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林先生の受験対策講座

林 和美 (はやし かずみ)

合格率が21.5%という超難関のケアマネ試験。この狭き門を突破するためには、ポイントを押さえた効率よい学習が不可欠です。このコーナーでは、「介護支援分野」について、その秘訣をガイドします。
※毎週火曜日更新!

プロフィール林 和美 (はやし かずみ)

国際医療福祉大学医療福祉学部教授。
研究領域は、ケースマネジメント・高齢者福祉・地域支援ネットワーク。特養、在宅介護支援センター勤務などを経て、教育の場へ。現在は大学でソーシャルワーカー育成に尽力されています。

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第18回 「ケアマネジメント論」1回目 事例問題と指定基準

あと60日弱・・・ありますね

 今週から介護支援分野の出題範囲から、いわゆる「ケアマネジメント論」の解説をはじめます。

 私は、「社会福祉援助技術論III」と「ケアマネジメント論」という科目でケアマネジメントを講義しています。
 1990年代に在宅介護支援センターに勤務していたとき、私は「ケースマネージメント」に出会いました。この「援助技術」による多職種連携と、地域の資源開発機能などそのすばらしさに感激し、「ケースマネージメントは地球を救う」のではないかと感じたのです。
 その後、高齢者介護・自立支援システム研究会が介護保険制度にケアマネジメントを位置づけることを決定し、介護保険制度におけるケアマネジメントが検討されました。

 介護保険制度の施行により、「ケアマネジメント」や「ケアマネジャー」という言葉が一般の方にも知られるようになりました。しかしながら、もともと「保険」制度は、負担と給付の公平性が優先するものです。そのため「必要な人に必要なだけサービスを提供する」といったケアマネジメントの理念を実現するには限界があります。
 そうしたなかで介護保険制度に位置づけられた介護支援専門員(ケアマネジャー)は、利用者のニーズを適切に把握するととともに、介護保険制度における給付サービスを適切にリンケージする(つながり続ける)ところまでは、ケアマネジメントの理念を普及させてきました。

 しかし、私は、現在の介護保険制度におけるケアマネジメントは、まだ、ケアマネジメントの理念の実現には不充分であることを学生に事例を交えて講義しています。学生たちも実習先で介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務の忙しさと煩雑さを感じながら、「先生の話す理想のケアマネジメントは行われていなかった」と報告してくれます。
 しかしながら、今回の八訂「基本テキスト」では、本来のケアマネジメントのあり方が地域包括ケアシステムの深化とあわせて、強調して書かれており、この基本テキストで学んだ介護支援専門員が、学生たちが実習先で出会う「本物のケアマネジメント」を体験してきてくれる時代もそう遠くないと思います。

 さて、基本テキストが大幅に書き下ろされているため、今年の出題がどのようになるのかとても楽しみな反面、予想しにくいことは事実としてあります。
 同様に、「保健医療サービス知識」も「福祉サービス知識」も基本テキストの書きぶりが異なっていることには驚かされています。まぁ、基本テキストが重要であると言い続けている私や皆さんにとっては、目を通して、理解をしていけば簡単に解ける問題であると思いますが、いわゆる「過去問だけ」の受験対策では、合格ラインは狙えないと確信しています。
 そこで、八訂「基本テキスト」にそって、テキストをまとめる「ノート」のような感じでけあサポ原稿を来週から掲載していこうと考えていますので、楽しみにしていてくださいね。そこで今回は、これまでの出題構成から「介護支援分野」のうち、「ケアマネジメント論」という区分が適切であるかは別にして、説明していこうと思います。

受験対策として「介護支援分野」は2つの出題区分

 さて、今年10月14日(日)に行われる介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)のうち、「介護支援分野」としての問題25問は、大きく2つに区分することができますね。介護保険制度に関する問題がおおむね18問程度、ケアマネジメントに関する問題がおおむね7問です。

