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障がい者福祉を知って高みを目指す!

松崎 匡 (まつざき ただし)

介護職として高みを目指すなら、高齢者福祉も障害者福祉も知っておきたいところ。この2つの現場を経験した松崎さんだからこそ言えるそれぞれの違い。それらを知り、介護職としてあらためて「福祉ケア」について考えていきましょう。

プロフィール松崎 匡 (まつざき ただし)

この4月より「合同会社M&Yファクトリー」代表社員。
元アルファ医療福祉専門学校教務主任。福祉関連事業所の開業、業務改善などのコンサルティング、研修講師、市民向けの介護講座などのほか、青少年の更生、フリーター、ニートの就職支援などを手掛ける新たな福祉への関わりを中心に活動中!

第12回 『セルフケアプランを作ろう!(1)』

 5月2日、わが心の師「忌野清志郎」さんの命日でした。

 毎年この時期になるとお墓参りに行くのですが、命日以外の日でも大量の花が供えられ、行けば必ず何人かのファンの方に出会います。そのお墓の周りには、とても癒される空気が漂っていて、私はスランプに陥ると時期を問わずそこへ行って力をいただいております。そこにお墓があるというだけで故人の存在が感じられ、誰かの支えになっている…。何だかすごいことですね。

 以前、ある施設長さんがおっしゃっていた、私たち福祉職も、利用者にとって「そこにいてくれるだけで安心する」ような存在…単なる「人材」ではなく「人在」でありたいものだと改めて思う今日この頃であります。

なぜ、セルフケアプラン?

 さて前回までは、自分なりの視点や、日々の仕事の中で見直してみてほしいことをお伝えしてきました。今回からそれを皆さんおなじみのケアプランにしてみようということをお話ししていきたいと思います。

 皆さんは、日々の仕事で利用者のアセスメントシートやケアプランはいくつも目にしているかと思います。多くの利用者のケアプランに目を通すことに「慣れて」しまうと、何だか流れ作業的に目を通すだけだったり「何となく」わかったつもりになってしまって、深く読み込むことが少なくなったりしていないですか?

 本来ならば、利用者のニーズが最優先されるものなのに、何となくの「経験則での介護」になってしまっている方が多いような印象があります。

 でも、介護ってそうではないですよね。「本当の意味」で利用者の立場に立ってケアプランを作成するには、まずは自分のプランを作ってみることから始めてみましょう。自分のことなら真剣に考えられるし、さらに自分の目標を明確にするためにも効果的なので、ぜひやってみてください。

セルフアセスメント

 では、まずは自分のアセスメントをしてみましょう。

 ここでは、わかりやすいところで自分の仕事の課題分析…なんていうと難しいので、自分の仕事の得手不得手くらいでいいので、書きだしてみましょう。

◆松崎の介護職時代の例
仕事の場面課題として認識していること対応策(案)
食事介護流れ作業的に介護していると感じる時がある。利用者の状態をもっと把握して、スムーズな介護を行う。
入浴介護障がい者施設での「同性介護」の経験しかないので、異性介護に抵抗があり、苦手意識がある。
  • ・苦手意識を言い訳にしないように心掛ける。
  • ・現状の異性介護ができるようになってから、将来的に同性介護を実現するために何をするかを考える。
排泄介護
  • ・おむつ交換を極めたい。
  • ・排便後のおむつ交換は大変だという意識を変えたい!
  • ・おむつ交換日本一宣言をして、自分にプレッシャーをかける。
  • ・「便は体のお便り。喜んで受け取ろう!」という心構えに変わる。
  • ・おむつ交換技術の向上のため、おむつメーカーに修行に行く。
利用者とのコミュニケーションまだ、自分の存在を受け入れてくれていない利用者がいると感じる。利用者のことをもっと知るために、アセスメントシート以外の情報も集める。
記録書くのが苦手。面倒くさいと思ってしまう自分がいる。記録の技術ではなく、記録の「意味・意義」を自分なりに納得できるようにする。

 この程度でいいので、自分の仕事を簡単にアセスメントしてみてください。できれば職場の同僚と一緒にやると非常に効果的です。

 いくつかの事業所での研修でやってみたところ、さまざまな副産物的効果がありましたので、騙されたと思って挑戦してみてください。どんな副産物的効果があったか…続きは次回お話しします。