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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2018年の合格率が10.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

2019ケアマネ試験合格に向け頑張りましょう!! 信頼度No.1の中央法規出版『ケアマネジャー受験対策商品2019』はこちら!!

ケアマネ試験の合格に向け、確かな力を身につける「実力養成編」セミナーを開催!

第14回 第5単元「支える仕組み」 2回目

ケアマネ受験対策講座(セミナー)が始まります!

 中央法規出版さんの受験対策セミナーが、今週末に東京で開催されます。
 実力養成編という企画なんですが、基礎的な問題の傾向や学習方法、さらには過去問題を再構成したセミナーです。
 なによりこのネットを介した「受験対策講座」と比べると、会場の雰囲気やリアクションが直接感じられるので、セミナー講義が楽しみです。なお、実力養成編では「介護支援分野」「保健医療・福祉分野」に対応しているので、ちょっと苦手だなと思っている「保健医療サービス知識」についても、益田先生が解りやすく、覚えやすく解説されるのでおすすめです。
 なお、セミナーは来月に大阪でも予定されています。ケアマネ受験対策講座「実力養成編セミナー」をはじめ、模擬試験などもありますので、受験対策が不安な方はご覧いただき、ご検討いただければと思います。

 さて、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の本番まで、まもなく90日を切ってしまいます。
 受験のための勉強は「覚える」「問題を解く」「瞬時に選択肢の○×を判断する」の繰り返しだと思います。できるだけ過去問題や模擬問題などの選択肢を読んで、瞬時に○×を判断する練習を積みましょう。ただし、大切なことは間違えた場合の対応です。きちんと『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(以下「基本テキスト」)・『ケアマネジャー試験ワークブック2019』(以下「ワークブック」)で確認するということが必要です。

 ところで、皆さんは1日何時間くらい受験対策の勉強時間に使えますか? ケアマネジャー試験を受けられる皆さんは、普段は忙しく働いていらっしゃると思います。休みの日に集中して時間をとることができるとしても、1日平均2~3時間もあるでしょうか…。1日3時間としても、90日で270時間程度しかありませんので、しっかりと要点を理解して覚えることが大切だと思います。

 最近はアプリで受験対策なんて、私たちの学生時代には考えられないような進化がありますので、1時間でも30分でも「スキマ時間」の有効活用が大切だと思いますよ。
 まずはアプリの使い方を早速みてみました。無料アプリもあってお試しでやってみるのもいいかもしれませんね。選択肢を判断する時間がカウントダウンされたり、何度も間違えた問題はどれか判定できたり…。問題集は持っていなくても、スマホは持っていらっしゃるときに、時間があいたらスマホでも学習ができちゃうんです。
 関心を持った方は、お試しでアプリをダウンロードしてみてください。

さて、それでは「支える仕組み」の2回目をはじめます

 介護保険制度を6つの単元で区切って解説してきていますが、先週から第5単元の「支える仕組み」の解説をしています。


 支える仕組みとしては、先週の「国保連」と今回の「国」、「都道府県」が保険者である「市町村」を「どのように支えているのか」が出題ポイントになります。
 過去問からみると「国保連」については、大切な役割を5つ程度覚えておけば得点可能なので、例年通り出題されたら1点確実に確保できますよ。
 そして、今週解説する「国」「都道府県」については、「支える仕組み」の内容は、「国の責務」なのか「都道府県の事務・責務」なのか「市町村の事務・責務」なのかといった、その事務や責務を担っているのが「どこなのか」が担っているのかということを確実に理解しておかなければなりません。

 例えば、「介護保険審査会」は都道府県に置かれるのですが、「市町村の介護保険審査会」(×)などと出題されていたり、「財政安定化基金は国に置かれる」(×)という選択肢で登場したりする、という出題方式が多いのです。関連性とともにどこがその業務を担当するのかということを、しっかり理解しておく必要があります。

