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高室成幸のケアマネさん、あっちこっちどっち?

高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

全国津々浦々、研修・執筆・アドバイザー活動を神出鬼没(?)・縦横無尽に展開する高室成幸さん(ケアタウン総合研究所)。
研修での専門職との出会いや、そのなかでの懇親的な現場を届けます。

プロフィール高室 成幸 (たかむろ しげゆき)

ケアタウン総合研究所所長。
日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』『新・ケアマネジメントの仕事術』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

トランクルームの使い道

 世の中には「これは何に使うのだろう?」と首をかしげたくなる代物があります。キッチン道具やお掃除道具などは最たるもの。100円ショップにあるプラスチックの収納ケースを、冷蔵庫の小物収納や靴下などの収納に使っているのをテレビで見た時は、「ホォ~」と感心したことがあります。


 ということで、トランクルームの話題です。

 その歴史は古く、昭和6年に倉庫業者が開設したのが始まりとのこと。当時はなんて読んでいたんでしょうね。ただの「貸し倉庫」を、呼び名を変えるだけでコンセプトと使い方までも変えてしまったという、グッドな例だと私は思います。

 貸し倉庫のデカイ空間や空き地や線路下の空きスペースをコンテナなどで間仕切りして、個人向けに使えるようにしたわけです。

 これが大人気。押し入れに入りきれない物を納めるスペースを外に持つという発想。おかげで個人消費が9割という、すごいことになっているようです。


 そこで私がナルホドなと近頃思ったのは、トランクルームに「思い出保管サービス」という新たなコンセプトをつけ加えたという、半年ほど前の読売新聞の記事です。

 東京の某倉庫会社が始めたサービス。インターネットで手続きすると段ボール箱が届き、本や服やアニメのフィギュア、子どもが描いた絵や採点済みのテストや教科書などを入れて着払いで送り返す、というサービスです。

 保管料は1箱250円(税込み)で、全国どこでも利用可能といいます。

 私がさらに納得&ナイスと思ったのは、1箱につき30点まで撮影してくれて、画像を専用のHPにアップしてくれるので、CDや本や服がどの箱に入れたのか一目瞭然なのです。「〇○がほしい」というと800円で送ってくれるうえに、1年以上だと無料で取り寄せることができるというからビックリです。

 「ネットを通してCDのジャケットをいつでも見られるので、手元になくても『自分のモノ』という感じがして安心できる」

 という利用者の声も紹介されていました。

 まさにこれって、片づけサービスの保管版。「親の片づけ」本がブームですが、まさに保管のアウトソーシング。

 「今、使っていない」ものを一時預かりするタイプ(衣服など)というより「どうしても捨てられない」もの(思い出の品)を永遠?に預かるサービスは、言い換えると「思い出保管サービス」なわけです。


 いまの70代以上はパソコンに不慣れでも、20年後の70代~80代は現在の50代です。パソコン、スマホは十分使い慣れています。いまの30代~40代が高齢者となる40年後は使いこなしているので、「スマホでチェック!」が当たり前になるでしょう。

 中山間地の空き地に巨大な倉庫群があらわれ、扉を開くと数千?のミニコンテナや段ボール箱が山積みになっている。片隅の「思い出スペース」では、都会からやってきた初老の家族が段ボールを開けて談笑している、という風景が当たり前になるのかもしれません。

 飽食ならぬ飽物の時代には、実は「なくてはならないサービス」なのかもしれませんね。

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 全国研修の様子は、ケアタウン総合研究所の公式FBをご覧ください。