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辻川泰史の介護事業経営に必要な考え方

辻川 泰史 (つじかわ やすし)

一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。

プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)

1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66

群馬県にて研修

 小濱道博先生のケアマネジャー向けセミナーのサポートと、私自身が講師として行う研修のため、6月18日(土)は群馬県沼田市に行きました。

 度重なる法制度の改正で、ケアマネジャーの役割も増え続けています。サービスの調整のほか、利用者様家族などへの説明も増え、今後の介護保険制度の見通しも立てたうえで業務を行っていくことがより必要になります。


 ちょうど、この時期は小濱先生の新刊『これならわかる〈スッキリ図解〉実地指導 介護事業』(翔泳社)の発売日で、同書はamazonケアマネジャーランキング1位も獲得しました。夕方からは、私の研修でした。内容は「デイサービス経営シュミレーション研修」です。


 内容としては4~5人を1グループにします。そのグループのなかで、経営者(管理者)、相談員、看護職員、介護職員と役割を分けます。そして、給与、賃料、借入金、返済金、光熱費、車両費、雑費、リース料などの経費を出し、実際に経営するために必要な経費を算出します。

 その経費を賄い、利益を出すためには、どれくらいの売上げが必要か? その売上げを達成するために必要な稼働率と人件費率はどれくらいの数字か? そのためにはどのような営業方法やプログラム、活動を行い、周知をどのようにしていくのか? ということを検討し発表します。

 介護業界では、「人が足りない」「時間がない」「やることがいっぱい」といった言葉が頻繁に聞かれます。実際にそういった現状もあるのかもしれませんが、それをスタッフの増員で対処するという方法をとることのみに視点が行きがちです。


 しかし、スタッフを増員しただけでは、対処療法であり、実際の解決には結びつかないということも多々あります。人件費の高騰は事業所の経営を揺るがします。

 人手を増やせ! ということは事業所の利益を少なくし、結果として、現場スタッフへの給与や賞与への還元が減少するという悪循環につながりかねないことになります。スタッフの最低限の経費意識を付けていくことも重要であります。

 そのためには、実際に運営する立場でデイサービス事業を考える機会も大切になります。まずは、デイサービスの売上単価を知る。要は、単位数の把握は最低限必要なことです。そういった意識づけをスタッフにしていくことも経営者の重要な役割であり、仕事です。