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宗澤忠雄の福祉の世界に夢うつつ

宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

疲労が溜まりやすい福祉の現場。
皆さんは過度な疲労やストレスを溜めていませんか?
そんな日常のストレスを和らげる、チョットほっとする話を毎週お届けします。

プロフィール宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

大阪府生まれ。現在、埼玉大学教育学部にて教鞭をとる。
さいたま市障害者施策推進協議会会長等を務め、埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

晴れない危機

 今年は、夏から雨の日が多いですね。私の実感から話を始めていますから、関東地方にお住まいの方に限定するべきかもしれません。

 この夏の野菜などは、高騰したというよりも、まともなできの野菜を求めること自体に難しさがありました。とくに、キュウリとナスはひどかったですね。

 そこで、私の住む埼玉県(熊谷)の天気がどんな具合だったのかを、日本気象協会の「過去の天気」のサイトで調べてみました。すると、月別の雨の降った日数は次の通りです。10月は29日(日)までの日数です。

表 今年6~10月の雨の日数
6月 7月 8月 9月 10月
12日 16日 18日 16日 17日

 う~ん、やはり実に雨が多い。梅雨本番の6月の雨の日が最も少なく、7月以降は月の半分以上で雨が降っています。もっとも雨の日が多かった8月は、ビールの消費量が落ち込むは、夏野菜が高騰するは、経済や暮らし向きにも大きな影響がありました。

増水した川に突っ込んだ高級車

 先週の台風21号では、増水した近くの新河岸川に車が突っ込みました。幸いにも運転手はすぐに救出され、ケガはなかったそうです。これはかなりの高級車ですが、川水に長時間浸かってしまうと廃車は間違いなく、お悔やみ申し上げるほかありません。

 最近とくに頭をよぎる懸念は、地球規模で起きている様々な異常が、私たちの日常生活で実感できるまでに深刻化しているのではないのかという点です。少なくとも、このような気配を感じることが多くなっています。

 実際、地球規模の環境破壊による死者は夥しい数に上るのです。

 汚染した大気や水などの環境を原因とする子どもの死者は、2012年に世界で171万人に達することを世界保健機関(WHO)が今年の3月に発表しています。毎年、福岡市の人口を上回る子どもたちが、環境破壊によって(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H23_W7A300C1CR0000/)命を落としています。

 また、大気汚染が原因の2015年の死者数は世界で420万人あり、経済成長著しいインドと中国は、それぞれ110万人の死者を出しています。周辺国のモンゴルでも呼吸器系の疾患・死者を急増させています(http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/16/india-air-pollution_n_14805690.html)。

 このようにみてくると、ナスとキュウリのできが良くないどころの話ではありません。それでも中国やインドの政治家は自国の経済成長には揺るぎのない自信を深めていますし、地球規模にまで達した経済活動による環境破壊の問題をグローバルに克服する取り組みから、アメリカは離脱するというのです。

 政治と経済の世界では目先の利益をグローバルに優先する一方で、環境保全のグローバルな取り組みには腰が重い。少なくとも研究の世界では、地球規模の問題への情報を発信することが必要不可欠です。しかし、マスコミに登場する気象予報士の話には、一部を除いて、うんざりすることが多い。

 「この夏は太平洋高気圧の張り出しが弱い」とか、「台風の進行方向にある秋雨前線を刺激して、記録的な大雨になる」などの解説に、「異常気象」とか「地球温暖化」の言葉が適当に挟まれています。気象予報士の中で、これらの通常にはない現象の問題の本質に迫る必要を自覚している人は、一握りでもいるのかと考え込んでしまいます。

 つまり、マスコミの「気象情報」の実態は、昔の「天気予報」とさほど変わりません。地球を相手にする事象の専門家としては、気象予報士は心許ない気がします。私たちの日常生活に地球規模の何らかの異常を感じるようになっている今日、身近な天気の問題をもっと深めて報じることが大切なのではないでしょうか。

 もちろん、わが国では地震や火山噴火が予知できないことは明らかでありながら、「地震予知連絡会」や「火山噴火予知連絡会」の名称を掲げて止まない「研究者」がいましたから、気象分野だけの問題ではないでしょう。深刻な危機が差し迫る一方で、問題の本質を突き詰めようとしない風潮が強くなっているところに、わが国の最大の危機があるようにも思えてきます。

 現場は突き詰めて考えない、完成度の高い仕事をしない、それらの事実を改善して不断に完成度を高める経営・運営を追求しない企業トップは、問題を知らない、または知らぬふりをしたまま耳当たりのいいことだけを吹聴する。東洋ゴム、旭化成建材、三菱自動車、商工中金、日産自動車、神戸製鋼、スバル…。虐待の発生する法人・事業所と全く同じです。

オオミズアオの幼虫

 わが家の狭い庭に、また珍客がお出でになりました。オオミズアオの幼虫が、バラ科のブラックベリーの葉っぱが気に入ったようで、せっせと食べています。オオミズアオは成虫になると口が退化して何も食べることができないため、幼虫時代の食べた栄養だけで短い成虫人生(最大で2週間)を終えるそうです。それでは、どうぞ、心ゆくまで、腹いっぱい召し上がれ!!