社会福祉士国家試験(平成21年度・第22回) 問題文
【共通科目】現代社会と福祉・10問
・合否の判定や設問内容についてのお問い合わせには応じかねますのでご了承願います。
|人体の構造と機能及び疾病(7問) |心理学理論と心理的支援(7問) |社会理論と社会システム(7問) |現代社会と福祉(10問) |地域福祉の理論と方法(10問) |福祉行財政と福祉計画(7問) |社会保障(7問) |低所得者に対する支援と生活保護制度(7問) |保健医療サービス論(7問) |権利擁護と成年後見制度(7問) |社会調査の基礎(7問) |相談援助の基盤と専門職(7問) |相談援助の理論と方法(21問) |福祉サービスの組織と経営(7問) |高齢者に対する支援と介護保険制度(10問) |障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問) |児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問) |就労支援サービス(4問) |更生保護制度(4問) |
|人体の構造と機能及び疾病(7問) |心理学理論と心理的支援(7問) |社会理論と社会システム(7問) |現代社会と福祉(10問) |地域福祉の理論と方法(10問) |福祉行財政と福祉計画(7問) |社会保障(7問) |低所得者に対する支援と生活保護制度(7問) |保健医療サービス論(7問) |権利擁護と成年後見制度(7問) |社会調査の基礎(7問) |相談援助の基盤と専門職(7問) |相談援助の理論と方法(21問) |福祉サービスの組織と経営(7問) |高齢者に対する支援と介護保険制度(10問) |障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問) |児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問) |就労支援サービス(4問) |更生保護制度(4問) |
問題22
福祉制度及び福祉政策に関連する諸概念に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 社会保障制度審議会は,「1950年の勧告」で,社会保障制度とは,疾病,負傷,分娩,廃疾,死亡,老齢,失業,多子に対し,保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講ずることであると規定した。
2 社会保障制度審議会は,「1950年の勧告」で,社会福祉を,公的年金を受給している者,身体障害者,児童その他援護育成を要する者を対象として,必要な生活指導,更生補導その他援護育成を行うことと規定した。
3 社会保障制度審議会は,「1995年の勧告」において,「1950年の勧告」当時の社会保障の理念は最低限度の生活の保障であったが,現在では広く国民に健やかで安心できる生活を保障することが社会保障の基本的理念であるとした。
4 イギリスにおけるソーシャルポリシー(社会政策)は,所得保障,医療保障及び教育保障から構成されている。これに対してドイツを中心に発達した社会政策は当初,雇用・就業上の事故を対象とする社会保険を内容とするものであった。
5 ティトマス(Titmuss,R.)の「福祉の社会的分業」の考え方によれば,福祉制度は財政福祉,社会福祉,市民福祉及び企業福祉の4つに分けられ,第二次世界大戦後は社会福祉から市民福祉へと変化しつつあるとされた。
(注)
1 「1950年の勧告」とは,「社会保障制度に関する勧告」のことである。
2 「1995年の勧告」とは,「社会保障体制の再構築に関する勧告−安心して暮らせる21世紀の社会を目指して−」のことである。
【問題22の解答】 3
1 社会保障制度審議会は,「1950年の勧告」で,社会保障制度とは,疾病,負傷,分娩,廃疾,死亡,老齢,失業,多子に対し,保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講ずることであると規定した。
2 社会保障制度審議会は,「1950年の勧告」で,社会福祉を,公的年金を受給している者,身体障害者,児童その他援護育成を要する者を対象として,必要な生活指導,更生補導その他援護育成を行うことと規定した。
3 社会保障制度審議会は,「1995年の勧告」において,「1950年の勧告」当時の社会保障の理念は最低限度の生活の保障であったが,現在では広く国民に健やかで安心できる生活を保障することが社会保障の基本的理念であるとした。
4 イギリスにおけるソーシャルポリシー(社会政策)は,所得保障,医療保障及び教育保障から構成されている。これに対してドイツを中心に発達した社会政策は当初,雇用・就業上の事故を対象とする社会保険を内容とするものであった。
