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山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術

山口 晃弘(やまぐち あきひろ)

超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。

プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)

介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑にて人材育成担当。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)がある。

著書

『最強の介護職、最幸の介護術』
『最強の介護職、最幸の介護術』

その先へ・・・

 参議院選挙が行われました。
 参院選で重視する政策や争点として高い関心を集めていたのが「社会保障」。母子家庭の貧困率が5割を超えるなど、子供の貧困は重大な問題です。そして私たち高齢領域で働く職員にとっても、直接関連するのが社会保障です。高齢者の貧困も今後の日本の大変重大な問題となっています。OECD加盟国の中で、65歳以上の高齢者の貧困率が最も高いのが韓国、オーストラリア、アメリカと続き、日本は世界4位となっています。

 アベノミクス3本の矢では、介護による離職を防ぐために、介護施設整備を掲げていました。最近になって各新聞は、「特養待機者急減」「施設整備計画見直しも」と、特養の待機者が減っているという現状を伝えています。
 しかし、これは平成27年の介護保険法改正の際に要介護3以上の人しか特養に申請できなくなった影響です。全体数として減るのは当たり前。それで施設整備計画を見直すなんて、あまりにも国にとって都合のよい話です。
 要介護1、2の方たちは、どこへ行けばよいのでしょうか。それぞれの家庭には事情があって、どうしても家で生活することが難しい方もいるのです。高額な利用料の民間の施設なら空きがあるかもしれません。しかし、貧困率の高いこの国の高齢者は、何千万もする入居金や何十万ものお金を毎月支払えるほど裕福な方ばかりじゃないのです。

 選挙の度に「社会保障」の重要性を訴える候補者たち。候補者ではなくなり、バッジを着けた途端、寄らば大樹の陰を決め込む議員が多くいます。
 「木を見て森を見ず」という言葉があります。悪い意味で使われますが、木を(目の前で苦しむ人を)救うこともできずに、森を(多くの人を)救えるのでしょうか。

 先日、NHKで放送された番組では、「日本において2週間に一度の割合で介護殺人が発生している」と伝えていました。
 未来を語るのは良いことです。しかし、未来どころか明日、いや今日のことさえ考えられない状況の人がいます。今、この瞬間も介護に苦しむ人がいます。
 今、目の前で涙を流す人を救うこともできずに、この国に明るい未来があるのでしょうか。


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