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宗澤忠雄の福祉の世界に夢うつつ

宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

疲労が溜まりやすい福祉の現場。
皆さんは過度な疲労やストレスを溜めていませんか?
そんな日常のストレスを和らげる、チョットほっとする話を毎週お届けします。

プロフィール宗澤 忠雄 (むねさわ ただお)

大阪府生まれ。現在、日本障害者虐待防止研究研修センター代表。
長年、埼玉大学教育学部で教鞭を勤めた。さいたま市社会福祉審議会会長や障害者施策推進協議会会長等を務めた経験を持つ。埼玉県内の市町村障害者計画・障害福祉計画の策定・管理等に取り組む。著書に、『医療福祉相談ガイド』(中央法規)、『成人期障害者の虐待または不適切な行為に関する実態調査報告』(やどかり出版)、『障害者虐待-その理解と防止のために』『地域共生ホーム』(いずれも中央法規)等。青年時代にキリスト教会のオルガン演奏者をつとめたこともある音楽通。特技は、料理。趣味は、ピアノ、写真、登山、バードウォッチング。

栃木県・宇都宮市の対応に注目する

 宇都宮市の障害者支援施設ビ・ブライトで発生した傷害事件(=重い虐待事案)に続報が入りました。社会福祉法人瑞宝会の利用者への暴行で重傷を負わせた2名の職員の逮捕に続き、栃木県警OBの職員2名と施設長が証拠隠滅の疑いで逮捕されました。

 新たな逮捕者である3人は、傷害事件の内部調査資料の廃棄にかかわった疑いがあり、防犯カメラ映像の消去についても警察は調べを続けていると報じられています。この3人は、いずれも職員による虐待や傷害行為を記者会見で否定してきた人物です。

 読売新聞の報道(http://www.yomiuri.co.jp/national/20171005-OYT1T50082.html)によると、この県警OB職員は、「6月、『警察に顔が利く』との理由で施設職員らに任意の事情聴取をしていた宇都宮南署に赴き、『入所者同士のけんかで、事件ではない』と説明した」とあります。法人・事業所の組織的な隠蔽工作が疑われているようです。

 この社会福祉法人瑞宝会のホームページには、特異なところがあることをすでに9月19日のブログでご報告しました。この法人のホームページは現在閉鎖されていますが、閲覧できたときの記憶によると、東京や名古屋などの都市部に法人事務所を構えていることが明記されていたはずです。これは一体何なのだろうと、訝しい思いが残っていました。

 この事件に係わって、栃木県手をつなぐ育成会等が真相解明と再発防止を強く訴える声明を出しており(http://zen-iku.jp/info/release/3351.html)、この中に「同法人の運営する施設には、県外からの利用者も多く含まれると聞きます」と明記している点が、とても気になるところです。
(その他、この事件にかかわる声明は、栃木県自閉症協会・日本自閉症協会の連名によるものも公表されています。http://www.autism-japan.org/action2/2017/20170919-seimei.pdf

 全国各地から利用者を集めるための事務所を都市部に置いて、家族が処遇に困っている障害のある人を栃木の施設に連れてきて利用につなげるようなことをしていた疑いを、どうしても払拭することができないのです。このような点を含めて、最重度の虐待事案である傷害事件が発生したこの社会福祉法人にはまことに根深い問題があるように思えてなりません。

 また、暴行を加えたとして最初に逮捕された男性職員は、この施設の利用者でありながら「見習い期間中」の職員だったという点も、これまでにない問題ではないでしょうか。職員の力の優位性をテコにした施設内部の〈支配-従属〉を強化するための暴力行為に、障害のある利用者を共犯として巻き込んでいる点は、いささか異常な組織的人権侵害です。

 つまり、「親分の配下」に利用者の中から選んだ「子分」をあてがい、犯罪捜査を熟知する警察OBの指揮の下に、暴行の事実を隠蔽できる体制と体質を普段から構築してきたのではありませんか。

 そうして、今回は暴行があったと訴える複数職員の報告からなる内部調査の書類を廃棄し、防犯カメラ映像を消去するなど、傷害事件を組織的に隠蔽した-これらがもし事実だとすれば、この組織は社会福祉法人ではなく、まぎれもない反社会的集団と言うべきでしょう。

 この傷害事案は、警察OBの逮捕が法人・事業所の反社会的性格を明らかにしたことによって、これまでわが国で発生した虐待事案の中でも、もっとも悪質な重大事案であると指摘しなければなりません。

 少なくとも、自治体による通り一遍の「改善指導」によって「再発防止」を見通すことのできる事案ではありません。法人・事業所幹部の総入替、障害者総合支援法にもとづく指定支援施設・事業所の取り消し、社会福祉法人の解散命令等を含めた判断が自治体に求められると考えます。多くのみなさんとともに、この事案に対する自治体の対応を注視したいと考えます。

ソングポストのモズ

 さて、冬に向かう季節の変わり目は、夏鳥と冬鳥の入れ替わりや、夏場とは異なる生息地での縄張り争いなどが起こります。モズはさっそく高い木の天辺やお気に入りのソングポストに留まっては、高鳴きを繰り返していました。

セイタカシギ

 ふと脇に目をやると、環境省のレッドデータブックの<絶滅危惧II類>(絶滅の危険が増大している種)としてリストアップされているセイタカシギを発見しました。背にやや褐色味があるので若鳥かもしれません。逞しく生きて欲しい!!