5 ティトマス(Titmuss,R.)の「福祉の社会的分業」の考え方によれば,福祉制度は財政福祉,社会福祉,市民福祉及び企業福祉の4つに分けられ,第二次世界大戦後は社会福祉から市民福祉へと変化しつつあるとされた。
(注)
1 「1950年の勧告」とは,「社会保障制度に関する勧告」のことである。
2 「1995年の勧告」とは,「社会保障体制の再構築に関する勧告−安心して暮らせる21世紀の社会を目指して−」のことである。
【問題22の解答】 3
問題23
イギリスの救貧法等の福祉制度の発達過程に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 エリザベス救貧法(1601年)では,労働能力のない貧民のうち親族による扶養を受けられない者に対して救済策が設けられたが,労働能力のある貧民については対象外とされた。
2 救貧法改正(1834年)によって,救貧行政の担当が中央政府から地方政府に変更され,中央政府は関与しないことになった。
3 チャールズ・ブース(Booth,C.)の『ロンドン民衆の生活と労働』における分析では,ロンドンの民衆が貧困となった原因で2番目に多いのは「環境の問題」であることが判明した。
4 「救貧法に関する王立委員会報告」(1909年)は多数派報告と少数派報告からなり,多数派報告は救貧法を解体してより普遍的な方策が必要であると主張した。
5 20世紀初頭のイギリスでは,公的年金と失業保険から構成される国民保険法が成立するなど積極的な社会改革が進められた。
【問題23の解答】 3
1 エリザベス救貧法(1601年)では,労働能力のない貧民のうち親族による扶養を受けられない者に対して救済策が設けられたが,労働能力のある貧民については対象外とされた。
2 救貧法改正(1834年)によって,救貧行政の担当が中央政府から地方政府に変更され,中央政府は関与しないことになった。
3 チャールズ・ブース(Booth,C.)の『ロンドン民衆の生活と労働』における分析では,ロンドンの民衆が貧困となった原因で2番目に多いのは「環境の問題」であることが判明した。
4 「救貧法に関する王立委員会報告」(1909年)は多数派報告と少数派報告からなり,多数派報告は救貧法を解体してより普遍的な方策が必要であると主張した。
5 20世紀初頭のイギリスでは,公的年金と失業保険から構成される国民保険法が成立するなど積極的な社会改革が進められた。
【問題23の解答】 3
問題24
20世紀前半における福祉制度の発達過程に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 スウェーデンでは自由民主党政権が誕生(1920年)し,同政権によって同国の自由主義的福祉政策の基本的な枠組みが形成されて福祉国家の基礎となった。
2 アメリカではニューディールの一環として,公的扶助,失業保険,医療保険,福祉サービスの4本柱を内容とする社会保障法(1935年)が制定された。
3 ドイツでは第二次世界大戦後の基本法において,ようやくすべての国民に「人間としての尊厳を有する生活」を保障する生存権が確定した。
4 日本では工場労働者の最低就業年齢や最長労働時間など労働者の保護を定めた工場法が,第一次世界大戦後に初めて制定された。
5 日本では1938年に厚生省が設置され,また,私設社会事業への届出義務,改善命令,監督・指示,寄付金募集,補助等を定めた社会事業法が制定されている。
【問題24の解答】 5
1 スウェーデンでは自由民主党政権が誕生(1920年)し,同政権によって同国の自由主義的福祉政策の基本的な枠組みが形成されて福祉国家の基礎となった。
2 アメリカではニューディールの一環として,公的扶助,失業保険,医療保険,福祉サービスの4本柱を内容とする社会保障法(1935年)が制定された。
3 ドイツでは第二次世界大戦後の基本法において,ようやくすべての国民に「人間としての尊厳を有する生活」を保障する生存権が確定した。
4 日本では工場労働者の最低就業年齢や最長労働時間など労働者の保護を定めた工場法が,第一次世界大戦後に初めて制定された。
5 日本では1938年に厚生省が設置され,また,私設社会事業への届出義務,改善命令,監督・指示,寄付金募集,補助等を定めた社会事業法が制定されている。
【問題24の解答】 5
問題25
福祉を取り巻く現代社会の動向に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 ウルリッヒ・ベック(Beck,U.)は,『危険社会』の中で,現代社会は,核兵器や環境破壊などの問題が深刻化したため,個人の生活がこれまで以上に集合体に依存するようになっていると主張した。
