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和田行男の「婆さんとともに」

非常食で生命つなぐ非常事態

 この度の低気圧による大雪が、あちこちに被害をもたらしている。
 山梨県のグループホームの仲間から「非常食で食いつないでいる」と連絡をもらったが、交通が遮断されているので何にもできない。こうなるとホント無力である。
 
 福島県郡山市内15日夕方。風が強く、建物に吹付塗装のように雪がへばりついていた。

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 あの痛ましい東日本大震災のときでさえ被災直後から行動できたが、今回は行動を起こせない。物資を届けるルートが見当たらないのだ。
 山梨県の知り合いに連絡すると、150㌢からの積雪で集落全体が孤立化して身動きできないでいる。報道されている以上にうちの集落は厳しい事態と言っていた。
 それでも何とか今日は天気が良いので、県道までの道の除雪を集落の人たち総出で人力による除雪作業にかかったが、それで骨折した人が2名いて、その人たちの受診もできず、負の連鎖が起こっているようだ。
 元々山梨県は豪雪地帯ではないので、ハードもソフトもそれに対応したものになっていないようだ。ビニールハウスや倉庫などが崩壊し車がへしゃげたりといった被害も出ているようで、あれこれ機械を使いたくても燃料を調達できず、歩くことさえも難しい大雪被害の怖さを思い知らされている。
 介護事業を使っているような要介護状態にある人だけでなく、自宅で孤立している人たちが随分たくさんいるのではないかと思うと、ぞっとする。
 報道を見ている限りであるが、政治や行政の動きも悪いように思うのは僕だけだろうか。それは、土日のせい?危機管理の甘さのせい?
 先週末から福島県に仲間たちと行っていたが、仲間は16日日曜日に500m進むのに3時間もかかるような大渋滞に遭った。そこまではよくある話かもしれないが、その大渋滞の原因はその先の道路が「通行止」で、その情報が運転手に届けられないため、ただひたすらわけわからないまま渋滞の渦に置かれているという何ともお粗末な状況だったのだ。これを聞いたときは、さすがに怒りがわいてきた。しかも基幹国道での話である。
 なぜ「通行止」がわかったかというと、地元の仲間たちがインターネットで調べて連絡をしてくれたからで、それがなかったら、ずっと渋滞の中、動くのを待っていたってことになる。ひどい話やわ。
 路・道が寸断されると手の打ちようがなくなることを思い知らされた今回の大雪だが、もう過去の情報だけで「うちは大丈夫」なんていうのは通用しないってことやね。
 ここ数年でわかってきたことは、日本中が被災地域ってこと、“記録的”とか“経験のない”といったフレーズに代表されるように想定外の天災に遭遇し続けてるってこと。もうあらゆることを想定内にしていかなあかんってことやね。
 とにかく、まずは自分が「備える」こと。互いに助け合う関係を平時から構築しておくことやね。
 
追伸
 閉じ込められた運転手たちに地元の人たちが炊き出しをしている光景が報道されていたが、これが日本の原風景なんやろね。
 僕が婆さん支援の中で常々話す、「自分の事は自分で」「互いに助け合って」「社会とつながって」は、人として生きていくうえでとても大事なキーワードであることを、改めて感じている。


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プロフィール
和田 行男
(わだ ゆきお)
高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は大起エンゼルヘルプでグループホーム・デイサービス・小規模多機能ホームなどを統括。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

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