 ケアマネジャー試験の合格基準では「おおむね70%の正答」とされているので、「介護支援分野」25問の70%だと、25問中17問~18問に正解する必要があるということになります。しかし、これまで実施された全20回の試験では、「介護支援分野」の合格ラインが70%に達したことはなく、ここ数年は25問中13~15問正解あたりが合格ラインとなっています。
 もちろん、よく勉強していらっしゃる皆さん方の目標は、15問正解が目標ではなく、あくまでも18問以上の正解を目標としていただきたいのですが…。

 そしてこの「ケアマネジメントに関する問題」の構成として、最後の1問、つまり問題25は、「事例問題」になっています。(一昨年から、1問だけになりました)
 先週お話ししましたが、試験問題は、介護支援専門員(ケアマネジャー)としての基礎知識と基礎技術を問うという目的から作成されますから、「事例問題」は介護支援専門員(ケアマネジャー)として、遭遇する場面で適切な対応ができるかどうかという考え方や基礎技術を問う問題となるわけです。
 そういう意味で事例問題は、介護支援専門員(ケアマネジャー)としてもつべき「技量」がポイントとなります。さらにケアマネジメントの「課題分析」から再アセスメントのプロセス、つまりケアマネジメントがどのように展開されるのか、そのプロセスをよく理解していなくてはならないのです。

しかし、過去問題の事例を見てみると・・・

回(年)問題24問題25
20回(2017(平成29)年)飼い主の世話ができなくなった一人暮らし高齢者からの相談対応と支援
19回(2016(平成28)年)大地震の避難所で担当している認知症の利用者と家族支援
18回(2015(平成27)年)一人暮らしで認知症の疑い要介護3と認知症の二人暮らしの支援
17回(2014(平成26)年)訪問介護の回数を減らす介護老人保健施設からの退所依頼
16回(2013(平成25)年)一人暮らし(訪問介護への期待)一人暮らし(介護老人保健施設退所後の生活)
15回(2012(平成24)年)利用者からのクレーム対応サービス拒否者への対応
14回(2011(平成23)年)認知症を抱える高齢者世帯一人暮らしの介護保険施設への入所対応
13回(2010(平成22)年)介護支援専門員の対応病院からの対応依頼

 勝手にタイトルをつけてみましたが、「事例問題」は、基本的に利用者であるAさんに対して、介護支援専門員(ケアマネジャー)がどう対応することが「適切」なのかを選択する問題です。
 テーマとしては「一人暮らし」や「高齢者世帯」「認知症」「虐待」「サービス拒否」などの事例が多くあげられています。
 しかし、この「事例問題」は、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、どのように対応するか、適切な対応は何かを問う問題であり、基本的に何らかの実務経験があるみなさんにとっては、他の問題と比較すると、容易に得点できる2問(1問)です。判断を誤らなければ必ず得点できるはずです。

 私のケアマネジャー受験対策セミナーでは、本番のケアマネジャー試験の問題では、はじめの問題1問題2「呪文がかけられている」とお話しています。
 『ケアマネジャー試験 過去問解説集2018』などで過去問題を見ていただければわかりますが、問題1問題2は「これから、あなたが解こうとしている試験は、難しい問題ばかりですからね」というメッセージを受験者にあたえるような、解きづらい問題になっています。
 ですので、セミナーでは、「だったら問題1問題2に取り組んで、出だしで、つまずくより、問題25で出される『事例問題』を先に解いてから、問題1に戻ったらどうですか?」とお話しています。

 そうなんです!! 「事例問題」は状況設定さえわかれば、あとは介護支援専門員(ケアマネジャー)としての適切な対応がどれか、消去法でもいいので、「より適切」だと感じる選択肢を選べばよいのです。 こうした八訂に書かれている「本物のケアマネジメント」については、来週からまとめますね。

 そして、事例以外に得点しやすいのは「居宅介護支援の指定基準」です。八訂「基本テキスト」でも重要な基準が一覧表にまとめられ、「最低限これぐらい知っておいてほしい!」と言っているみたいです。