2 アンソニー・ギデンズ(Giddens,A.)は,社会民主主義的な福祉国家でもなく,サッチャリズムに象徴される市場原理主義でもない「第三の道」という考え方を提唱して,イギリスのブレア政権の福祉政策のあり方に影響を与えた。
3 ダニエル・ベル(Bell,D.)は,『ポスト工業化社会の到来』の中で,ポスト工業化の時代には「新しい知識階級」が,金融や情報に関する新しい技術を駆使しながら「経済学化様式」に立脚した意思決定を行うと主張した。
4 ジョセフ・スティグリッツ(Stiglitz,J.)の著書の題名になった「底辺への競争」という現象は,経済のグローバル化によって途上国が一層,底辺化することである。
5 ロバート・ピンカー(Pinker,R.)は,福祉サービスはインフォーマル部門,ボランタリー部門,公共部門という3つの部門によって多元的に供給されるという福祉多元主義の考え方を示した。
【問題25の解答】 2
1 ウルリッヒ・ベック(Beck,U.)は,『危険社会』の中で,現代社会は,核兵器や環境破壊などの問題が深刻化したため,個人の生活がこれまで以上に集合体に依存するようになっていると主張した。
2 アンソニー・ギデンズ(Giddens,A.)は,社会民主主義的な福祉国家でもなく,サッチャリズムに象徴される市場原理主義でもない「第三の道」という考え方を提唱して,イギリスのブレア政権の福祉政策のあり方に影響を与えた。
3 ダニエル・ベル(Bell,D.)は,『ポスト工業化社会の到来』の中で,ポスト工業化の時代には「新しい知識階級」が,金融や情報に関する新しい技術を駆使しながら「経済学化様式」に立脚した意思決定を行うと主張した。
4 ジョセフ・スティグリッツ(Stiglitz,J.)の著書の題名になった「底辺への競争」という現象は,経済のグローバル化によって途上国が一層,底辺化することである。
5 ロバート・ピンカー(Pinker,R.)は,福祉サービスはインフォーマル部門,ボランタリー部門,公共部門という3つの部門によって多元的に供給されるという福祉多元主義の考え方を示した。
【問題25の解答】 2
問題26
福祉政策における需要とニーズ(必要)の概念に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 ニーズ(必要)に応じた分配とは,人々の出身,能力,貢献などとは無関係に,各人が必要とする資源を分配することを意味する。
2 福祉サービスの需要のうち,その存在が気付かれていないものを無効需要ないし潜在需要といい,気付かれているものを有効需要という。
3 必要即応の原則とは,福祉サービスは,年齢や性別など個人や世帯の相違を考慮して有効かつ適切に提供すべきことを意味し,社会福祉法で定められている。
4 福祉サービスに対する行政需要とは,国民の政府に対する要求や要望のうち,市場を通じて供給することが特に可能な消費者の需要のことである。
5 ブラッドショー(Bradshaw,J.)のいう「エクスプレスト・ニード」とは,専門家が自らの経験に基づいて感じとったニーズ(必要)のことを意味する。
【問題26の解答】 1
1 ニーズ(必要)に応じた分配とは,人々の出身,能力,貢献などとは無関係に,各人が必要とする資源を分配することを意味する。
2 福祉サービスの需要のうち,その存在が気付かれていないものを無効需要ないし潜在需要といい,気付かれているものを有効需要という。
3 必要即応の原則とは,福祉サービスは,年齢や性別など個人や世帯の相違を考慮して有効かつ適切に提供すべきことを意味し,社会福祉法で定められている。
4 福祉サービスに対する行政需要とは,国民の政府に対する要求や要望のうち,市場を通じて供給することが特に可能な消費者の需要のことである。
5 ブラッドショー(Bradshaw,J.)のいう「エクスプレスト・ニード」とは,専門家が自らの経験に基づいて感じとったニーズ(必要)のことを意味する。
【問題26の解答】 1
問題27
社会的排除及び社会的包摂政策に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 給付つき税額控除制度とは,控除額が所得税額を下回る場合に,その差額を現金で給付するものである。
2 社会的排除は多次元的な要因によって引き起こされる「状態」であるとともに,そこに至る「過程」に注目した概念であり,また,「社会との関係」の側面を重視する。
3 ILOが提唱したディーセントワークは労働の中身を問わないものであるが,ワークフェアは労働の中身の改善を第1の目標とする。
4 社会的包摂は,もともと発展途上国の貧困を背景にして生まれてきた「社会開発」概念である。
