーやってましたから」なんて言って、閉塞性動脈硬化症も私は読んでいましたが…(ズバリ的中でしたね)  こんな感じで特定疾病が出題されるのは久しぶりな感じですね。こういう素直な問題は好きです。
 以降、「居宅サービス事業者」に関する問題、「指定居宅介護支援事業者」の問題5と問題6は、テキストを理解していたかがポイントになりますね。
 問題7の「介護支援専門員の義務の問題」は久しぶりですね。公正中立、秘密保持、名義貸しの禁止で、易しい問題で得点可能ですね。
 問題8は「市町村介護保険事業計画」の問題ですね。国の基本指針ですから☓、市町村老人福祉計画と一体に作成、さらに市町村地域福祉計画とは「調和」がとれていないといけませんよ。そして変更あった場合は都道府県にも提出します。
 問題9は「第1号保険料」の問題は、特別徴収と普通徴収、保険料の決め方、連帯納付義務が理解できていれば易しい問題ですね。
 問題10の調整交付金は、なんのためにどこが出すのかが理解できていれば易しい問題ですね。国の負担割合のなかに市町村の高齢者の所得状況に応じて傾斜的に配分される全体で5%にあたるものでしたね。
 問題11は、社会保険診療報酬支払基金の業務に関する問題です。いつもは国保連の指定席ですが、支払基金もたまには出してほしかったですね。納付金と交付金がポイントですね。誤っている選択肢もいいですね。財政安定化基金、国保連、保険者の保険料徴収など消去法でもいけますね。
 そして、問題12の地域支援事業の包括支援事業がどれかは、生活支援体制整備事業、認知症総合事業、在宅医療・介護連携推進事業を選ぶんですね。で、出題の意図はなんですかね。知識だけを問う問題なんですかね。
 問題13は介護サービス情報ですか…。活用されている実態はないのに、試験では指定席化してきていますが、今回は情報を報告する事業者の視点ですね。
 問題14は介護保険審査会、都道府県におかれて管内の保険者の行政処分に対して審査する機関ですから、被保険者に対しての行政処分を選べば正解となりますね。
 問題15と16はケアマネジメントに関する問題で、極めて基本的な問題ですね。問題16の選択肢4は、先ほど問題2でも見ましたよ。
 問題17では出ましたね、「重箱の隅問題」が。厚生労働省が定めている「課題分析標準項目」にあるものはどれかという問題ですね。えっ、「資産」なんて聞くのかな?
 問題18は介護老人福祉施設の施設サービス計画ですね。地域住民による自発的な活動は大切ですね。
 問題19と20は介護予防支援の問題です。基本的な内容の選択肢ですね
 問題21、22、23は要介護認定等の問題ですね。いつもは「重箱の隅問題」なんですが、極めてオーソドックスな選択肢で正解しやすいですね。
 そして、得点しやすい事例問題は予想通り2問出題されました。一人暮らしと認知症の事例ですが、介護支援専門員の対応としてとなっていますが、関係者であれば適切な対応を選ぶことを難しいといえるでしょうか。

 以上、介護支援分野の25問も振り返ってみました。
 本当に良問で得点しやすい問題ですね。中止となった都県の方かこの問題で受験できたらよかったと言われないような、今年度中に行われる問題が作成されるのか心配になってきました。
 介護支援分野の合格基準点は、たぶん基準通りの17点前後になりそうな感じですね。私が発言すると、いろんなところで騒がれるので保健医療福祉サービスの基準ラインについては、「〇〇点」としておきます。

 試験を受けられた方は、頑張ってきた自分を誉めていただき、合格の吉報をお待ちください。
 そして中止となった13都県の方は、気力をなくすことなく、学習できる期間が増えたと考え、ぜひとも正確な試験情報を入手し、是非ともチャレンジしてください。
 試験日が確定したら、13都県の方向けに支援できるコンテンツがないか考えてみますね。

 それでは、これをもちまして第22回の介護支援専門員実務研修受講試験の受験対策を一旦閉講させていただきます。
 今年も皆さんのお力になれたとしたら幸せです。ありがとうございました。