「国の役割・責務」

 「国の役割・責務」をまとめると…、大きく次の4つがあげられます。

  • (1)各種基準等の設定(「基本テキスト」1巻66~67ページ・「ワークブック」19ページ)
  • (2)介護サービス基盤の整備(「基本テキスト」1巻67ページ・「ワークブック」19ページ)
  • (3)介護保険運営のための財源負担(「基本テキスト」1巻67ページ・「ワークブック」19ページ)
  • (4)介護保険事業の健全・円滑な運営のための指導・監督・助言等

 くわしく説明していきましょう。

(1)各種基準等の設定
(「基本テキスト」1巻66~67ページ・「ワークブック」19ページ)

 私は大学の定期試験で「介護保険の保険者は、国である」という出題をしてみました。多くの学生は×をつけてくれたのですが、なかには、介護保険は国が設計し、国が運営していると思っている学生もいました。

 確かに介護保険制度は、わが国の社会保障・社会保険の仕組みとして位置づけられています。したがって、全国一律の運営が求められることになります。

 つまり、国はその運営にあたっての介護保険法を整備するとともに、基準や規則を定める役割があります。具体的には、要介護認定等の基準、介護報酬の算定基準、区分支給限度基準額、サービス提供事業者の人員・設備・運営基準などがあります。

 そしてその基準、規則にしたがって保険者である市町村が介護保険を運営しています。

 なお、このことに関連して、「地域主権一括法」が施行されており、地域密着型サービスの指定基準などについて、市町村が条例で定められるように変わっていることなどは、プラスアルファの知識としておさえておきましょう。

(2)介護サービス基盤の整備
(「基本テキスト」1巻67ページ・「ワークブック」19ページ)

 さらに国の役割・責務として、市町村が3年を1期として策定する「市町村介護保険事業計画」のための「基本指針」を示します。この「基本指針」は都道府県「都道府県介護保険事業支援計画」作成上の助言を通して、「市町村介護保険事業計画」へ反映されることになっています。
 こうした仕組みのなかで、介護サービス基盤の整備をすすめていくことになります。

(3)介護保険運営のための財源負担
(「基本テキスト」1巻67ページ・「ワークブック」19ページ)

 国は、市町村が介護保険運営に必要な財源も定率で負担することになっています。具体的には、介護保険で給付する「介護給付費」と、「地域支援事業」に対して、国庫負担をすることになっています。(「基本テキスト」1巻76ページ・「ワークブック」12ページ)

 介護給付費の負担割合については、「保険料」のところでお話ししましたが、全体の半分は保険料(50%)、残りの半分は公費(50%)とされています。この公費のうち半分、つまり25%が国の負担となるのです。
 また、調整交付金という仕組みがあります。これば市町村は保険料の仕組みとして「所得段階別定額保険料」を導入しているため、市町村内の第1号被保険者の所得状況により、保険料収入に過不足が生ずることがあります。そこで、国は25%のうち、5%相当額を保険者ごとに傾斜的に配分する「調整交付金」とし、残りの20%については定率の「定率交付」の2種類の負担をすることにしています。

 さらに、国の負担額は居宅給付と施設等給付で違いがあります。居宅サービスの給付費について、国の負担割合は25%ですが、施設等給付については、20%が国庫負担となっているという違いがあります。

 また「地域支援事業」についても「介護予防事業」と「包括的支援事業」とでは、第2号保険料を充当するかしないかによって、国庫負担の割合が異なっています。

 加えて「介護予防・日常生活自立支援総合事業」(総合事業)の国の支援割合についても細かい点ですが理解しておきましょう(「基本テキスト」1巻163ページ・「ワークブック」96ページ)。