5 ハードなタイプのワークフェアとは,教育訓練を通してエンプロイヤビリティ(雇用されうる能力)を高めて労働市場への参加を強力に推進するものである。
【問題27の解答】 2
1 給付つき税額控除制度とは,控除額が所得税額を下回る場合に,その差額を現金で給付するものである。
2 社会的排除は多次元的な要因によって引き起こされる「状態」であるとともに,そこに至る「過程」に注目した概念であり,また,「社会との関係」の側面を重視する。
3 ILOが提唱したディーセントワークは労働の中身を問わないものであるが,ワークフェアは労働の中身の改善を第1の目標とする。
4 社会的包摂は,もともと発展途上国の貧困を背景にして生まれてきた「社会開発」概念である。
5 ハードなタイプのワークフェアとは,教育訓練を通してエンプロイヤビリティ(雇用されうる能力)を高めて労働市場への参加を強力に推進するものである。
【問題27の解答】 2
問題28
福祉資本主義の国際比較に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 1970年〜1980年代末までの日本の福祉は,国際比較の視点から見ると,失業率が低くて社会保障支出の割合が高いという特徴が見られ,ワークフェアよりもウェルフェアをより重視したシステムであった。
2 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)の主要な関心は,社会保障給付費の対GDPに占める割合を決めるものは何かを明らかにすることであった。
3 1970年〜1980年代末までのアメリカでは,国際比較の視点から見ると,失業率が高くて社会保障支出の割合も高いという特徴が見られた。
4 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)によれば,自由主義レジームの特徴は,社会保障制度に占める選別主義的制度の割合が高く,福祉の受給には強いスティグマ感を伴うことである。
5 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)の分類によれば,日本は労働力の脱商品化の程度が高く保守的階層化の程度が低いので,社会民主主義レジームに分類される。
【問題28の解答】 4
1 1970年〜1980年代末までの日本の福祉は,国際比較の視点から見ると,失業率が低くて社会保障支出の割合が高いという特徴が見られ,ワークフェアよりもウェルフェアをより重視したシステムであった。
2 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)の主要な関心は,社会保障給付費の対GDPに占める割合を決めるものは何かを明らかにすることであった。
3 1970年〜1980年代末までのアメリカでは,国際比較の視点から見ると,失業率が高くて社会保障支出の割合も高いという特徴が見られた。
4 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)によれば,自由主義レジームの特徴は,社会保障制度に占める選別主義的制度の割合が高く,福祉の受給には強いスティグマ感を伴うことである。
5 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen,G.)の分類によれば,日本は労働力の脱商品化の程度が高く保守的階層化の程度が低いので,社会民主主義レジームに分類される。
【問題28の解答】 4
問題29
ジェンダーに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 ジェンダーとは,生物学的性差に基づいて形成される生得的な男らしさ・女らしさのことを意味する。
2 男女共同参画社会を実現するために,厚生労働省に男女共同参画局が設置されている。
3 コペンハーゲンで開催された国連の世界女性会議(1980年)の宣言で,「ジェンダー主流化」が明記された。
4 社会政策におけるジェンダー・バイアスとは,男性が安定的に雇用され,女性が労働市場に参入しないことを標準とみなすようなバイアスのことである。
5 国連によるGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)によれば,日本は,北欧諸国とともに男女の平等化が最も進んだ国々のグループに位置づけられる。
【問題29の解答】 4
1 ジェンダーとは,生物学的性差に基づいて形成される生得的な男らしさ・女らしさのことを意味する。
2 男女共同参画社会を実現するために,厚生労働省に男女共同参画局が設置されている。
3 コペンハーゲンで開催された国連の世界女性会議(1980年)の宣言で,「ジェンダー主流化」が明記された。
