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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑にて人材育成担当。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

人生という物語

 先日、私が勤務する特別養護老人ホーム千歳敬心苑で、合同慰霊祭が行われました。
 合同慰霊祭は毎年行われていて、前年に逝去された入居者の家族をお招きし、故人を供養する意味があります。

 合同慰霊祭の後は「ちとせメモリーズ」と題した家族と職員との昼食会が行われました。
 食事をともにして、故人の思い出を語り合います。故人の入居中には話すことができなかった家族の想いを聴いたり、家族の知らない施設でのお父さま、お母さまの様子を伝えたり、楽しい時を過ごすことができました。

 私たち施設職員は、入居者が亡くなられ、お見送りをした時から、次に入居される方のために気持ちを切り替えていかなければなりません。

 しかし、家族は違います。グリーフケアという言葉が使われるようになって久しいですが、家族は亡くなったお父さま、お母さまのことをどのように整理し、受け入れているのでしょうか。

 自分を生んで育ててくれた親が、もうこの世にいないという現実。もう二度と会うことができないという現実。
 思い出、感謝、後悔……さまざまな感情のなかで、子は二度と会えない親を受け入れていきます。亡くなってなお、人の物語には続きがあるのです。

 介護職がこれを知ることは、自分たちの仕事がいかに尊い仕事であるかを感じることができ、そしてまた大きく成長するための大事なプロセスだと思います。

 合同慰霊祭は、家族のグリーフケアというだけでなく、人生という物語は、命尽きてもなお続いていくことを知る、介護職にとっての学びの場なのです。