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和田行男の婆さんとともに

和田 行男 (和田 行男)

「大逆転の痴呆ケア」でお馴染みの和田行男(大起エンゼルヘルプ)がけあサポに登場!
全国の人々と接する中で感じたこと、和田さんならではの語り口でお伝えします。

プロフィール和田 行男 (わだ ゆきお)

高知県生まれ。1987年、国鉄の電車修理工から福祉の世界へ大転身。
特別養護老人ホームなどを経験したのち99年、東京都で初めてとなる「グループホームこもれび」の施設長に。現在は株式会社大起エンゼルヘルプ地域密着・地域包括事業部 入居・通所事業部部長。介護福祉士。2003年に書き下ろした『大逆転の痴呆ケア』(中央法規)が大ブレイクした。

居ないけど「在る人」


 先日、三年目を迎えた「仙台トークライライブ」。
 一年目は「認知症の人を謳う」シンガーソングライター・アラヤタツロウさんとのトーク&ミュージック企画、二年目は茨城県のNPO法人から石山大地さんと一年目と同様の企画、今年は北海道で活動するカッパーズというバンドと僕が一体となった企画となりました。

 実はそこに僕の高校時代の同級生もゲスト参加して、素晴らしいアコースティックギターの音色と、僕が覚えていない学生時代のエピソードを添えてくました(お恥ずかしい)。

 カッパーズの素は、ドラム奏者とギター奏者×2の3人が介護の専門学校で知り合い、音楽で意気投合してバンド活動をしていたのですが、就職後バラバラになり眠っていたところへ、奈良で始まった和田さんのライブハウスでやる「トークライブ」を北海道でもやろう! ということになり、バンド活動を停止していた仲間たちに声がかかり、僕や他のメンバーも加わって結成されたバンドが「カッパーズ」です。

 僕もカッパーズの一員として加えていただいているのですが、歌うことしかできないため「ボーカル」と謳ってくれています。

 二年目からは、トークライブ主催者側にいたグループホームの経営者が「わたし、ベースギターがしたい。来年はやるわ!」と言いだし、今年は「ぼくギターが弾きたい。練習して仙台に出る!」と別のヤツが言いだし、今では営業でお付き合いのあるエーザイ製薬の職員までキーボード奏者として参加するようになり、今では「歌い手」もバラエティからロックまで増え、メイク担当まで揃うなど、賑やかなチームになりました。

 北海度は苫小牧のライブハウスを軸にして、毎年「トークライブ」を開催してきましたが、昨年登別に招いていただいた折、僕から「来年は仙台でやろう!」と呼びかけ、その後盛り上がってきていたにも関わらず、メーンギタリストが「ガン」を発症。闘病生活に突入しました。

 今年の春苫小牧で行った「トークライブ」での復活は成らず、仙台での復活をチームメンバーも本人も期して奮闘してきたのですが、それも成らずでした。

 でも、僕はトークライブでも語らせてもらいましたが、「ある」と「居る」があるとしたら、僕らにとってヤツは「居なくともある人」であることに違いはなく、見たこともない参加してくださった皆さんの中にも「ある人化」できたのではないかと思うし、それをヤツに届けることが、その場に居る僕らの「せめてできたこと」かなと。

 ヤツには、リアルタイムでステージの様子が贈られていたようですが、ヤツからこんなコメントが翌朝届きました。
 ヤツに許可も受けずにオープンにしますが、それもこれも闘病しているたくさんの人たちに、人たちの周りの人たちに知っていただけたら、見たことのない人たちではあったとしても「ある人」にしていただけるかなと(本当は、このステージのために準備した面の写真も公開したいくらい)。

 おはようございます\(^o^)/
 昨日はお疲れ様でした!
 そしてメッセージありがとうございました!

 『一生天命生きようゼ!』の文字

 集合写真を見せて頂きました!( )メッセージと参加者の皆さんの数々のガッツポーズ、ピースサイン、ハートマーク、そして笑顔!にまた勇気と希望を頂きました!
 本当に感謝です!!!\(^o^)/

 俺、まさか自分が癌になるなんて夢にも思ってなかった一年前。
 でも、なっちゃった。
 宝くじ当たらんのにこんなもんは当たるんか!?……って

 『俺この後どうなっちゃうんだろぅ』
 『あちこちに転移したりするのかな』

 病気が分かった時、治療中のふとした時、正直今でも時々思ったりするけど、本当に『天命』で人は生きているんだなってメッセージ頂いてまた噛みしめました!

 『どうなっちゃうか心配しながら生きる』より『どうなっても良い様に与えられた一生を堂々と生きる』ことなんでしょうね!
 (でも、今の俺はまだまだ未熟者の修行僧の中でも悪人なのですが…)

 この後の一生はどこまであるのかは神様が与えてくれた命で俺にも、他の誰にも分からないけど、また和田さん、仲間達のおかげで俺は皆と愉しく笑って居たいと思えたし!

 本当に次こそは北海道は三笠市のバリバリのロックンローラーがギター掻き鳴らしアンプが吠えますぜ!……って野望はまだまだここにあるので!
 熊と間違えて撃たないでね!(笑)
 魂の男(和田さん)と魂交差点で会いたいな!

 帰り道くれぐれもお気をつけてm(_ _)m
 いつもいつもありがとうございます\(^o^)/感謝です!!!\(^o^)/

  • ※ 魂交差点とは、コブラツイスターズの曲名で、僕がカッパーズで歌わせていただくときの楽曲です。

 僕も年を重ね、同じように僕の周りの者も重ねるごとに、今まで「なかった病」を背負う状態になる連中が続出してきている。もちろん自分も例外なく。
 でも、病を背負って姿見えなくなろうとも、死を迎えて二度と会えなくなろうとも、「大好きな連中の中で在り続けられる」、そんな「生きるに尽力する」ことが、点から与えられたたった一度の人生を生きるってことかなと。
 いつになく極の緊張が襲ってきた待ち時間の中で「ふと」思い、この日参加できなかったメーンギタリストだけでなく、僕の中にある闘病仲間に贈る言葉に手を走らせると「一生天命生きようゼ!」となりました。


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