 このほかにも、介護保険事業の安定的運営のために、都道府県ごとに「財政安定化基金」が置かれていますが、この基金の3分の1を国が負担することとされています。

(4)介護保険事業の健全・円滑な運営のための指導・監督・助言等

 介護保険事業の健全・円滑な運営のために、市町村や都道府県、さらには社会保険診療報酬支払基金、国保連等に対して指導・監督・助言等を行うこととしています。

 「国の責務・事務」については以上が主なものです。「基本テキスト」「ワークブック」でしっかりとおさえておいてください。
 次に「都道府県」の責務・事務について解説していきます。

支える仕組みの最後は「都道府県」の解説となります

 さて、支える仕組みの「都道府県の責務・事務」について解説していきますね。

 「基本テキスト」1巻68~69ページ・「ワークブック」16ページにまとめられていますので、まず確認しておいてください。

 都道府県は広域的な地方公共団体として、介護保険の保険者である市町村を支援することが法律上位置づけられています。

 具体的には、次のような事務(しごと)を行います。

  • (1)要介護認定・要支援認定業務の支援に関する事務
  • (2)財政支援に関する事務
  • (3)サービス提供事業者に関する事務
  • (4)介護サービス情報の公表に関する事務
  • (5)介護支援専門員に関する事務
  • (6)介護サービス基盤の整備に関する事務
  • (7)その他の事務

 このなかで少し出そうなところ、プラスアルファの知識的なヤマをはってみようと思います。それぞれの項目のなかで、1つだけセレクトして解説してみました。

  • (1)「要介護認定・要支援認定業務の支援に関する事務」では、市町村から委託を受けた場合、都道府県に「介護認定審査会」を設置し、審査判定業務を行うことになっています。この場合であっても調査認定は保険者である市町村が行うことはおさえておきましょう。
  • (2)「財政支援に関する事務」では、保険給付や地域支援事業の都道府県負担分があるが、保険給付の負担割合が、居宅給付の都道府県負担は12.5%であるのに対し、施設給付については、17.5%と違う点はおさえておきましょう。
  • (3)「サービス提供事業者に関する事務」では、都道府県の指定するサービス提供事業者と市町村の指定するサービス事業者の相違をしっかりおさえておきましょう(「基本テキスト」1巻102ページ・「ワークブック」70ページ)。もう1つ加えるとすれば、指定の更新は6年ごとということですね。
  • (4)「介護サービス情報の公表に関する事務」は、利用者が適正かつ円滑に介護サービスを利用できるよう、基本情報・運営情報・任意報告情報を事業所や施設が、都道府県知事に報告し、都道府県知事または、都道府県ごとに指定する指定情報公表センターが公表します。
  • (5)「介護支援専門員に関する事務」では、介護支援専門員の登録並びに更新と、介護支援専門員証の発行があり、介護支援専門員証の更新は5年ごとという点をおさえておきましょう。
  • (6)「介護サービス基盤の整備に関する事務」では、「都道府県介護保険事業支援計画」の策定は3年を1期として定めるという点をおさえておきましょう。さらには、「医療計画と介護保険事業支援計画は、整合性を図ること」とされています。(「基本テキスト」1巻185~186ページ・「ワークブック」89~90ページ)。
  • (7)「その他の事務」としては、保険者である市町村が行った処分(決定)等について、再審査する機関として「介護保険審査会」を置き、運営することがあげられます。「介護保険審査会」については、「基本テキスト」1巻190~191ページ・「ワークブック」133ページに書かれていますので、その委員構成や人数等も確認しておくことをおすすめします。都道府県は、「介護保険審査会」の公益代表委員の数を条例で定めることも規定されています。

 来週は、支える仕組みの「○×問題」に挑戦していただきたいと考えていますので、復習をしておいてくださいね。

 ことしの梅雨は、長い連続の雨降りが続いているのに加えて、地域によっては大雨による被害も出ています。この梅雨があけたら、きっと暑い日が続くことになるでしょう…
 気持ちが晴れない毎日かもしれませんが、皆さんは受験生です!

 もう少しだけ やれる時間にがんばってみましょう! 応援しています!