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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

2018年の合格率が10.1%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第5回 第2単元「保険料」1回目

ゴールデンウィークはいかがでしたか!

  ゴールデンウィークがいかがでしたでしょうか。天気は良かったので皆さんも満喫されたことと…いやいや、連休前にもお話しましたとおり、みなさんは受験生ですから…わきまえていらっしゃると思われますが、老婆心ながら…。

 そしてなによりも、皆さんの『心の中』が気がかりです。
 「まだ試験日までは時間があるから」と、ついついと過ごしていませんか?

 これから先、もしまとまった時間が取れるならば、じっくりと有意義な受験勉強の時間としていただければと思います。この連休で、おそらく家族とともに小旅行とか、友人との久しぶりの再会なんて時間を過ごした方もいらっしゃったかもしれませんが、確実に試験日は近づいてきていますからね。

 そう!あと170日を切りました、約5か月しかありませんよ~。
 ケアマネジャーという「計画をつくる専門家」になるあなたですから、「合格」という長期目標に向けて、月単位で設定する短期目標があるといいかもしれませんね。

 そして、その計画に対するモニタリングをしながら、調整していくフォローアップもしておきましょう。 さて、今週からは第2単元「保険料」について解説します。

保険料の仕組みの成り立ち


 さて介護保険料については、制度創設の設計段階から「確実なる徴収」が保険者である市町村から求められていました。介護保険制度の導入が議論されていた当時、市町村が保険者となって運営している公的医療保険の「国民健康保険」については、保険料の納入率が低く、市町村が保険者となる「介護保険制度」についても、保険財政の安定化のためにも、保険者として保険料が確実に納入されるシステムがほしかったのです。

 そこで、介護保険制度では、被保険者となる第1号被保険者と第2号被保険者から「介護保険料」が確実に納付される仕組みが検討され、実施されてきました。

第1号被保険者の保険料

 具体的にみると、第1号被保険者については、第1単元の「被保険者」でお話ししてきた、「65歳以上の人である」という点に着目すると、その多くが「年金」を受給しているというポイントがあるのです。

 そこで、「年金保険者」年金を支給する際に、年金額からその「被保険者」の介護保険料を差し引いて、その差し引いた介護保険料を「年金保険者」が「介護保険の保険者」である市町村に対し、本人に代わって納付するという方法が考えられました。
 「年金」から「介護保険料」を、いわゆる「天引き」する仕組みです。そういえば私たちの健康保険料や年金保険料も給料から天引きされたりしていますね。

 この方法は「特別徴収」『[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(「基本テキスト」)第1巻78~79ページ・『ケアマネジャー試験ワークブック2019』(「ワークブック」)98ページ)と呼ばれています。この方法を採用することによって、第1号被保険者からの保険料徴収が確実に行われるのです。

 しかしながら、65歳以上の第1号被保険者のなかには、何らかの事情で無年金になってしまった方や、受給できる年金額が少ない被保険者がいるのも現実で、このような方々からは特別徴収はできません。

 そこで、無年金の被保険者や年金が支給されていても年額18万円に満たない受給者の介護保険料については、市町村が納付書を送付し、被保険者がその納付書によって納付する「普通徴収」という方法を採ることにしました(「基本テキスト」第1巻79ページ・「ワークブック」98ページ)。

 さらに「普通徴収」の対象者については、より納付が確実に行われるようにするために、配偶者や世帯主に「連帯納付義務」(「基本テキスト」第1巻79~80ページ・「ワークブック」98ページ)を位置づけました。また、納付の利便性に配慮し、「保険者」である市町村と契約した「コンビニエンスストア等」での納付も可能としています(「基本テキスト」第1巻80ページ・「ワークブック」98ページ)。

第2号被保険者の保険料は?

