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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑にて人材育成担当。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

「介護人材の不足と採用の責任」

 団塊の世代といわれる方達すべてが75歳を超える2025年。厚生労働省が今年5月に公表した推計によると、この時の介護職員の需要は244万6562人。しかし、近年の入職・離職の動向が大きく変わらず続いていった場合、2025年度の時点で210万9956人しか確保することができず、33万6606人のギャップがあると言われています。

 このような人材不足の介護業界において、職員の数を確保することが最大の課題のようになっています。しかし、本当に最大の課題はそこでしょうか。

 6月に入り、人の動きが出てきました。ボーナス時期だからでしょうか。
 一般的に見ても、ボーナスをもらって退職する人は多く、そんな中で、当施設でも採用面接の応募が増えています。
 当施設も、決して職員が充足しているわけではありません。人手は欲しいですが、どんなに人がいなくて大変だといっても、誰でもいいわけではありません。
 採用面接を受けに来る人のなかにも、是が非でも就職したいと熱意をもって来る人、そうでない人、さまざまです。

 私が面接の際に見るのは、まず常識ある人かどうか。どんなに介護業界で長く働いた経験のあるベテラン、即戦力であっても、常識のない人は採用しません。介護を受ける利用者の立場になれば、常識のない人に介護をしてもらいたいはずがないでしょう。施設に預ける家族の立場であっても同じです。
 ただ、多くの事業所が採用に関してのハードルを下げていることも事実です。とりあえず、職員がいなければシフトが組めません。回せません。そのために頭数だけ揃えて、理想を追求しなくなっている事業所が少なくないと聞きます。さらに入職後も、人手がないことを理由に指導をしていません。こうして全体の介護の質が下がっていくのです。
 このしわ寄せは、すべて利用者にいきます。知識も技術も心も育まれていない職員から介護を受ける利用者。悲劇としか言いようがありません。

 採用と採用後の指導。ここには一定のこだわりが必要です。
 介護人材の不足が社会問題になっています。その中でも、採用、指導に携わる者は、プライドをもって臨みましょう。