4 社会政策におけるジェンダー・バイアスとは,男性が安定的に雇用され,女性が労働市場に参入しないことを標準とみなすようなバイアスのことである。
5 国連によるGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)によれば,日本は,北欧諸国とともに男女の平等化が最も進んだ国々のグループに位置づけられる。
【問題29の解答】 4
問題30
福祉政策と市場とのかかわりに関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 福祉政策における公共財の供給とは,経済社会における「家計の失敗」を原因として概念化されたものであり,あらゆる供給セクターを通じて行われる福祉サービス供給の総称である。
2 公共財は,競合性と排除性によって特徴づけられるので,必要な人があまねく消費するためには各人に公平に分配するための福祉政策が必要になる。
3 価値財は教育サービスのように公的に提供されるものもあるが,基本的には個人の価値観に基づいて消費されるので市場における供給が基本であり,公的供給は二次的である。
4 福祉政策は,必要な人が市場を通じて財やサービスを適正な価格で入手できるように,独占禁止などの必要な規制を行い適正な競争環境を整えることを主な目的としている。
5 公的サービスの提供において部分的に市場メカニズムを取り入れた方式を総称して疑似市場といい,我が国の介護保険制度における介護サービスの提供にはこの疑似市場の要素が導入されている。
【問題30の解答】 5
1 福祉政策における公共財の供給とは,経済社会における「家計の失敗」を原因として概念化されたものであり,あらゆる供給セクターを通じて行われる福祉サービス供給の総称である。
2 公共財は,競合性と排除性によって特徴づけられるので,必要な人があまねく消費するためには各人に公平に分配するための福祉政策が必要になる。
3 価値財は教育サービスのように公的に提供されるものもあるが,基本的には個人の価値観に基づいて消費されるので市場における供給が基本であり,公的供給は二次的である。
4 福祉政策は,必要な人が市場を通じて財やサービスを適正な価格で入手できるように,独占禁止などの必要な規制を行い適正な競争環境を整えることを主な目的としている。
5 公的サービスの提供において部分的に市場メカニズムを取り入れた方式を総称して疑似市場といい,我が国の介護保険制度における介護サービスの提供にはこの疑似市場の要素が導入されている。
【問題30の解答】 5
問題31
福祉制度の利用に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 T.H.マーシャル(Marshall,T.H.)はシティズンシップの三要素のうち,「社会の標準的な水準に照らして文明市民としての生活を送る権利」を含む諸権利を市民的権利と呼んだ。
2 真に福祉サービスを必要としている人々を選別する仕組みを導入することによって,福祉制度の利用に伴うスティグマ付与の要因を排除することができる。
3 医療や福祉サービスのような専門的サービスで生じやすい情報の非対称性を是正するためには,利用者に関する個人情報をサービス提供者に開示し,エンパワメントする必要がある。
4 日本では1990年の社会福祉事業法等の改正により行われた社会福祉基礎構造改革に基づき,福祉サービスの利用関係が契約による利用制度から行政が関与する支援費制度に変更された。
5 社会福祉法では社会福祉事業の経営者に対して,自らその提供する福祉サービスの質を評価することなどによって,良質で適切な福祉サービスを提供するよう努めるべきことを定めている。
【問題31の解答】 5
1 T.H.マーシャル(Marshall,T.H.)はシティズンシップの三要素のうち,「社会の標準的な水準に照らして文明市民としての生活を送る権利」を含む諸権利を市民的権利と呼んだ。
2 真に福祉サービスを必要としている人々を選別する仕組みを導入することによって,福祉制度の利用に伴うスティグマ付与の要因を排除することができる。
3 医療や福祉サービスのような専門的サービスで生じやすい情報の非対称性を是正するためには,利用者に関する個人情報をサービス提供者に開示し,エンパワメントする必要がある。
4 日本では1990年の社会福祉事業法等の改正により行われた社会福祉基礎構造改革に基づき,福祉サービスの利用関係が契約による利用制度から行政が関与する支援費制度に変更された。
5 社会福祉法では社会福祉事業の経営者に対して,自らその提供する福祉サービスの質を評価することなどによって,良質で適切な福祉サービスを提供するよう努めるべきことを定めている。
【問題31の解答】 5