 第2号被保険者の保険料については、第2号被保険者全員に給付されている「年金」のような仕組みはありませんから、第1号被保険者の「特別徴収」のような天引きによる徴収ができません。そのため、その介護保険料のさまざまな徴収方法が検討されました。

 もう一度思い出してください。第1単元の「被保険者」で学習したように第2号被保険者の強制適用の要件に「医療保険加入者」がありましたよね。

 実はここにその秘密が隠されているのです。

 基本的に40歳以上の人は、なんらかの「医療保険」に加入しています。医療保険には、働いている職場によって加入する「職域保険」と、自営業等の人が加入する国民健康保険のような「地域保険」があります(医療保険の仕組みは、「基本テキスト」1巻42ページに書かれています)。

 つまり第2号被保険者には、医療保険料を徴収する仕組みがあり、この医療保険の保険料を徴収する際に「介護保険料」も併せて徴収する仕組みを採り入れれば確実に徴収できるわけなのです(「基本テキスト」第1巻81~83ページ・「ワークブック」99~100ページ)。

 したがって、第2号被保険者には保険料を納めることのできる「医療保険加入者」を強制適用の要件に加えているのです。

 そして、医療保険料と合わせて徴収された介護保険料は、健康保険や国民健康保険の各医療保険者から「社会保険診療報酬支払基金」にいったん集められたあと、介護保険の各保険者である市町村に定率交付(27%)される仕組みとなっています(「基本テキスト」第1巻76ページ・「ワークブック」97ページ)。

 参考図:(「基本テキスト」第1巻76ページ「ワークブック」95ページ及び97ページ)は、じっくりとご覧いたたき、介護保険の財政構造について理解されるとよいかと思います。

 今週の「保険料」1回目では、特別徴収・普通徴収・医療保険料と併せての徴収といった3つの方法と、「連帯納付義務」「コンビニでの納付可」をおさえておきましょう。

 次回は、もう少し具体的に保険料率の決定や所得段階別保険料、第2号保険料の流れなどを解説します。みなさんが予習しておくことも期待しています!

 そこで、予習される方のために、第2単元「保険料」のキーワードをあらかじめあげておきますので、キーワードの理解をすすめるとよいでしょう。

第2単元 キーワード

  • ● 第1号保険料の算定(「基本テキスト」第1巻77ページ・「ワークブック」97ページ)
    保険者である市町村が、政令で定める算定基準に従い、条例で3年を1期として設定する。個々の被保険者の負担能力に応じて、原則、9段階の所得段階別定額保険料が設定されている。
  • ● 特別徴収(「基本テキスト」第1巻78~79ページ・「ワークブック」98ページ)
    第1号被保険者の保険料について、年額18万円以上の老齢年金(または退職年金)、遺族年金、障害年金の受給者である場合は、年金保険者が年金を支給する際に天引きして徴収し、市町村に納入する。
  • ● 普通徴収(「「基本テキスト」第1巻79ページ・「ワークブック」98ページ)
    第1号被保険者のうち、年額18万円に満たない老齢年金等受給者については、市町村が直接、納入通知書を送付し、保険料の納付を求める。
  • ● 医療保険者(「基本テキスト」第1巻73ページ・81~83ページ・「ワークブック」99ページ)
    国が定めた第2号被保険者の負担割合をもとに、各医療保険者は、医療保険各法の規定に基づき第2号被保険者の保険料率を設定し、賦課・徴収のうえ、社会保険診療報酬支払基金に対し介護給付費納付金・地域支援事業支援納付金として納付する。
  • ● 社会保険診療報酬支払基金(「基本テキスト」第1巻76~77ページ・82ページ・「ワークブック」100ページ)
    医療保険の各保険者から集めた納付金を財源とし、各市町村の介護保険特別会計に、給付費に対し定率27%(平成30~32年度)を介護給付費交付金・地域支援事業支援交付金として交付する。
  • ● 保険料滞納者への措置(「基本テキスト」第1巻80ページ・「ワークブック」98~99ページ)
    被保険者が介護保険料を滞納している場合には、(1)保険給付の償還払い化、(2)保険給付の一時差止、(3)滞納保険料と保険給付との相殺等の措置がとられる。
  • ● 財政安定化基金(「基本テキスト」第1巻84ページ・「ワークブック」101ページ)
    保険料未納による収入不足や介護給付費の増大などにより生じる危機に対応し、市町村の介護保険財政の安定化を図るために都道府県に設置する。財源は、国・都道府県・市町村(第1号保険料でまかなう)が3分の1ずつ負担する。

 続けて合格へ向けて、一歩一歩すすめていきましょうね!
 応援しています!!!