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梶川義人の虐待相談の現場から

梶川 義人 (かじかわ よしと)

様々な要素が絡み合って発生する福祉現場での「虐待」。
長年の経験から得られた梶川さんの現場の言葉をお届けします。

プロフィール梶川 義人 (かじかわ よしと)

(仮称)日本虐待防止研究・研修センター開設準備室長、淑徳短期大学兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。

それにつけても…

 前回のブログの冒頭で、養護者による虐待の「概ね6割」くらいの事例で分離されていると書きましたが、正しくは「概ね35%」です。ちなみに、「概ね6割」というのは、通報・相談件数のうちの虐待と認められた件数(虐待判断件数)の割合でした。訂正してお詫びいたします。

 ところで、これらの数値は、厚生労働省による「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」のものです。調査結果は、いつも大体12月頃発表されますので、平成25年分の発表はもうすぐです。

 平成24年分からは、事例ベースで集計されたり、深刻度などの項目も追加されたり、事例実態と対応実情を、より科学的な把握できるようになりましたから、結果を知りたいとはやる気持ちと、先入観なく虚心坦懐に見なければならない、という思いが錯綜しています。

 現在、私は、虐待問題をゼロベースで見直す必要性を感じているので、なおさらです。

 というのも、これまでは、マネジメント・サイクルの考え方をもとに、取組みのプロセスについては、それなりに合理的に考えてきたように思えるのですが、取組みのプロセスが向かう方向性については、考えが足りない気がしているからです。

 つまり、マネジメント・サイクルの螺旋に沿っては考えたが、螺旋の向かう方向にまでは思いが至っていない、そんな気がするのです。まるで、「行方はネズミ花火に聞いいてくれ」というような頼りなさです。

 そこで、妥当性と信頼性がありそうな平成24年分と平成25年分の調査結果を踏まえ、改めて考えてみよう、と思ったわけです。

 その昔、短歌の下の句で万能な「それにつけても金の欲しさよ」というのを教えてもらったことがありますが、上の句をマネジメント・サイクルとすると、さしずめ「金の欲しさよ」の部分を見つけたい、というようなものでしょうか。

 この点で、気になる人物がいます。それは、PayPalのインターネット決済、Teslaの電気自動車、SpaceXの宇宙船ビジネス、分野を超えて複数の会社を立ち上げ、いずれにも成功を収めて、「世界最高の経営者」とか「第二のスティーブ・ジョブズ」と言われるイーロン・マスク(Elon Musk)氏です。

 私には、イーロン・マスク氏のビジネスは、すべて下の句が「それにつけても世界を救う」であるように思えてなりません。武力を用いずに「世界を救う」で一本筋がとおっているので、素晴らしく輝いて映って見えるのです。

 私も、「家族を救う」とか「従事者を救う」くらいの下の句を見出したいものです。

「螺旋の向かう明日はどっちだ?」
「明日のジョーかよ!」