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梶川義人の「虐待相談の現場から」

2014年は「ハイパー」に!!

 昨年末、12月30日(月)読売新聞「所在不明の乳幼児4,176人、虐待の懸念も」という記事が目に留まりました。要約すれば、同社が昨年11月、全国1,742市区町村を対象にアンケート調査を行い、全自治体から回答を得た結果、自治体が2012年度に実施した乳幼児健診を受けず、所在が確認できない乳幼児が37都道府県の334市区町村で計4,176人に上ったというものです。

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 これまで全国統計がなく、実態が明らかになったのは初めてなのですが、人口が多くて人数を集計していない自治体や、保護者への電話連絡や受診勧奨の手紙を出すだけで、確認が不十分な可能性のある自治体もあるため、実際にはもっと数が多いのではないかと懸念されています。

 所在不明といえば、平成22年頃、高齢者の所在不明も社会問題化しました。戸籍上は存在しているものの、高齢者の生死や居所の確認が取れない事例が相次いで発覚したからです。そうした高齢者の年金を家族・親族が不正受給する例もあるので、高齢者虐待の研修にも、所在確認を盛り込んだことを覚えています。

 いずれにせよ、家族・親族関係や地域のつながりは希薄化してきており、それが顕著な都市部を中心に、地道ながらも所在の確認を徹底させよう、と結論づけられることが多いのですが、ここでは別の視点から考えたいと思います。

 それは、年が明けて、放送大学大学院の情報学プログラムの音楽・情報・脳('13)第6回講義「感性脳を活性化する超知覚情報」(講師:仁科エミ放送大学教授)を視聴し、「へぇ~」と驚くようなことを知ったからです。私の理解が足りずに間違っているかもしれませんが。

 まず、人間に聴こえる周波数の限界(20kHzくらい)を超える超知覚情報が可聴音と共存すると、人間の脳の深部を活性化して、免疫力を高めたりストレスを低減したり、その心身にポジティブな効果があるのだそうです。

 そして、人間は、耳に聴こえない超高周波振動を体表面で感受しており、たとえば美しいとか快いと感じるなど、効果を識別できる能力を遺伝子レベルで備えています。

 こうした効果を持つ音を「ハイパーソニック・サウンド」といい、人類の遺伝子が進化的に形成された熱帯雨林の環境音や邦楽をはじめとする民族音楽の中に多く、都市環境や西洋音楽の中には少ないといいます。

 こう聞くと、都市環境や西洋音楽は、人間の本来のあり方とは少し違う方向に展開している気がしてきます。道理で、免疫力は落ちストレスは溜まるし、都市環境下では所在不明者も出て、まさに「不自然」なわけです。

 かといって、環境はみな熱帯雨林に、音楽はみな民族音楽に、というわけにはいきませから、それなりの工夫が必要です。ハイパーソニック・サウンドについては、都市の環境音に熱帯雨林の環境音を足して、心身への効果を測定する研究が行われています。

 それを倣ってというわけではありませんが、所在不明の問題にも、是非、ハイパーな解決方法を考えていきたいと思います。


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プロフィール
梶川義人
(かじかわ よしと)
(仮称)日本虐待防止研究・研修センター開設準備室長、淑徳短期大学兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。
著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。
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