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辻川泰史の介護事業所運営のコツ、教えます

辻川 泰史 (つじかわ やすし)

一期一会の出会いを大切にし、介護のプロとしてサービスを提供する辻川泰史さんによる、これからの事業所運営の指南ブログ。

プロフィール辻川 泰史 (つじかわ やすし)

1978年東京都生まれ。98年、日本福祉教育専門学校卒業。
老人ホーム、在宅介護会社勤務を経 て2002年、(有)はっぴーライフを設立(05年に株式会社化)。08年、(株)エイチエルを設立。現在、コンサルティ ング、講演、セミナーなどでも活躍中。
著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規、2009年)がある。
はっぴーライフHP
http://www.hl-tokyo.com/
対談ムービー http://www.youtube.com/user/2g66

送迎のあり方

 栃木県で先日、デイサービスの送迎中に交通事故があり、お亡くなりになられた方がいました。デイサービスの送迎は正直、大変です。単に運転していればよいのではなく、利用者の顔色を見て、会話をします。

 以前は送迎加算が付き、送迎を行う車両を大型にし、送迎担当を運転手と介助員で行うことができました。当社も以前は、送迎車のうち1台はタクシー会社と委託契約し、プロの運転手に依頼していました。

 しかし現在は、送迎加算がなくなり、自社で行っています。タクシー会社に委託できる法人がうらやましいです。度重なる減算に加え、サービス提供時間が変動し、送迎に必死になっている現状もあります。朝の送迎で10分間遅延した場合、事業所に到着してから時間が算定されるので、すべてのサービスが後押しになってしまいます。

 そこで、遅延しないようにと躍起になり、運転に必死になり、利用者との会話を楽しんだり、利用者の状況を確認する、ニーズを伺う余裕がなくなりました。

 現在、デイサービスの数は全国で4万事業所を超えています。少なく考えても、4万事業所×2台=8万台のデイサービス車両が送迎で動いています。そして、5-7や7-9などの時間に追われ、介護現場を終えた介護職が運転を行っています。

 疲れもあり、算定のために慌ただしく運転する。利用者の状態によっては、認知症や暴力的、不穏になりやすい方の対応を、運転しながら行うため、運転に集中できない環境もあります。

 事故を起こす運転手本人の問題も過大です。そういった事態を招いた事業所側の管理責任もあります。しかし、報酬減で人件費の削減を迫られ、サービス時間に追われざる得ない現状の制度にも大きな問題があると感じます。

 運転手本人のみを責めることはできません。デイサービスの過剰な増加により、介護給付費用が増えた結果、抑制されることは財源の問題でやむを得ないのでしょう。

 しかし、デイサービスの増加、単に儲かるというビジネスチャンス的な参入の事業所の粗悪なサービスのせいで抑制されている部分もあると感じます。

 そうはいっても、決まった制度です。経営の手腕が必要になります。送迎に関する仕組化も必要です。安全確認のための講習や勉強会、都度行う確認方法の徹底、他社で起こった事故は誰にでも起こりうるという危機意識を啓蒙することの徹底が必要です。

 そして、スタッフが利用者と個々にゆっくりと会話ができる送迎を再び実現したいと思います。

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